レンジローバー&イヴォーク 雪上試乗レポート/大谷達也(2/3)
- 筆者: 大谷 達也
- カメラマン:小林岳夫
至れり尽くせりのインテリアで、気分はまさに「王侯貴族」!
前置きはこのくらいにして早く走り出したいのですが、この豪華なインテリアを目の当たりにしたらそうはいきません。
いかにも手触りのよさそうなレザーをしっかり縫い込んで仕上げたシートはぜいたくそのもの。
しかもリアシートは左右が独立したセパレートタイプで、おまけにロングホイールベース仕様だから足下は広々。ちょっと手を伸ばしたくらいでは前席のシートバックにも手が届かないくらい、目の前には巨大な空間が広がっているのです。
その座り心地はジェット旅客機のビジネスクラスを彷彿とするもの。いや、シートの作りでいえば、こちらのほうが明らかに飛行機よりも上でしょう。
おまけに、目の前には大型の液晶ディスプレイが備え付けられていたり、豪華なウッド張りのセンターコンソールにはクーラーボックスまで内蔵されていたりと、まさに至れり尽くせり。大げさでも何でもなく、王侯貴族の気分が味わえます。
不利な条件をモノともせず、レンジローバーは雪道でも余裕の走り
でも、レンジローバーで本当に驚かされるのはここから先です。先ほども記したとおり、雪は表面が溶けかけ、おまけに雪道がやや苦手なウィンタータイヤを装着と悪い条件が全部揃っているのに、レンジローバーはいかにも余裕綽々といった様子で雪道を走り始めたのです。
しかも、アクセル、ステアリング、ブレーキの操作に特別な神経を使うことは一切不要。雪道では本当に何が起きるかわからないから、乾いたアスファルト路面を走るときより慎重に運転しないといけません。でも、そうした注意をうっかり忘れてしまいそうになるくらい、レンジローバーの走りはしっかりしていたのです。
特設コースのモーグル・セクションではタイヤが浮いた状態でもズンズン進む!
続いて、今回の試乗会のために用意された特設コースを走ってみることにしましょう。
コース中には片輪が浮き上がってしまうくらい段差の大きなモーグル・セクションや、飛ばすとリアが流れ始めるほどタイトなスラローム・セクションが設定されていました。
モーグル・セクションではリアが1輪浮いた状態でもずんずんと前に進むロードホールディング性の高さを、そしてスラローム・セクションでは全長5.2mの巨体を存分に振り回せるほどのコントロール性を示してくれました。
これだったら雪深い山道にも分け入っていけそうだし、ワインディングロードでは軽快なハンドリングを楽しめそうです。
でも、そういった性能は、本来レンジローバーよりももっと軽量でコンパクトなクルマでなければ達成できないものです。それを、これほど大きな室内空間と、ぜいたくな装備を備えたフルサイズSUVで実現してしまったところにレンジローバーとランドローバーの凄さがあります。
いやあ、こんなクルマでスキーに行ったら、運転しても疲れず、車内では友達や家族との会話が弾みそうですね。いつかそんな旅をしてみたいものです。
というわけで、レンジローバーではまさに王侯貴族の気分を味わったわけですけど、お値段も1830万円と超ド級。
「そこまでゴージャスじゃなくていいから、もっとカジュアルにレンジローバーの世界を楽しみたい」と思う方がいても不思議ではありません。正直、庶民派の私もそのひとりです。
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