アストンマーティンスーパーカーValhallaフォーミュラ1(R)の成果と技術的進歩を採用


ウルトラ・ラグジュアリー・ブランド初の次世代ミッドエンジン・スーパーカーであるValhallaは、いわば“世界最速を追い求める実験室”であるフォーミュラ1(R)での成果を享受します。

・フォーミュラ1(R)の手法、経験、技術を活かし、新しいアストンマーティンのスーパーカーであるValhallaの開発を加速
・アストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズ社がフォーミュラ1(R)のツール、知識、専門技術を提供
・Valhallaは、ドライビング・ダイナミクス、エアロダイナミクス、マテリアルの主要開発分野において、アストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズ社の成果を享受
・Valhallaは999台限定にて2024年に生産開始予定



2023年9月27日、ゲイドン(英国):
ウルトラ・ラグジュアリー・ブランド初の次世代ミッドエンジン・スーパーカーであるValhallaは、いわば“世界最速を追い求める実験室”であるフォーミュラ1(R)での成果を享受します。スピード、信頼性、性能へのニーズを受け、F1(R)の技術的進歩は日々加速しています。アストンマーティン・アラムコ・コグニザント・フォーミュラ1(R)チーム(AMF1)がレースで使用した、実証済みの手法、経験、技術が、未来のモデルを強化するため、アストンマーティンに採用されます。

アストンマーティンのグローバルチーフブランド兼コマーシャルオフィサーのマルコ・マティアッチは、次のように述べています。
「アストンマーティンのビジョンは、当社の中核製品ラインナップを拡張する上で極めて重要な、ドライバーにフォーカスしたクラス最高の自動車を作ることです。そのため、当社初の次世代ミッドエンジン・スーパーカーは、当ブランドにとっても、またミッドエンジンセグメントにとっても、変革をもたらす存在となります。
Valhallaは、アストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズ社(AMPT)を通じて、ロードカーのエンジニアとアストンマーティン・アラムコ・コグニザント・フォーミュラ1(R)チーム(AMF1)のF1(R)エンジニアリング技術を統合したアストンマーティン初の共同開発であり、フォーミュラ1(R)の技術サポートと専門知識を活用したアストンマーティンの幅広い実力を象徴するものです。」

アストンマーティンと、FIAフォーミュラ1・ワールド・コンストラクターズ・チャンピオンシップTMで4位につけているAMF1との技術的クロスオーバーは、チームのコンサルティング部門であるAMPT社によって促進されています。AMPT社は、ダイナミクス、エアロダイナミクス、およびマテリアルの3つの主要開発分野において、アストンマーティンのパフォーマンスエンジニアリングチームを直接支援しています。

AMPT社のエンジニアリングディレクターを務めるクラウディオ・サントーニは、次のように述べています。
「自動車メーカーにとって、フォーミュラ1(R)チームならではのスキルや知識を取り入れることができるのは、大きな利点です。F1(R)エンジニアは、常に性能を追求して限界を押し広げ、迅速な問題解決のために様々なツールを開発してきました。この「社内」知識を活かして、F1(R)の専門知識をロードカーの開発にシームレスに取り入れることができるのです。」

ドライビング・ダイナミクス
Valhallaは、真にドライバーにフォーカスしたミッドエンジン・スーパーカーであり、車両ダイナミクスグループはAMPT社と緊密に連携し、これまでにないドライバーと車との一体感をもたらすダイナミクスを実現するべく、全力で取り組んでいます。F1(R)デザインは、シミュレーションツールを大いに活用しており、シミュレーターで費やす全ての瞬間が進歩につながるような手法をValhallaに導入しています。実際、ダイナミックな特徴と車両セットアップの90%はシミュレーターで完成しており、実際の道路やトラックでは最終的な開発が仕上げられています。

AMF1ドライバーからの貴重なインプットがValhallaのキャリブレーションに新たな熱量をもたらします。ランス・ストロールやフェルナンド・アロンソのようなエリートレベルのドライバーのスキルと知識によって、自動車の性能を極限にまで高められ、車両のダイナミクスを次のレベルに引き上げることができます。

