ディーゼルの今後ってぶっちゃけどうなのよ!?

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ディーゼルの今後ってぶっちゃけどうなのよ!?
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ディーゼルの今後ってぶっちゃけどうなのよ!?

日本国内でエコカーの代名詞といえば、HVやEVで、このままでいくと街中を走る乗用車は、プリウスとアクアとリーフばかりになってしまうのではないかと感じます。(当然、追随車は出るでしょうけど)

ディーゼル仕様に惹かれて、今日CX-5を見てきました。欧州ではディーゼルが半数を占めていると聞きますが、ディーゼルエンジンの将来性と、今後の日本車でのディーゼルエンジン普及予測についてお伺いいたします。(himajineさん)

其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!

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私は、2月にアクアが納車になったばかりです。

なぜアクアを買ったかと言えば、平均速度の遅い都市部での燃費の良さと、2種の動力源(ガソリンエンジンと電気モーター)を組み合わせて使うことから醸し出される、男女の機微の如き奥深いフィーリング、と言ったところです。後者の理由は、クルマ変態そのものですが。ただ、himajineさんが心配されている、「このまま行くと街中はHVとEVばかりになる」ことはありません。

なぜそう断言できるかというと、モトが取れないからです。たとえばフィットとフィットHVの価格差は約36万円。これをガソリン代で取り戻すには、20万キロかかります。しかし一台のクルマをそんなに乗り続ける人はあまりいません。つまり、HVは損なのです!

損なものが主流になることは、本来あり得ません。EVはもっと損です。しかも充電設備のある車庫が必要。広く普及するには30年かかります。

現在、国内での乗用車販売に占めるHVの割合は2割を超えていますが、恐らく、3割くらいが壁になるでしょう。ブームが去れば、一気に減って行くことも考えられます。 いまHVが売れ行きを伸ばしているのは、一過性のブームだと私は見ています。

HVを買う人は、私を含め、損得で買っているのではありません。ある種のステイタス、流行、あるいはマニア気質。そんな部分で買っているのです。

日本でのディーゼルは、やっぱりSUVがメインに

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一方のディーゼル。こっちはどうでしょう。欧州では、ディーゼルが乗用車の半分以上を占めていますが、なぜそこまで伸びたかと言えば、「ディーゼルの方がトクだから」です。ガソリン車より加速もいい。そして燃費もいい。値段はコンパクトカークラスで10~15万円くらい高いけれど(ユーロ5対応まで)、あっちは年間走行距離が長いので(日本の約1.5倍)、数年でモトが取れて、あとは安上がりになっていく。だからディーゼルが主流になったのです。

日本ではどうか。日本の道路事情は、欧州とは大きく異なります。平均速度が圧倒的に遅いし、ロングドライブの機会も少ない。そして、ポスト新長期規制(ユーロ6レベル)による厳しい排ガス規制により、ガソリン車との価格差は大きい。超低価格のCX-5ですら、38万円差があります。この差を燃料代で取り戻すには、8万キロくらい必要です。

グローバルで見て最大のネックは、日米欧のディーゼル排ガス規制です。マツダのスカイアクティブDは、従来より性能をアップさせつつ、それを比較的低コストでクリアしたわけですが、それでもやはりコストが上がることは避けられない。スカイアクティブD技術のない欧州メーカーは、ユーロ6(2014年より規制開始)に対応するために、尿素SCRなどを投入するしかなく、パワー/トルク/燃費は従来より落ち、逆に値段は上がります。そうすると、ディーゼルの市場占有率は下がっていくかもしれません。

ディーゼルの将来は、決して平坦ではありません。日本でのディーゼルは、SUVに限っていえば再び主流になっていくと思いますが、その他の分野では、けっこう難しいと思います。特にコンパクトカーでは。

しかしディーゼルにとっての希望は、「排ガス規制がこれ以上強化されることはないだろう」という点です。排ガスのクリーン度はもう十分。今後重視されるべきは燃費。つまりCO2なのですから。排ガスのクリーン度が現状でOKなら、技術的ブレイクスルーによる革命的なコストダウンも夢ではなく、長い目で見れば新たな展開が開けて行くでしょう。

MJブロンディの「ひとりごと」

実は、世の中がディーゼル乗用車ばかりになったら、非常に困ります。なぜなら、原油を精製すると、ガソリンと軽油はかならず一定の割合で生まれて来るからです。

軽油ばかり使われるようになると、ガソリンが余っちゃって、どっかに捨てなくちゃなりません(笑)。ガソリンは揮発性が強すぎて、クルマ以外の使い道があまりないんです。ドライクリーニングくらいですか。

現在、日本では軽油が余っているので、軽油が不足している地域(欧州や新興国)に輸出して帳尻を合わせていますが、日本や北米でもディーゼルが主流になると、世界的な軽油不足になり、価格が上昇。割に合わなくなるでしょう。

私は、スカイアクティブDを積んだCX-5が大好きで、今全世界でイチオシのSUVだと確信していますが、乗用車が全部ディーゼルになったら、これはこれで困るんです。バランスよく、いろいろな動力源が混在していることが必要です。 クルマ好きとしても、動力源は多様な方が楽しいですからね!

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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