個性拡がるラインナップがいよいよ完成! 新世代ボルボ SUVを徹底評価|XC40・XC60・XC90 3台比較(4/4)
- 筆者: 嶋田 智之
- カメラマン:佐藤 正勝・和田 清志・茂呂幸正 協力:ボルボ・カー・ジャパン
多彩なバリエーションを持つXC40、それぞれの走りをチェック
XC40は導入記念として300台が用意されたT5 AWD Rデザイン ファーストエディションがあっさり売り切れて、現在では通常のラインナップの導入がスタートしている。つい最近、その主要モデルを乗り較べることができたので、それぞれについて軽く触れておくことにしよう。
XC40 T4 モメンタム[FF]
まずは、FWDのT4モメンタム。
シリーズの中で最も車重が軽いし、駆動がフロントだけということもあって、XC40の中で最も軽快な身のこなしを見せてくれるのがT4とT4モメンタムだ。“もしものときのAWD”が必要ない人だったらこれでいいのでは? と思えるほど楽しい。ホイール/タイヤが17インチもしくは18インチが基本なので、乗り心地のしなやかさを一番強く感じられるのも、実はこれ。癒し系でもあるのだ。
>> 新世代ボルボSUVのXC40・XC60・XC90を画像でも徹底比較[フォトギャラリー]
XC40 T4 AWD モメンタム/インスクリプション[4WD]
そしてメイン機種といえそうな、T4 AWDモメンタム/インスクリプション。
シンプルなモメンタムに対してプレミアムなインスクリプションと仕様はやや異なるが、格となる部分は一緒。4つのタイヤで路面を蹴るための軽いとはいえないメカニズムが備わっているわりには、そのネガティヴを全く感じさせず、素晴らしく素直にスピーディに曲がってくれる。軽快さではFWDに一歩譲るけど、これだけちゃんと曲がってくれて価格差も20万円しかないのなら、僕なら間違いなくこちらを選ぶ。アクティヴなクルマが、よりアクティヴに使えるという期待感があるからだ。
モメンタムはホイール/タイヤが18インチ、インスクリプションは19インチで、乗り味はもちろんモメンタムの方が優しいのだが、実は19インチでも立派に快適と呼べる範囲にある。仕様の好みで分かれるのだろうけど、どちらも好きという人にとってはチョイスは悩ましいかも。もちろんどちらを選んでも後悔することはないだろう。ちなみにパフォーマンス的に全く不満はないし、どちらもそれぞれ北欧感の強い仕様なので、僕の中のベスト・オブXC40は、このT4 AWDのどちらか、だ。
XC40 T5 AWD Rデザイン[4WD]
そしてスポーティ・グレードでもある、T5 AWD Rデザイン。
252psのパワーも350Nmのトルクも、この車体には充分以上。どの領域からアクセル・ペダルを踏んでもスパーッ! と加速していく。速い速い。サスペンションも専用のチューンナップを受けていて、コーナーも安定感とともにスイスイと素早くクリアしていく。楽しい楽しい。ルックスも含めて最もアスリートっぽく、ドライビング・プレジャーが最も強いのが、このRデザイン。
ちなみにファーストエディションではホイール/タイヤが20インチで、「ちょっと硬すぎるかも」なんて意見もあったが、カタログモデルの標準は19インチ。おそらくこれなら硬すぎると感じる人はいないだろうと思えるくらいに快適だ。もちろん通常のT4 AWDよりは硬いけど。
※注:写真はXC40 T5 AWD Rデザイン ファーストエディション(限定300台)
まとめ|まずはいちどじっくり乗り較べしてみることをオススメする
というわけで、長々と──ホントに長々と──新世代ボルボSUV3姉妹について述べてきたけれど、参考にしていただくことはできそうだろうか?
……え? むしろ一気に説明されて逆に判りにくくなっちゃった?
うーむ、そうかも知れない。でも、そういう方はぜひとも、今後の週末はお近くのボルボ・ディーラーまで足を運んで、乗り較べてみていただきたい。とりわけXC60とXC40は売れっ子だから、全てのモデルが試乗車として用意されている可能性は少ないが、3姉妹の違いは実際に見較べたり乗り較べたりすれば一発でお解りになることだろうと思う。
ちなみに僕はこのレポートの中で安全装備に関して一切触れて来なかったけれど、それはボルボだから。その分野に関して手抜かりがないことはボルボにとっての当然というのが大前提で、いずれのモデルにも備えることの可能な全ての最新安全機能が標準で備わってる。しかもそれは、389万円の最もベーシックなXC40 T4でも変わることはない。ここに関しては他の自動車メーカーより間違いなく充実してるといっていいだろう。
■参考:全てが他社とは別次元の安全思想|ボルボ 先進安全技術の極意をスウェーデン・セーフティ部門ディレクターが語る[ボルボ セーフティセミナーレポート]
そう考えると、ただでさえクルマの出来映えを考えればコストパフォーマンスのいい3姉妹が、ますますリーズナブルであるように思えてくる。そう、近頃のボルボは色々な意味で凄いのだ。
[筆者:嶋田 智之/撮影:佐藤 正勝・和田 清志・茂呂幸正]
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