個性拡がるラインナップがいよいよ完成! 新世代ボルボ SUVを徹底評価|XC40・XC60・XC90 3台比較(3/4)

  • 筆者: 嶋田 智之
  • カメラマン:佐藤 正勝・和田 清志・茂呂幸正 協力:ボルボ・カー・ジャパン
画像ギャラリーはこちら

良家の末娘「XC40」は品のあるアクティブ派にして愛嬌たっぷりの人気モノ

そして末娘のボルボ XC40だが、御覧のとおり、である。写真からもお解りのように、パッと見からしてアクティヴな雰囲気を漂わせている。

ボディサイズはXC60より全長が265mm短い4425mm、全幅が25mm狭い1875mm、全高は+5~0mmの1660mm、ホイールベースは165mm短い2700mmと、スバル フォレスターやマツダ CX-5とほぼ同じくらいのサイズで、姉達と較べると圧倒的に小柄だ。が、存在感が少しも負けていないのは、逆側にスラントしたノーズ、盛り上がったエンジンフード、メリハリの利いた前後のフェンダーラインやドア下のくびれ、キックアップの強いサイドウィンドウ、クーペのような傾斜を持つリアゲート、そして四隅に踏ん張りを効かせる4つのタイヤなどが、フォルムとしての力強さを形作っているから。いかにも健康的なその姿からは、気取りのない親しみやすさ、カジュアルなつきあいを許してくれる人懐こさのような印象すら感じられる。

小柄なボディでしっかり快適、しっかり使いやすい

インテリアも、そのエクステリアと矛盾なくデザインされている。

ダッシュボードはメーター・ナセル、SENSUSのタッチ・パネル、そしてグローブ・ボックス上部と滑らかな階段状を描き、正面のセンターを格子柄のアルミパネル、またはドリフトウッドのパネルがドアまで回り込むように貫くという、シンプルだけど動きの感じられる造形。SENSUSやエアコンの送風口、スイッチ類など操作のために乗員がアプローチする部分はメタルカラーで囲い込む。スピーカーの位置を変え、ノートパソコンをそのまま放り込める大きさのドアポケット、センターのアームレストの下に隠れた大型のボックス・スペースとダストボックス、フロントの助手席側の膝元やリアシート横の小物入れなど、見えない場所、意外なサイズの様々な収納がたくさん。視覚的効果としてのデザインの格好良さと、実用やアクティヴィティのための機能が上手に融合されているのだ。洒落ていながら使い勝手も優秀なのである。

もちろん居心地だって悪くない。フロントのシート周りもリアのシート周りも、姉達ほどは広々とはしてないものの、充分なスペースが確保されている。姉達と同じようにレザーの似合うインテリアではあるが、北欧らしい柔らかいトーンのテキスタイルも、雰囲気があっていい。シートそのものも、いかにもボルボらしい弾力を感じさせてくれて座り心地がいい。身体は小さくても、しっかりと快適なのだ。

新開発されたコンパクトモデル専用プラットフォーム「CMA」を初採用

それらを支える基本骨格は姉ふたりと同じSPAプラットフォームではなく、CMA(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー)と呼ばれるプラットフォーム。これはSPAと同様の思想で作られた新世代ボルボの小型車専用プラットフォームとして開発されたもので、このXC40から新採用となった。XC40は389~539万円と3姉妹の中で最も価格的にも親しみやすいところにあるけれど、それでもゼロからキッチリと独自のモデルとして開発されている、ということがそういうところからもお解りいただけると思う。

4WDとFFモデルを設定、プラグインハイブリッドは今のところ未設定

XC40は、ボルボSUVの中で唯一FWDモデルがラインナップされているが、基本となるのはやはりAWDモデル。そしてパワーユニットは、スポーティグレードにはT5が搭載されるものの、メインとなるのはT5のチューニング違いといえる190ps/300Nmの「T4」となる。プラグインハイブリッドモデル等は今のところ設定がない。

というとパワー不足やスピード不足を懸念する人も出てきそうな気もするが、いやいや、心配は御無用。XC40は車重がFWDモデルで1.6トン少々、AWDモデルで1.7トン弱と、XC60よりも150kg以上も軽いのだ。しかもホイールベースが短いこともあって、姉妹の中でも飛び抜けて運動神経の優れた性格。だから加速もSUVらしからぬ鋭さと望外の伸びが味わえてとても気持ちいいし、減速だって素早く確実、身軽なところへ来てシャシーもそれ相当のセットアップになっているから、ワインディングロードではスポーツカーのようにコーナーを攻めて走ることが楽しめちゃう。その乗り味はダイナミックとすらいえる部類で、爽快にして痛快。ことクルマを走らせる楽しさに関してなら、姉妹の中で最も濃いといっても差し障りはないだろう。

良家の育ちゆえしとやかに粛々と走ることも嗜みのように巧みにこなすけど、その気になればいつだって行動的なアスリートに変身できるのだ。

>>多彩なバリエーションを持つXC40、それぞれの走りをチェック[次ページ]

ボルボ/XC40
ボルボ XC40カタログを見る
新車価格:
509万円665万円
中古価格:
175万円643.7万円
ボルボ/XC60
ボルボ XC60カタログを見る
新車価格:
789万円1,049万円
中古価格:
42.9万円941.1万円
ボルボ/XC90
ボルボ XC90カタログを見る
新車価格:
1,019万円1,339万円
中古価格:
59万円1,186.1万円

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

嶋田 智之
筆者嶋田 智之

本人いわく「ヤミ鍋系」のエンスー自動車雑誌、『Tipo』の編集長を長く務め、スーパーカー専門誌『ROSSO』の総編集長を担当した後、フリーランスとして独立。2011年からクルマとヒトに照準を絞った「モノ書き兼エディター」として活動中。自動車イベントではトークのゲストとして声が掛かることも多い。世界各国のスポーツカーやヒストリックカー、新旧スーパーカー、世界に数台の歴史的な名車や1000PSオーバーのチューニングカーなどを筆頭に、ステアリングを握ったクルマの種類は業界でもトップクラス。過去の経歴から速いクルマばかりを好むと見られがちだが、その実はステアリングと4つのタイヤさえあるならどんなクルマでも楽しめてしまう自動車博愛主義者でもある。1964年生まれ。記事一覧を見る

MOTA編集部
監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

MOTA編集方針

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

ボルボ XC40の最新自動車ニュース/記事

ボルボのカタログ情報 ボルボ XC40のカタログ情報 ボルボの中古車検索 ボルボ XC40の中古車検索 ボルボの記事一覧 ボルボ XC40の記事一覧 ボルボのニュース一覧 ボルボ XC40のニュース一覧

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる