マツダ デミオ スカイアクティブ 試乗レポート/清水草一(2/2)
- 筆者: 清水 草一
- カメラマン:茂呂幸正/オートックワン編集部
「ガソリン車でハイブリッド並みの燃費」は偽りではない!!
しかしデミオの場合、そこらの交差点を曲がるだけでも楽しかったので、そのあたりが非常にフツーになってしまったのは、残念無念なのである。
まあデミオの場合、「ドライバーが楽しいけれど、家族はあんまり楽しくない(乗り心地が少し固めでハネる)」という面はあったので、そこを改善したのは理解できる。
つまり、私のようなマニアはともかく、より万人にすすめられるクルマにはなったのだ。
では、期待のスカイアクティブGエンジンはどうか!?
まず燃費から報告しよう。箱根の一般道を、のんびりと流れに乗って走って、20km/Lをマークした!
この数字は、ライバルであるフィットハイブリッドとまったく同等レベル。デミオスカイアクティブの「ガソリンエンジンでハイブリッド並みの燃費」の謳い文句は真実だった!
エンジンフィールは、従来の1300ccエンジンに比べて、はっきりと静かでスムーズで、高級感がある。とにかくクルマの静粛性が大幅に向上している。
ただ、燃費重視もあって、出足はやや鈍く感じるし、アクセルに対する反応もやや落とされている。以前のデミオは、アクセルを踏むと、期待以上にバビッ!と前に飛び出す感覚があり、これがまた楽しかったのだが、そのあたりはかなりモッサリとしている。
思った以上に加速してしまえば、当然燃費は悪化する。今度のデミオスカイアクティブの最大のポイントは、「ガソリン車でハイブリッド並みの燃費」なのだから、それじゃ困る。個人的には落胆だが、これまた多くの方には歓迎すべき変更だろう。
結論として、スカイアクティブGを搭載したデミオは、誰にでも薦められる、万人向けの超低燃費コンパクトカーに生まれ変わった。
そこには、もはや特別な快感はない。まったくもってフツーの、一切気負う必要のない、バランスに優れたブレッド&バターカーに仕上がっている。
フィットハイブリッドとの比較では、デミオは室内が狭い分、19万円の価格差はまさに“いい勝負”。広さを優先するならフィットハイブリッド、安さを優先するならデミオスカイアクティブだ。
最後に一言。
個人的に圧倒的なイチオシは、マイチェン前のデミオの在庫車(あればの話ですが)!これこそ世界一のコンパクトカーである。
スカイアクティブより燃費が3割落ちても、年間1万キロ走るとして、ガソリン代が約3万円増えるだけだ。まぁマニアの独り言だと思って、聞き流してください。
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