ホンダ、家庭用次世代ソーラー水素ステーションの実証実験を開始
Hondaの研究開発子会社であるホンダR&Dアメリカズは、燃料電池電気自動車への水素供給装置として、ガレージに収まるコンパクトな家庭用サイズの次世代ソーラー水素ステーションの実証実験を、ホンダR&Dアメリカズロスアンゼルスセンターで開始した。
2001年よりロスアンゼルスセンターで稼働してきた従来型のソーラー水素ステーションは、高圧水素の製造のために、水電解装置および水素圧縮コンプレッサーが必要だった。
一方、次世代ソーラー水素ステーションは、Hondaの独自技術である高圧水電解システムにより水素の製造と圧縮を一体化することで、コンプレッサーが不要となり、小型・低騒音・低コスト化を実現し、家庭用水素供給装置としての可能性を広げた。また、従来に比べ水素製造システム効率も25%向上している。
これにより、8時間で約0.5kgの水素が供給され、燃料電池電気自動車「FCXクラリティ」が30マイル(約50km)走行できる。
また、今回の実証実験では、水素を貯蔵する高圧水素タンクを使わないシステムを採用。システム全体をさらに小型化することで、家庭に導入しやすいサイズとしている。
なお、今回のシステムに従来同様に高圧水素タンクを組み合わせることで、将来的に家庭だけでなく様々な環境や用途への幅広い対応が可能となる。
この次世代ソーラー水素ステーションは、公共の水素ステーション・ネットワークの補助的役割を果たすことを念頭に設計。約5分間で急速充填を行うことができる公共の水素ステーションと組み合わせることにより、「FCXクラリティ」をはじめとする燃料電池電気自動車ユーザーの多様なニーズに対応するものとしている。
次世代ソーラー水素ステーションで水素を製造するための電力は、太陽電池発電による独立電力のほか、商用電源からの電力との併用も可能である。太陽電池のみを使用した場合は燃料電池電気自動車の走行時だけでなく燃料製造時を含めたCO2排出量がゼロとなる。
また、同じ商用電源からの電力でも日中(ピーク)電力を使用した場合に比べ、夜間(オフピーク)電力を使用した場合は、CO2排出量の削減効果が見込める。
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