BMW 3シリーズツーリング 試乗レポート

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3シリーズのワゴンとしては4代目となる『新型3シリーズ・ツーリング』

2005年の春先に開催されたジュネーブ・ショーでの新型3シリーズ・セダンのデビューからちょうど半年――そんなタイミングで今度はフランクフルト・ショーの舞台に姿を現したのは、「3シリーズのワゴン」としては4代目となる『新型3シリーズ・ツーリング』だ。ヨーロッパでは当然のごとくディーゼル・エンジン搭載車も含んだ多彩なバリエーションが用意される新しい3ツーリングだが、日本ではまずは2.5Lの直列6気筒ガソリン・エンジンを搭載する 325iツーリングのみ。ただし、今後はさらなるバリエーションの拡充が行われる事は容易に予想がつく。セダンと同様に、2Lの4気筒エンジンを積んだ『320iツーリング』や3L 6気筒エンジン搭載の『330iツーリング』は早々にリリースされるという考えは自然だろう。

ちなみに、日本で発表された325iツーリングの価格は550万円。セダンに対してちょうど20万円高という関係を持つ。

ラゲッジスペースの容量は「このセグメントでは最大級」

フロント部分にはセダンと同様のデザインが与えられ、やはりセダンと変わらない4525mmという全長と、2760mmのホイールベースを備える325iツーリングのデザインのハイライトは、当然そのリア・セクションに集中をする。

テールゲートは小物類の出し入れに便利なガラスハッチ付き。トノーカバーは使用時にはテールゲートのオープンに連動して開き、ラゲッジスペースへのアクセスを容易にするというアイデア機能付きだ。後席使用時の460Lから後席アレンジ時には最大で1385Lのという値をマークするラゲッジスペースの容量は「このセグメントでは最大級」というのがBMWのコメント。ちなみに、居住スペースや室内装備類に関しては、ルーフレールが標準装備されスキーバッグがオプション設定される以外は「セダンの325iと同一」とされる。

さすがはBMW。「胸のすく」エンジン

今回テストの325iは、パッケージ・オプションである“Mスポーツ・パッケージ”付き仕様。エアロパーツ類やレザー・ステアリングホイール、スポーツシートなどによる内外装のドレスアップの他、スポーツサスペンションや17インチ・シューズの採用による走りのスポーティ化も図られたモデルだ。(*画像は325i ツーリング)

カタログ上ではセダンよりも65kgほど重い重量を表示する325iツーリングだが、実際の加速ではその差を実感する事はほぼ皆無。マグネシウム・テクノロジーを駆使した最新設計のエンジンは5500rpm以上で、紛れもなく「胸のすく」と表現出来る爽快な伸び感を演出。こんなシーンでは誰もが「さすがは BMWのエンジンだ」とそんな好印象を抱くに違いない。

一方、前述のように今回のテスト・モデルが“Mスポ”であった事もあり、特に低速域を中心に乗り心地はかなりかため。率直なところ、後端にテールゲートという大きな開口部を備えるボディに対しても、このハードさはそれなりの負担を強いている印象だ。同乗ゲストへの配慮を考えるならば、この仕様の選択には慎重になるべきだろう。

一方で、ハンドリングの感覚は相変わらず正確そのもの。こちらでは、セダン・モデルに対するハンディキャップは一切感じられない。

ツーリングに相応しいユーティリティ性とBMWらしい走り

冒頭に述べたとおり、セダンとの価格差は20万円。そしてその差は、敢えてツーリングを選ぶユーザーに対してそれに相応しいセダン以上のユーティリティ性と、あくまでもBMW車らしい走りの快感の双方をもたらしてくれる事になっていた。

走りの基本感覚はセダンと同様。中でも、その自在なハンドリング感覚はBMW流儀で拘った前後の重量配分やサスペンションのセッティングが実現させているに違いない。

一方、今回のテスト車が採用をしていた“Mスポーツ・パッケージ”は、見た目上でも走りのテイスト上でもより色濃く賛否を分ける事になりそうだ。特に、押し出し感をグンとアップさせたフロントマスクのデザインは“標準車”のそれから大きくイメージを変えているし、ハードさを強めた結果“しなやか”というフレーズからはかなり縁遠いそのフットワークのテイストも、それ故に「乗る人を選ぶもの」と報告をしておきたい。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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