ホンダ フィット 試乗レポート
- 筆者: 西沢 ひろみ
- カメラマン:浦部哲之
スタイリッシュさと走りを兼ね備えた、コンパクトカーの超ベストセラーカー。
コンパクトカークラスに本格参入したホンダの第一弾がフィット。スモールプラットフォームをベースにしたまったく新しいクルマだ。最大のウリは、燃焼効率を究極まで高めた新開発の1.3Li-DSIエンジン。世界最高水準の10.15モード燃費23km/Lの達成にも驚かされるが、実燃費との差が少ないことも見逃せないところだ。加速は高回転域までしっかり吹き上がるものの、低中速域のトルクが若干不足気味。無断変速のマルチマチックSも中~高回転域を常用するため、大きめのエンジン音が耳につきストレスにつながってしまう。
パッケージングはシビックの弟分的な、低床&後席の広さが自慢。足元から頭の上まで余裕タップリで、乗り降りもしやすく、大人が二人座っても窮屈さは感じない。ただ後席の乗り心地は、板の間に座っているようなつきあげが伝わってくる。前席も欧州的な硬さがあり、長時間の運転では腰に疲れを感じる。ところが連続するコーナーへ足を運ぶと、不快な硬さがしなやかなフットワークへと変わるのだ。段差を越えてもボディが跳ねることなく、ジワッとした粘りとトレース性の高さを見せる。
スタイルはスタイリッシュなボーイズ系。インテリアは、トリノの地図をあしらったというシート地&トリムがお洒落だ。全体的にはヨーロッパを向いた印象が強い。けれども発売後1カ月で2万台を上回り、今もなおバックオーダーをかかえる好調ぶり。最大のライバルであるヴィッツに猛威を奮っている。
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