プジョー 308CC 試乗レポート(2/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
気持ちいいフィーリングのマニュアルシフト
実際に走った印象も、従来と一線を画するものとなっていた。
シフトチェンジは極めて素早くスムーズ。ロックアップ領域が増えたおかげでダイレクト感も備わり、これまでのルーズな感覚とは大違い。マニュアルシフトを試みたときのフィーリングもとても気持ちいい。
そもそも6速と4速とでは、シフトチェンジの選択の幅が大差があるので、マニュアルシフトが“使える”感覚がまるで違う。また、速度が遅くなると自動的にシフトダウンし、エンジンブレーキを効かせつつ次の加速に備える。いかにも欧州車的な制御も備えている。
上り勾配で、従来はなかなかダウンシフトしてくれなかったシチュエーションでも、的確にダウンシフトするようになった。また、ターボエンジンというのは、ブーストの具合によって大きく特性が変わる。その影響を小さくするには、ブーストの落ち込みができるだけ小さくなるよう、シフトチェンジに要する時間は短いほうがいいし、ギアは細分化されているほうが都合はよい。
パワーアップしたエンジンに、それをより巧く引き出すことのできるATが組み合わされたことで、よい相乗効果が得られている。冷静に考えると、良くなったことのうち半分ぐらいは、最近の日本のAT車ではごく普通に行なわれているわけだが、その快適さを308CCも身につけたことを喜ぶべきだろう。
フットワークについて、そういえば最近のプジョー車は軒並み「猫足」というよりも、ドイツ車的なシュアで引き締まった乗り味に変化してきたように感じることが多いのだが、308CCもどちらかというとその方向にあると感じる。ただ、当初の308CCは、もう少しツンツンとした乗り心地のように記憶していたところ、今回乗った308CCは幾分しなやかで、また動きの一体感が増すなど、微妙にフィーリングが変わったように感じられたのは気のせいか。
プジョー側からは特に変更のアナウンスは出されていないが、なんらかのランニングチェンジが行なわれたのかもしれない。
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