トヨタ 新型カムリがクラストップの低燃費33.4km/Lをひっさげて登場! セダン市場巻き返しなるか

  • 筆者: オートックワン 編集部
  • カメラマン:オートックワン編集部

TNGAとTHSllを採用し、ゼロから造った新型カムリ

トヨタは、グローバルミッドサイズセダンとして世界中で1800万台を販売しているカムリをフルモデルチェンジし、TNGAプラットフォームと、進化させたTHSll(トヨタ ハイブリッドシステムll)のほか、最新の予防安全装備などを充実させた新型カムリを発表した。

カムリは、1980年に国内専用モデル「セリカ カムリ(FR車)」として誕生し、1982年には、FFレイアウト採用した現在の車名「カムリ」として一新し、グローバルに展開したモデルだ。

これまでのカムリは、「トヨタのグローバルミッドサイズセダン」として、米国では15年連続で乗用車販売台数No.1を獲得した実績があるモデルであるが、海外での人気の割に日本国内では今一つ販売台数が伸びずにいた。

新型カムリは、性能はもちろんのこと、徹底的に突き詰めた美しいスタイリングと直感的なドライビングを可能とする新しいプラットフォームを手に入れ、クルマに熱くなった80年代の気持ちを思い出せるクルマとして生まれ変わったという。

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新型カムリのクラストップレベルの低燃費、リッター33.4kmという数字は誰が見ても魅力的なことは間違いない。だが、発表会では燃費のことについてほとんど触れられることは無かった。

「これまでのカムリは、海外ではホワイトブレッド(食パンのこと)と言われてきた。"無くてはならいもの"という事と同時に、安心という意味合いもあるため、大変ありがたいニックネームだと思っています。しかし、その一方でワクワクしないクルマという意味もある。

カムリはこのままではマズイ。カムリ自身が、そして何よりもわたしたち自身が変らなければとんでもないことになる。そういった強い危機感が新しいカムリに大変革を与えました。

通常、新型車のデザインは初期と完成形では大きくイメージが異なるものです。しかし、新しいカムリはデザイナーがノートに書いたラフスケッチとほとんど変わらないスタイリングを実現しています。誰が見ても直感的に、理屈抜きにカッコイイと思えるクルマを造りました」と、チーフエンジニアの勝又正人氏は語った。

もう一度、セダンの人気を復権させたいという強い思い

新型カムリは、プラットフォーム、エンジンを含むすべての部品がゼロから作り直されたという。誰が見てもカッコイイと思うデザイン、運転しやすく上質な乗り心地を実現しながらも、意のままに操れるドライビングパフォーマンスも実現している。

特筆すべきなのは、なによりもそのデザインである。ボンネットをできるだけ低くし、タイヤをなるべく四隅に配置する。ボディには特徴的なプレスラインをあしらってシャープさを強調させ、乗降性や居住性を犠牲にすることなく、流線型の低いボディを実現する。

言葉にすると一見簡単そうに思えるが、これらをすべて高い次元にすることは、並大抵のことではなかったという。

「セダンというものは、もともと背が低くてカッコよく、しかも走りも非常に良いという高いポテンシャルを持っている。今までのセダンというものは、機能的価値のアピールが強いものが多かった。しかし、今回のカムリは、見て、乗って、ワクワクドキドキできるクルマに仕上がっています。

わたしたちは、1980年代にセダンが非常に人気があったころ、あのときの活気を取り戻したいという気持ちが強くあります。そういう点で、メインのターゲットユーザーは1980年代にクルマを楽しんできた方々になるわけですが、今回のカムリは若い人にも必ず受け入れてもらえるはずです。新しいカムリを幅広い層のお客様に選んでいただきたい」と、吉田専務は語った。

3チャンネル併売となった新型カムリ、その理由とは?

