マツダ CX-5 試乗レポート/松下宏(3/3)
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:マツダ株式会社/オートックワン編集部
走りもとても良い。
まずはエンジンの回転がスムーズなことだ。タコメーターの針を見ていると、ガソリン車と見紛うばかりのスムーズな動きを見せる。
ディーゼルなので回転の上限は5000回転ほどに抑えられているが、それを超えて回ろうとする元気の良さだ。ガソリン車を走らせるのとほとんど変わらないフィールで走らせることができる。
「ディーゼルらしからぬディーゼル」といって良いだろう。
このディーゼルにもSKYACTIV-DRIVEが組み合わされている。ディーゼルエンジンのトルクに対応した仕様とされているが、基本的にはガソリン用と同じでロックアップ領域の広いATだから、ダイレクトな変速フィールで力強い走りが得られる。
エンジン騒音は、ガソリン車に比べるとさすがにやや大きめ。走行中はともかく、停車中の車外音が大きかった。ただ、今回の試乗がプロトタイプ車で、市販車には騒音対策が施されるので、もう少し静かになるという。
ただ、このSKYACTIV-DのATモデルは、CX-5の日本仕様車に搭載されるかどうかが決まっていないとのこと。
昨年秋以降のマツダのSKYACTIVに関するプレゼンテーションの中で、日本にもSKYACTIV-Gを投入することは明らかにされているが、ディーゼルの日本導入がCX-5で実現するかどうかは未定という。
せっかくデキの良いディーゼルを作ったのだから、ぜひともCX-5に搭載して早くユーザーに提供したら良いと思う。
このほかSKYACTIVを全面的に搭載したCX-5では、低速域では軽く、高速域ではしっかりした手応えを感じさせる電動パワーステアリングがひとつのポイントだ。
また、滑らかなGのつながりを重視した足回りのチューニングは、マツダがプレマシーから始めたリニアリティ重視のチューニングによるもの。前述のアクセルワークに対するリニアリティなどもこれらに含まれる。
CX-5は、SUVであることが販売にどう影響するかが気になるところだ。
エクストレイルを始め、RAV4やCR-V、アウトランダーなどがライバル車となるが、2010年度の軽自動車を含めた販売ランキングを見る限り、上位30位までに入っているSUVはない。
エクストレイルがやっと40位以内に入っている程度であり、月に3,000台以上売れているのもエクストレイルのみ。欧米ではそれなりに良く売れると思われるCX-5だが、日本ではディーゼルエンジンが受け入れられるかどうかを含め、市場性が課題となるだろう。
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