[試乗]日伊合作＜アバルト124スパイダー＞は、めっちゃカッコよくてちゃんと”イタリアン”だった(2/4)

写真の印象よりも数倍締まった実車の体躯を目の前に感激

果たして目の前にしたそれは、写真の数倍締まったデザインでこれまた感激させられた。

＞＞[画像]Abarth 124 Spider(アバルト124スパイダー) フォトギャラリー

3つのエアインテークを備え、どこかクラシカルな香りすら漂わせる丸目のフロントライトに、マフラー4本出しの勇ましさでいやんと激萌え。鼻先にサソリを載せたデザインからして、本当にちゃんとマツダとベクトルを分けてきている！ その手法には驚かされた。

でも気になるのが、じゃあいったいどこがどう違うのよ、デザインだけではアカンのちゃうの？ という部分。

いや、”フィアット”124スパイダーなら、仮にマツダ ロードスターとほぼおんなじドライブフィールでもなんとなく納得できる。だけど他ならぬ＜アバルト＞ですから、同じじゃちょっと問屋が卸さんよ、となるのはしょうがない。何度も言うがアバルトはそれくらい崇高なものだ。

”これはマツダ ロードスターとは全く別モノです”という強いメッセージ

プレスリリースによれば、「マツダ株式会社のロードスターのアーキテクチャーをベースに、生産は同社が本社工場で行い、スタイリングデザイン、パワートレイン、室内装備・材料、サスペンションおよびステアリングフィールはFCAが独自で開発したモデルです」。

つまり、基本的な構造や設計、そして生産はマツダが行うだけで、そのほかはFCAが行ってますよ、だから結果ロードスターとは全然ベツモノなんですよ、という強いメッセージの篭った一文になっている。

エンジンはまさにイタリア直送(本当にイタリアから広島に輸送されている！)の1.4リッターマルチエア4気筒ターボ。トランスミッションはマツダ製となり、6速MTと6速ATをラインナップする。ブレーキとサスペンションはそれぞれブレンボとビルシュタインというスパルタンさで、どちらもアバルトの専用セッティング済み。それに17インチタイヤを装着しているから、もうこのスペックだけでもマツダ ロードスターとはまったく違った乗り味を叶えているというのは想像に易いと思う。

MTモデルにもドライブモードセレクターを設定

さて、このアバルト124スパイダー、まずは6速MTからの導入となったのだけど、今回の試乗では大急ぎで広島から直送した(！)という6速ATモデルの試乗も叶った。

＞＞Abarth 124 Spider(アバルト124スパイダー) フォトギャラリー[画像]

まずMTモデルだが、ショートストロークでコクコクと小気味いいシフトフィールがスポーティーだ。しかし、この1.4リッターマルチエアエンジン、ラクしたいドライバーにとってはややクセモノ。

中～高速域に入るとよく回るし、そんなことは微塵も感じさせないのだが、ローギアで低速のときはトルクが細く、こまめなシフトチェンジが必要になるのでだいぶ忙しいのだ。ともすればローギアでズボラをしたら、すぐにエンストしてしまうくらい。

「何をアホなことを言うてるんや！ シフトはマメに変えるのがMTの醍醐味やろうがゴルア！！」と仰るMT至上主義者にはだから、けっこうドンピシャにツボる組み合わせかもしれない。そういう人には超絶オススメだ。

さらに言うならアバルト 124スパイダーには、ロードスターには装備されていない＜スポーツモード＞(ドライブモードセレクター)がMTにも付いているのも魅力。よりダイレクトに、よりパワフルな加速を楽しめる。