これが新型エクストレイル!? 燃費とパワーを両立できる最新VCターボに乗った! 2022年初春登場が待ち遠しい新型 ローグ プロト試乗&解説

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フルモデルチェンジが待たれる日産の人気SUV「エクストレイル」だが、発売前の直3 1.5リッターVCターボエンジンを搭載する新型“ローグ”の先行テスト車両に乗る貴重な機会を得た。国内外の新型車に精通するカーライフジャーナリスト、渡辺 陽一郎氏が早速テスト。国内仕様の展望も含め、新型エクストレイルについて徹底解説する!

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目次[開く][閉じる]
  1. 軽やコンパクトの次は、主力SUV「エクストレイル」のフルモデルチェンジだ
  2. どういうこと!? 日本を差し置いて海外向けの新型は2020年秋に先行発売済みだった!
  3. 夢の新技術か! 燃費と高性能を両立する新開発VCターボをテスト
  4. 1.5 VCターボ単体のカタログ燃費は15~16km/L!? これにe-POWERが組み合わさればさらに低燃費も期待できそう

軽やコンパクトの次は、主力SUV「エクストレイル」のフルモデルチェンジだ

今の日産の売れ筋車種は、軽自動車のデイズとルークス、コンパクトカーのノート、ミニバンのセレナ、コンパクトSUVのキックスだが、ミドルサイズSUVのエクストレイルも主力商品だ。

現行エクストレイルは2013年に発売され、既に8年近くを経過する。2021年1~6月の登録台数は1か月平均で1169台と少ないが、2014年には平均で約4500台を販売した。

この日産 エクストレイルが、2022年の初春(2~3月頃か)にようやくフルモデルチェンジする。

現行エクストレイルは3代目で、初代は2000年、2代目は2007年、3代目の現行型は2013年に登場した。そのために保有台数も多く、新型が登場すれば、乗り替え需要も生じて好調な販売が期待される。

どういうこと!? 日本を差し置いて海外向けの新型は2020年秋に先行発売済みだった!

日産 エクストレイルは海外でも売られる世界戦略車だ。実は、北米向けのエクストレイル(現地名:新型ローグ)は2020年10月に発売されている。最も売れている北米が優先された格好だ。続いて中国でも今年春に発表済みとなっている。

今はフルモデルチェンジによってクルマの安全性が大幅に向上するので、海外には新型、日本では旧型を売ると、国内には相対的に安全性の劣る商品を提供していることになる。日本仕様も早急にフルモデルチェンジして欲しい。

日本仕様導入が遅れているのは「隠し玉の新技術」が控えているためだった!

ただしメーカーにも言い分はあり「日本仕様は海外仕様とは違う独自の設計を行っているので、開発に時間を要している」という。国内向けの新型エクストレイルは新しいパワーユニットを搭載するのだ。北米仕様のローグは、既存の直列4気筒2.5リッターエンジンだが、日本仕様には、新開発の直列3気筒1.5リッター VCターボを搭載する。

VCターボは先進的で、走行状態に応じて圧縮比を無段階で変えられる。モーターによるアクチュエーターと3つのリンク機能が採用され、従来は固定されていたエンジンの圧縮比を8:1から14:1まで走行状態に応じて無段階に変化させる。

VCターボは低燃費とハイパワーを両立できる夢の新技術だ!

圧縮比が変えられるメリットは大きい。低回転域の巡航などエンジンの負荷が軽い時は、圧縮比を14:1などに高めて燃料消費量を節約する。

逆に追い越しや登り坂などによって高い動力性能が必要な時は、圧縮比を8:1に近づけ、ターボを積極的に作動させて高い性能を得る。低燃費とパワー指向という、2つのエンジンの特徴を兼ね備えるわけだ。