現在、カムリを新車で乗っているユーザーは日本に約7万人。しかし、トヨタのミディアムクラスのセダンユーザーは250万人ほどと言われている。

この250万人のユーザーの中の、仮に100人に一人がカムリを選んだとしたら、それだけで2万5千台売れる計算になり、年間販売目標の2万8800台に限りなく近い数値になるはずだ。

「クルマ本来の資質を高めることはもちろん、「トヨタ セーフティセンスP」、あるいは、「ICS」、そして「リア クロストラフィックオートブレーキ」を採用し安全性能を高めることで、安全意識が高まった現代のユーザーの心に必ず響くはずです。

そんな新型カムリを日本全国隅々にある4000店舗で展開し、より多くのユーザーにお届けすることを目的として3チャンネル併売とさせていただきました。」と、村上常務は語った。

居住性はどう? 身長182センチの編集部Tが後部座席に座ってみた!

現在、新車で売れスジのカテゴリーと言えば、ミニバンやSUVが真っ先にあがってくることは間違いない。ではなぜ、ミニバンやSUVばかりが売れるのか。それは居住性や乗降性、荷室の広さにアドバンテージがあるためで、車高が低いうえに流線型を目指した新型カムリには不利な条件が多いはずだ。

そこで、用意された新型カムリに高身長の編集部Tが早速座ってチェックしてみました! 新型カムリはリアのルーフ形状や窓ガラスの形状を見直すことで、流れるようなフォルムを実現しながら広いヘッドスペースも実現しているという。

見た目以上に高い室内高によって、大柄な編集部Tが腰深く座っても、余裕のあるヘッドクリアランスと足元のニースペースが生まれているのが写真から確認してもらえると思う。

これならば、「室内がせまい」イメージのあるセダンでも、快適な長距離移動ができることだろう。

緊急試乗! 新型カムリハイブリッド ショートインプレッション

先代のカムリは、ぱっと見の(あるいはチョイ乗りでの)派手な印象こそないものの、乗り心地が良くて静粛性も高い"王道"セダンでした。今度の新型カムリは、先代で受けた好印象はそのままに、乗り心地はよりしっとり方向に、そして静粛性もさらに高まりましたね。ステアリングの操舵感も自然なもの。スムーズな加速感も気持ち良い! クラウンよりも大きなボディサイズは狭い街中で少し苦労しそうな気もしますが、このスタイリッシュなデザインが得られるなら帳消しかも!?

今回は短いテストコースを2周しただけなので試すことは出来ませんでしたが、セーフティセンスPの搭載で全車速追従型ACC(先代は時速40キロでキャンセルするレーダークルコン)へ進化したこともあって、ロングドライブの快適度もより高まったはず。公道でのチェックが楽しみです。

[編集部T]

助手席に座っていた私でも、新型カムリの高い走行性能を確認することができました。まず最初に感じた印象は、なによりも「軽やか!」ということ。ハイブリッドといえば燃費を稼ぐためにモッサリした発進や、アクセルのツキの悪さがセオリーですが、新型カムリは違いました。

アクセルを踏んだ瞬間に立ち上がるエンジンレスポンスの良さは、燃費を稼ぐためのモーター制御ではなく、ガソリンエンジンにモーターのパワーをプラスするための制御をしている、という印象を助手席からでも受けました。

そして、ハンドリング。試乗したGレザーパッケージの車両重量は1630キロと、決して特別軽いものではありません。ですが、その重量をまるで感じさせないシャープなコーナリングはスポーツカーに近いダイレクトなフィーリングだと感じることができました。

2.5リッター ダイナミックフォースエンジンと、ゼロから造られたTNGAプラットフォームを備えた新型カムリは、乗る人に想像を超える"ワクワクドキドキ"を与えてくれるはずです。

[編集部M]

キャッチフレーズの「Beautiful Monster」はダテじゃない!?

開発陣がいつも以上に自信を持って発表した新型カムリ。実際に触ってみるまでは、「どうせ普通のセダンなんでしょ?」という気持ちが少なからずあったが、いい意味で裏切られた感じだ。

この新型カムリならば、クルマを運転していて素直に楽しいと思える上に、使い勝手も非常に良いため、今のクルマからの乗り換えを考えてしまうのではないだろうか?

これまで以上に"気合を入れて"造られたクルマなのに、消費税込み329万円から買えること。そして、リッター33.4kmというクラストップの低燃費を武器にした新型カムリは、終わってしまった日本のセダン市場を再燃させてくれる一台になるかもしれない。

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筆者オートックワン 編集部
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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