フェラーリ F12ベルリネッタ試乗レポート/石川真禧照(3/3)
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:島村栄二
先代よりも小さくなったとはいえ、全長4.6m、全幅1.95mもあるボディだが、意外と運転しやすい。その理由は、左右のフェンダーの端が、ドライバーからよく見えるから。ピニンファリーナデザインのフェラーリは、伝統的にフェンダーがよく見えるデザインなのだ。
7速ATをDレンジにセットし、全開加速。V12 6.3リッター700psエンジンが一気に8000回転まで上昇。ハンドル内蔵の回転警告灯がいくつか点灯したところでシフトアップ。
ボディはフロントを浮かしながら、加速。かなり恐ろしい瞬間だが、4秒ほどで100km/hに達した。
ハンドリングは、意外なことにかなり軽めの操舵力を比較的高速域まで保っている。しかも、新たに採用したパワーアシストが可変ギア比の効果であるところまできりこんでいくと、そこから先は一気にクイックな動きになる。慣れを要するハンドリングだ。
ハンドリングといい、加速中のフィーリングといい、このクルマはリアルスポーツカー。並みの腕前ではとても制することはできない。居住性だけは快適なレーシングカー。F12ベルリネッタはそういうスポーツカーだ。
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