増えすぎた「緊急自動ブレーキ」の種類、低価格タイプは廃止すべき理由(1/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
日本で自動ブレーキが普及したきっかけはスバルの「EyeSight(アイサイト)」
最近の新車には、衝突不可避の状態に陥ると自動的にブレーキを作動してくれる「緊急自動ブレーキ」を装着できる車種が増えた。自動車にとって最大の欠点は「交通事故」だから、緊急自動ブレーキは積極的に普及させたい。
過去を振り返ると、日本の自動車メーカーは安全意識が低かったと言わざるを得ない。例えば「ESC」などの横滑り防止装置は、国土交通省によって2010年に義務化が発表され、装着が本格化した経緯がある。
しかし緊急自動ブレーキの普及開始は、あくまで自発的である。トラックやバスについては義務化が決定して、現時点では装着すれば減税対象にもなるが(自動車取得税の減税は2017年3月31日/同重量税は2018年4月30日まで)、乗用車は義務化されずとも普及率が高まった。
緊急自動ブレーキの装着が促進された背景にあるのは、スバルの「EyeSight(アイサイト)」によるCM効果だろう。5代目レガシィが2010年に「EyeSight ver.2」を10万5,000円という低価格で設定し、「ぶつからないクルマ?」と銘打ってタレントなどを起用したテスト風景の映像をCMに使った。
これが切っ掛けになり、EyeSightに限らず緊急自動ブレーキが注目された。EyeSightは今ではver.3に進化している。そして軽自動車まで含め、すべてのメーカーが緊急自動ブレーキ装着車を用意するようになった。
注意したいのは、緊急自動ブレーキには複数の種類があることだ。大まかな内訳は以下のようになる。
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