Valhallaのコックピットエルゴノミクスは、フォーミュラ1(R)から直接ヒントを得ており、ドライビングポジションは、AMPT社のサポートにより最適化され、レーシングカーレベルのコントロール性を実現し、ドライビングの楽しさを最大限に引き出しています。電子モジュールを収納している二重フロアによってドライバーのかかとの位置が高くなっており、また独自のカーボンファイバーバケットシートは、ロードカーの快適さを保ちつつも、AMR23レーシングカーに近いシートポジションを実現するため、大きくリクライニングすることができます。これによってルーフラインを低く保ち、ドライバーと車の真の一体感が生まれます。

エアロダイナミクス
AMPT社とアストンマーティンのエアロダイナミクスの専門家がロードカーとフォーミュラ1(R)において各々培ってきた専門知識を結集することによって、ラグジュアリーと性能を完璧に融合した、非常に魅力的なロードカーを作り出す機会がブランドにもたらされました。ダウンフォースの大部分が生み出されるAMR23のアンダーボディとValhallaのアンダーボディは、いかに多くのF1(R)技術がこの新しいスーパーカーに投入されているかが分かります。

Valhallaでのエアロダイナミクスアプローチは、F1(R)カーと同じ方法、すなわちボディ形状のあらゆる要素を用いてダウンフォースを生み出し、空気抵抗を最小化することから始まります。しかし、Valhallaは、F1(R)の規則に縛られてはいないため、自動車のフロントとリアにアクティブエアロダイナミックシステムを搭載することができます。これにより、時速240kmで600kg以上のダウンフォースが生まれます。このおかげで、Valhallaは常にフロントとリアのダウンフォースを調整し、グリップ、バランス、整合性を最大化したり、路面状況や選択したドライビングモードに応じて空気抵抗を最小化することができます。ドライバーは、シャシーからタイヤに至るまで、Valhallaのパフォーマンスを最大限に引き出すことができるのです。



AMR23レーシングカーと同様に、Valhallaは、フロントおよびリアにマルチエレメントウイングを採用していますが、フロントウイングは大部分が見えないようになっています。フロントウイングは、空気抵抗を減らすため、フラットにDRSポジションとすることも可能であると同時に、角度をつけてフロントタイヤのすぐ前で大きなダウンフォースを発生させることもできます。フロントスプリッターの後ろの底面にはくぼみがあり、これがダウンフォースを生み出す低圧帯となります。この機能も、完全な車両アクティブコントロールアルゴリズムの一部としてコントロール可能です。

マルチエレメントリアウイングは、フラットに配置され、車の美しいラインを描くとともに、最小限の空気抵抗で基本的なレベルのダウンフォースを実現します。しかし、トラックモードでは、ウイングがエアフローに高く上がり、最大限に効果を発揮します。そして、車がウイングの迎角をアクティブに制御し、最大限のダウンフォースとDRSの間で常にバランスを取って、パフォーマンスを最大化します。

F1(R)のボルテックスジェネレーターとエアロ機能から着想を得て、ミニディフューザーとして機能する小型溝付ルーバーをリアタイヤの前方に配置したことで、空気流を自動車の下から上方へ排出し、ダウンフォースを高めることが可能になりました。ルーフに搭載されたシュノーケルは、F1(R)と同様にエンジンインテイクに空気を送り込むだけでなく、ターボインタークーラーの冷却ダクトにも給気し、エンジンのホットVターボ構造を冷却します。

AMPT社と共同のF1(R)における数値流体力学(CFD)と風洞試験の膨大な知識は、ロードカーのエンジニアに大きな恩恵をもたらしました。AMR23レーシングカーの開発に使用されたものと同じエアロダイナミックツーリング技術が、Valhallaのエアロダイナミクスの開発にも使用されています。

Valhallaのエンジニアリングチームは、AMPT社と直接協力し、モデルセットアップに関する学習を含め、AMF1チームと同じCFDソフトウェアを活用しました。フォーミュラ1(R)の場合と同様に、Valhallaは、最低地上高感度、ロール・ピッチ・ヨーの影響、ステアリングなど、同じプロセスを研究し、スケールモデルとムービングベルト風洞を使用して車両を開発しました。

