住宅チラシに描いてあるクルマは輸入車が多い!?実際にそうなのか検証してみた!

クルマ好きなら気になる?住宅の完成予想図に描かれているクルマたち

折り込みやインターネットの広告で目にする新築マンションや一戸建てのチラシ。家を買う際に参考にした、という方も多いかと思います。チラシが刷られて手元に届く頃はまだ建てている最中ということが多く、必然的にチラシには完成予想図が描かれることになります。いわゆる「建築パース」と呼ばれるあの絵です。かつては手描きが主流でしたが、現在はほとんどが3DCGによって描かれています。

完成予想図と言ってもただ単に図面を立体にしただけではなく、マンションや住宅の周辺に道路や空を入れ込んで実際に建った時にイメージを想起しやすいようにしていますので、歩いている人や樹木、そしてクルマなどの「小道具」も重要なアイテムになっています。

そう、ここで本題なのです。「そういえば住宅チラシなどの完成予想図に描かれているクルマって、輸入車が多いような気がする」と思いませんか?その素朴な疑問を解消するため、調査を行ってみることにしました。

>>あんな車やこんな車まで!住宅のチラシに登場する車を画像でチェック!

画像検索でクルマが写っている画像をひたすらチェック!

そこで、大手検索サイトのグーグルを用いて「建築パースあり 新築住宅」というキーワードで画像検索を行いました。そこで上がってくる「クルマが描いてある画像を見て、車種をひたすら書き出してカウントする」という作業をしましたが、その際に以下の条件を付けました。

・ 関連画像で表示される画像からはカウントしない。

・ 画像が小さすぎたり、架空のクルマなど車種が特定できないものはカウントしない。

・ 手描き、実車画像の貼り付け、CGなどの差は問わない。

・ 1枚当たり何台描いてあっても、判別できる限りカウントする。

・ 「建築パースあり 新築住宅」のキーワードで画像検索をかけ、「もう画像が出ない」ところまで調べてカウントする。

実は調べる前にオートックワン編集部から「アウディが多いんじゃないの?」という話を聞いていたので、それも気になっていました。さてさて、アウディ、実際に多かったのでしょうか。いよいよカウントスタートです。クルマの判別が相当高いレベルで得意という、ワタクシの無駄な能力が遺憾なく発揮される時が来ました!(笑)

トップ5は「なんとなく予想通り」?

ということで、画像を開いては記録の繰り返しを行いました。画像検索で「もうこれ以上でないよ」という下限までたどり着いた結果、その中から何のクルマか判別できる画像は216枚ありました。

国産車だけ車種ごとで、輸入車がメーカーごとになっているのは、国産車の方がバリエーションが多く、個別に書き出した方が面白かったからです。それでは早速発表します!まずはトップ5から行きましょう。4位が同数で並びました。

ランキング TOP5

第4位:BMWミニ【15台】

特に初代ミニが多く見られました。その数13台!色はほぼ黄色でした。セカンドカーとしての需要が多いように感じました。

第4位:フォルクスワーゲン【15台】

ニュービートル、ザ・ビートル、ゴルフ6、シャランなどで構成されています。中でも多いのがゴルフ6のワゴンでした。

第3位:トヨタ プリウス(3代目)【19台】

さすが日本のベストセラー。共感を呼びやすいのかパース図にも多数登場です。

第2位:BMW【23台】

3シリーズを中心に6シリーズのクーペやX6まで。大きなモデルが多い印象です。海外製ソフトでの作成なのか、左ハンドル、ドイツナンバーの個体が多く見られました。

~そして栄えある?第1位は…(ドラムロール)……ジャン!~

第1位:アウディ【30台】

おおお!事前の予測?通りアウディが1位になりました。複数台描かれている場合でも「1台はアウディ」率が高いこともあり、「パース絵にはほとんどアウディが入っている」という印象すら与える結果に。車種は数世代分のA4、TT、先代R8まで幅広いバリエーションが展開されていますが、A1、A3のコンパクトハッチ系は皆無でした。こちらも左ハンドル、ドイツナンバー多しです。

プリウス、BMW、アウディはなんとなく予想された通りでした。確かに実際のチラシや広告で良く見ていたような気がするからです。そして初代ミニも大健闘です(笑)。

「輸入車が多い」は本当か?その結果を発表!

