ジープ コンパス 試乗レポート/今井優杏(1/2)

ジープ コンパス 試乗レポート/今井優杏
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ジープのもうひとつの顔『ラグジュアリーなSUVメーカー』

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大アメリカの誇る堅牢強固な“ヨンク”車・Jeep(ジープ)といえば、連綿と続く壮大なアドベンチャー……たとえばそこここに荒れた岩肌が露出する山野をワシワシと駆け上がったり、唐突に出現して行く手を阻むクリークをいとも簡単に勇ましく水滴を巻き上げながら渡ったり、まるで『ファイト一発!』的シチュエーション、つまり緊迫したアウトドアシーンにおいて絶対的な信頼とそれに見合った走破性を持っている、なんていうイメージを思い浮かべるだろうか。

あるいはアニマルレンジャーがアフリカの広大な大地でライオンを追いかけるとき、麻酔銃を構えて砂埃を巻き上げつつ駆け抜けるイメージ?…どちらにしても平穏な日本に住む身にとっては圧倒的非日常を連想させるクルマであることは間違いない。

ジープ コンパス ボディカラー:ディープ チェリー レッド クリスタル パール
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もちろんそれもジープの一部だし、それがなくして当然ジープは語れない重要な横顔のうちのひとつだ。しかしご存知の通りジープはもうひとつの顔を持っている。

グランドチェロキーをはじめとする『ラグジュアリーなSUVメーカー』としてのソレだ。

帰路の道中にグリズリーが出現するような未開の地に居を構えているわけではない都会のセレブリティたちにとってタフすぎる走破性は二の次。

ファッションの一部になるような高級感+アウトドア風味漂うルックスが『余暇を楽しむリア充なオレ』を演出してくれ、高速道路含む普段使いのオンロード性能に優れていることにプライオリティがあったうえで、プラスアルファとして週末には雪山やキャンプにも連れ出せる機動性を持ち合わせるというのが、都会派SUVの条件である。そしてそんなオンロード系SUVブームは世界規模で継続中だ。

その中でさえ、これまたトレンドってものがあって、コンパクトであるというのが最近の条件になっている。

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もちろん四駆メーカーの重鎮ジープブランドとして、この流れに乗らない理由は微塵も見当たらない、というわけで2.0リッター直4エンジンのコンパスである。

中でも今回試乗したのは、コンパスのエントリーモデルとして導入される『コンパス・アルティテュード・スポーツ(Compass Altitude sport)』。

これでコンパスのモデル構成は、この前輪駆動の二駆モデル・アルティテュード・スポーツと、2.4リッター直4エンジン+電子制御式四輪駆動のリミテッドという2モデルで構成されることになる。

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外観は可愛らしいサイズ感でも、内装にはゆとりがある

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さて、ジープのアイコンである7スロットグリルを持ち、どこから見てもジープなのだけど、そばに寄るとさすがに可愛らしいサイズ感のコンパス。

身長162センチの私が背伸びをせずに、すっと乗り込めるドア位置だ。着座位置も低いので、よっこいしょと言わずともドラポジを取ることが可能だ。

反して外観はいくらコンパクトでもそこはさすがジープ、内装にはゆとりがある。運転席から後部座席を覗いても、居住空間を犠牲にはしていない感じを受けるし、ゆったりした応接間のソファみたいなアメリカンサイズのフカフカシートは前二席だけでなく後部にも完備されている。

ただしあまりにもゆったりと作られているのはヘッドレストのサイズも同様で、乗員の衝突時の頸椎保護=安全性の確保という面では満点かもしれないが、全高を抑えたコンパスの小さいリアウインドウに対して少し大きすぎるのだ。つまり、後方視認性は残念ながら良くない。ま、さらに平たく言えばヘッドレストが邪魔であんまり後ろが見えない。だからちょっとだけ使い勝手にコツが要るかもしれない。

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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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