マテリアル
AMPT社とAMF1チームは、長年にわたりカーボンファイバーで車を製造してきたため、マテリアルについて理解していないことはほとんどありません。ただし、999台のカーボンファイバーモノコックを製造するというアイデアは、これまで1シーズンあたり数点しか開発してこなかったチームにとって新しい挑戦です。AMPT社のカーボン技術チームは、F1(R)で進化したアイデアを発展させ、同じアプローチをValhallaに応用すべく取り組んでいます。衝突試験のような破壊的プロセスを開始する前に脆弱点を特定することが大きなメリットとなる剛性・耐衝撃性試験のシミュレーションなどの分野では、これが非常に有効です。

Valhallaの心臓部の構造は、最も軽量でありながら最大限の剛性を実現するように作られており、ミリ単位の精度で最大限の制御を保証します。AMPT社が設計・開発し、モータースポーツの最高峰であるF1(R)の知識や技術力を応用したValhallaは、最先端の複合技術から生まれました。



カーボンファイバー素材を複雑かつ絶妙に組み合わせたValhallaのカーボン構造は、アストンマーティンの開発した独自の新技術を用いて生み出されました。構造の上部・下部は、樹脂トランスファー成形(RTM)プロセスとF1(R)由来のオートクレーブ技術を組み合わせ、カーボンファイバーから成形されています。その結果、ドライバーとパッセンジャーのエルゴノミクスを損なうことなく、クラス最高水準のダイナミック構造特性を備え、卓越した安全性を実現する、極めて高い剛性と強度を備えた、軽量な単一のパッセンジャーセルが誕生しました。

アストンマーティンが内燃機関からハイブリッド、そして完全な電化へ移行するにあたり、Valhallaはその最前線に位置しています。エンジン管理グループでは、ValhallaのビスポークのツインターボフラットプレーンV8エンジンについて、性能の最適化や効率の最大化など多くのことが研究されました。このエンジンはアストンマーティンにこれまで搭載された中でも、最も先進的で反応性が高い高性能のV8エンジンであり、3基の電気モーターを組み込んで、1,012 PSハイブリッド全輪駆動ハイブリッドパワートレインを作り出すことができます。

Valhallaは、フロントアクスルに搭載した2基の電気モーターにより、四輪駆動が可能であるだけでなく、エンジニアがそれぞれのフロントタイヤに適用するトルクを完全に独立制御することができます。これはトルクベクタリングと呼ばれる技術です。トルクベクタリングにより、旋回時のステアリングレスポンスや、コーナーでのグリップ、コーナーを抜ける際のトラクションが向上します。コーナーのあらゆる局面で、ドライビングエクスペリエンスとパフォーマンスが向上します。また、フロントの電気モーターは、逆の機能を持っており、リアトランスミッションの軽量化を実現しています。3つ目の電気モーターは、トランスミッションに組み込まれており、ICEエンジンのスターター/ジェネレーターとして機能するのに加え、リアタイヤに追加的なパワーを供給します。

アストンマーティン製品開発担当ディレクターのカルロ・デラ・カーサは、次のように述べています。
「AMPT社のAMF1チームスタッフの知識と経験を当社のロードカー開発チームのスキルやノウハウと組み合わせることにより、F1(R)から直接学んだ技術をスポーツカー開発に活かすことができました。Valhallaの目標は、パフォーマンス、ダイナミクス、ドライビングの楽しさについてクラス最高水準を打ち立てるスーパーカーを生み出すことです。Valhallaでは、“ジェントルマン・ドライバー”とレースサーキットのプロフェッショナルドライバー間のギャップを埋めるためにアクティブテクノロジーを用います。この驚異的な車を開発する上で、AMF1(R)チームの知識にアクセスできたことは、私たちにとって大きな強みとなりました。」

年内に初のプロトタイプが路上での走行を開始し、2024年にはValhallaの生産開始を予定しています。


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樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

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