[試乗]日伊合作<アバルト124スパイダー>は、めっちゃカッコよくてちゃんと”イタリアン”だった(3/4)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:島村栄二
どんなシチュエーションでも楽しめる、アバルト 124スパイダー ATモデルの高い完成度
その点アバルト 124スパイダー ATの完成度はまさに人を選ばない仕上がり。
シフトアップ&ダウン双方になめらかで、のんびりクルーズも可能だし、ステアリングに備えられたパドルシフトでスポーティーな走行も可能だ。
>>[画像]Abarth 124 Spider(アバルト124スパイダー) フォトギャラリー
もちろんATにもシフトノブの根元に備えられたスイッチひとつでスポーツモードが選べる。ステアリングも手ごたえを増し、シフトタイミングやアクセルレスポンスが俊敏になるので、2ペダルスポーツカーの醍醐味をきっちり味わえる。
ただ、このパドルシフトはロードスターと同じもので、ややサイズが小さい。手の小さい女性だと、ステアリングを握る手を少し後方に伸ばさなければ届かないので、使用には慣れが必要になる。巨大な手を持つメンズはこの例ではないと思う。
サソリの毒が効いた ”アバルト”らしい骨太ハンドリング
乗り出せば、アバルトらしい性格が一気に開花する。
17インチタイヤでビルシュタインのサスペンションを持つ124スパイダー、タイヤから来るインフォメーションは骨太で、このあたりが明確にロードスターと性格を分けている。硬く締められたアシまわりはスパルタンに路面をしっかりと捉え、ギャップはおろかプリントまでもをドライバーにインフォメーションしてくるのだ。
ロードスターの最新モデルではコンセプトを原点回帰させていて、ギャンギャンに走り倒すというよりは、ロールを生かしたコーナリングやなめらかな乗り味を大事にしているのだが、その辺さすが124ロードスターはサソリの毒が効いた ”アバルト”なんである。
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