夢の新技術か! 燃費と高性能を両立する新開発VCターボをテスト

そこで北米向けのローグに、直列3気筒1.5リッター・VCターボを搭載したプロトタイプ仕様をテストコース上で試乗した。

最高出力は204馬力(5600回転)、最大トルクは31.1kg-m(2800~4400回転)で、動力性能を自然吸気のノーマル(ノンターボ)エンジンに当てはめるとV6 3リッターに相当する。

圧縮比の可変機能では、クランクピンの荷重が1.9倍に増えるから、高い強度を持たせねばならない。ターボも装着されるので、車両重量は現行型の2リッターノーマルエンジン車よりも約100kg重い1600kgに達した。

ボディが重い影響もあり、1.5リッターターボでは1500回転以下で駆動力の不足を感じたが、ATの制御によってこの回転域はあまり使われない。2000回転以上であれば、滑らかな走りを味わえる。

圧縮比の可変機能による違和感は生じない。メーターパネルの中央にはパワーメーターが備わり、針が「Eco」に振れると圧縮比は14:1、「Power」では8:1に近付くが、3リッタークラスの大排気量エンジンのように自然に加速できる。

小排気量ターボでは、アクセルペダルを踏み込んでからパワーが上昇するまでに時間差が生じることもあるが、VCターボはこの欠点も抑えた。4000回転を超えた領域の吹き上がりも活発だ。6000回転に近付くと、V型6気筒エンジンのような太いノイズを響かせる。その一方で、直列3気筒特有の粗い音質は抑え込んだ。

1.5 VCターボ単体のカタログ燃費は15~16km/L!? これにe-POWERが組み合わさればさらに低燃費も期待できそう

現行型2リッターノンターボのカタログ燃費はFFモデルで13.2km/L

燃費などの細かな数値は不明だが、1.5リッターのVCターボは、負荷の軽い時には圧縮比を高めて燃料の消費量を軽減させる。最大トルクはノーマルエンジンに当てはめると前述の通り3リッターに匹敵する。

そこで1.5リッターVCターボのカタログ燃費を予想してみたい。

開発者によると「1.8リッターエンジンと同程度」とのことだ。1.5リッター VCターボを搭載する次期エクストレイルのWLTCモード燃費は、15~16km/Lと予想できる。現行型は2リッターノンターボエンジンを搭載して、2WDの売れ筋グレードが13.2km/Lだから、比率に換算すると燃費が10~20%向上する。

VCターボにはさらなる発展の可能性も! e-POWER化に期待大!

この1.5リッター VCターボエンジンは、もちろん単体でも成立するが、新たなハイブリッド車として、同エンジンを活用した新型「エクストレイル e-POWER」が登場する可能性も高い。

そのあたりの発展性については、今後別のレポートでご紹介する予定なので、こちらも楽しみにしていて欲しい。

RAV4やCX-5など強豪ひしめくミッドサイズSUVだけに価格上昇も控えめになることを期待

気になるのは価格だ。圧縮比の可変機能は高コストで、ターボも装着するから、エンジン本体が直列3気筒1.5リッターに縮小されても、価格の上昇は避けられない。ただしSUVは、人気のカテゴリーとあって競争も激しい。大幅に値上げすると売れ行きが伸び悩む。

現行エクストレイルの価格は、2WDの20Xiが316万1400円だ。ライバル車のRAV4で売れ筋になるアドベンチャーは、2リッターのノンターボエンジン、4WDシステム、後輪左右の駆動力を積極的に変化させる機能を備えて331万円に抑えた。マツダ CX-5の2WD・XD プロアクティブは、クリーンディーゼルターボを搭載して322万8500円だ。

これらの価格も考慮すると、次期エクストレイルの価格は、現行型の2WD・20Xiに相当するグレードが20万円高くなって326万円くらいだろう。この価格であれば、ライバル車との競争力も低下しない。

なお次回は、今回紹介しきれなかった、新型エクストレイルの室内空間や操縦安定性、乗り心地といった面を中心にお届けする。

[筆者:渡辺 陽一郎(カーライフジャーナリスト)/撮影:NISSAN]

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新車価格:
248.3万円412.5万円
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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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