となると、結果として「輸入車が多いの?どうなの?」ということになるわけですが、216枚の画像からカウントできたクルマの数は全部で254台、そのうち輸入車は131台という数字になりました。つまり、輸入車が多い、という印象は間違っていなかったのです。しかし、国産車も123台カウントされたので、実際にはそれほど大きな差にはなりませんでした。こちらも意外。

さて、6位以下が面白い結果になったのでご紹介します。

ランキング 6位以下

6位:トヨタ アルファード(初代/2代目)【13台】

実際はほぼ初代モデルです。市場では少し古めのモデルになってきましたが、パース界のミニバンの代表選手として大活躍!最大勢力でした。

7位:メルセデス・ベンツ【10台】

意外なことに日本の輸入車を代表するメルセデス・ベンツの各モデルはあまり数字が伸びませんでした。10台のうちGLAが3台を占めましたが、残りはGクラス、Sクラスなど上級モデルが入りました。

8位:アルファロメオ【9台】

えええー!というどよめきが聞こえてくるようです(笑)。これもまた意外や意外。イタフララテン系の中で一位がアルファロメオとは!車種は159、ブレラ、ジュリエッタなどです。このあたりはパースにクルマを置く側も楽しんでいるようなフシがあるように感じます(笑)。

9位:レクサスRX【8台】

前述のようにパース画に置かれるクルマは海外でモデリングされたものもあるようで、左ハンドルで描画されたものも多いレクサス RXが9位にランクイン。「日本での発売がハリアーだった」代はハリアーでカウントしました。嫌味のない高級SUVとしてパース画に置きやすいのかもしれませんね。

10位:ボルボ【7台】

最近はSUV系の各モデルが大好評で好感度がさらに高まっているメーカーかと思うのですが、パース画の世界ではこれも意外なことに台数が少な目です。構成は2世代前のV70やV40で、現行型は一つだけS90が入っていました。おおっと、SUVモデルがない(涙)。

11位以下も意外なクルマが大健闘!

11位以下、日産 フーガ(初代/2代目コミ、6台)、マツダ MPV(2代目/3代目コミ、6台)と続くのですが、同じ6台に日産 フェアレディZ(Z33型)が入っていてびっくり。モダンなデザインを持ちますし、配置できるスポーツカーとして使いやすいのでしょう。

ではここからは5台以下を。

5台…ポルシェ(カイエン多し)、レクサスIS、ワゴンR(3代目のみ)

4台…トヨタ エスティマ、トヨタ ハリアー、ルノー(カングー、メガーヌ、ルーテシア)

3台…プリウス(4代目)、レンジローバー(クラシック、3代目、イヴォーク)、アクア、ミラジーノ…と続きます。

こんなクルマ、パース画にあるんだ!というのはトヨタ アヴェンシス(2代目)、ホンダ S2000、日産 ステージア(しかもRV風の“AR−X”)などなど、「1台しかカウントされていない」クルマには個性派ぞろいです。

中にはステップワゴン(4代目)のように、実際の販売数を思えばパース画の世界では寂しい結果になった車種もあります。ちなみに1台だけの車種/メーカーは全部で25ありました。

奥深き「パース画に出るクルマ」の世界

いかがでしたか。実際に「やはりアウディ強し」という結果になりましたが、建築パース画が伝えるイメージに、アウディのクールで都会的なイメージが合致するのかもしれません。

また、車種をカウントしていて面白かったのが、例えば「フェアレディZ(Z33型)」なら同じソフトで製作されていることです。これは、建築パースを描く3DCGソフトにクルマがすでにパーツとして入っている場合と、「添景(てんけい)素材」として別途販売されている「素材集」からクルマを配置する場合があるからではないかと。そうなると車種を選んで配置するのは3DCGを作るデザイナーさんの判断になるのでしょうね。

一般的に知名度が高くイメージを作りやすい車種/メーカーがランキング上位にくるのは理解できるのですが、アルファロメオ159スポーツワゴンやルノー メガーヌ、シトロエン C4カクタスなどが配置されているパース画にはデザイナーさんの好みや嗜好も反映されるのでしょうね、やはり(笑)。

ううむ、ますます「パース画に出るクルマ」の世界が気になってきました。これは実際に3DCGで建築パースを作る人に聞いてみないといけないかも?

[Text:遠藤イヅル]

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遠藤 イヅル
筆者遠藤 イヅル

1971年生まれ。カーデザイン専門学校を卒業後、メーカー系レース部門にデザイナーとして在籍。その後会社員デザイナーとして働き、イラストレーター/ライターへ。とくに、本国では売れたのに日本ではほとんど見ることの出来ない実用車に興奮する。20年で所有した17台のうち、フランス車は11台。おふらんすかぶれ。おまけにディープな鉄ちゃん。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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