初代アウトランダーは日本だけ名前が違った!? 三菱 アウトランダーの知られざる歴史を振り返る!
- 筆者: 小鮒 康一
パジェロなき今、フラッグシップモデルとなったアウトランダーだが、後発のライバルが多数出現するなど依然として厳しい戦いを強いられている。そこで2021年度中にも国内投入予定の新型アウトランダーはかなり高級に、そして三菱の技術を余すコトなく取り入れてフルモデルチェンジを果たす。そこで新型発売前の今アウトランダーの歴史を振り返ってみよう! 果たして三菱復権の一助となるか!?
覚えてる? アウトランダーの前身「エアトレック」
現在国内で販売されているアウトランダーは2代目であるが、じつは海外では3代目モデル。というのも海外市場における初代アウトランダーはかつて日本ではエアトレックという名前で売られていたモデルなのだ。
2001年に日本でデビューしたエアトレックは、ステーションワゴンとハッチバック、そしてSUVの特徴をクロスオーバーさせた「スマートオールラウンダー」をキーワードに誕生したモデルであり、一部のグレードでは立体駐車場に入庫可能な全高1550mm以内に抑えるなど、日常の使い勝手も考慮されていた。
あのランエボのターボエンジンも搭載!
エアトレックは、デビュー時こそ2.0リッターと2.4リッターの4気筒NAエンジンのみのラインナップであったが、登場からおよそ1年後の2002年6月にはあのランサーエボリューションにも搭載された名機「4G63」型ターボエンジンを搭載した「ターボR」を追加。翌2003年1月には北米市場向けのフロントフェイスを持つ「スポーツギア」も追加されていた。
一回りデカくなって、アウトランダーに!
そして、2005年10月にはエアトレックのグローバルネームであったアウトランダーを冠したモデルが日本にも登場。ボディサイズを拡大し、従来型の5人乗りのほか、3列シートを備えた7人乗り仕様も設定された。
プラットフォームも一新され、搭載されるエンジンも排気量こそ先代にも設定されていた2.4リッターだったが、新開発の4B12型となり、組み合わされるミッションは6速スポーツモード付CVT。それに電子制御式4WDを組み合わせたパワートレインとなっていた。
次々と進化する初代
2007年10月には新たにV6 3.0リッターエンジンと6速ATを組み合わせた上級グレードを追加。2008年5月にはオンロードでの走りのよさを感じさせるエアロ仕様の「ローデスト」も用意された。
さらに同年8月には一部グレードに2WD(前輪駆動)を設定し、2009年末には2.0リッター仕様も追加することで、車両本体価格200万円を切る価格を実現している。なお、このタイミングで当時の三菱のファミリーフェイスである「ジェットファイターグリル」を採用しており、同時期のランサーエボリューションXやギャランフォルティスに近いデザインに改められた。
完成度高し! 9年目の現行アウトランダー
2012年には現行型となる2代目(グローバルでは3代目)アウトランダーが登場。ボディサイズは先代とほぼ同等ながら、ワイドで安定感のあるデザインや伸びやかなキャラクターラインを備えることで、サイズを超える存在感を演出している。
安全・環境面を充実させ、総合力アップ!
2代目は登場とともに、レーダーとカメラによる新開発の先進安全装備「e-Assist」を搭載。予防安全の面でも大きな進化を遂げた点も特徴と言えるだろう。
また搭載されるエンジンは新開発の4気筒2.0リッターと2.4リッターエンジンで、従来型のDOHCから、燃費と環境技術、そして軽量化を目的にSOHCへと変更されているが、リフト可変と位相可変を機械的に連動させる新MIVEC機構を採用することで、従来型と同等の出力を実現していた。
日本で2台目、プラグインハイブリッドを導入!
そして、現行型最大のトピックとなるのが、2012年12月に追加されたプラグインハイブリッド車「アウトランダーPHEV」だろう。トヨタがリリースしたプリウスPHVに次ぐ日本では量産2車種目のプラグインハイブリッド車であり、当然SUVタイプとしては初のモデルとなる。
さらにプラグインハイブリッド車としては初めて、車両から家庭に電気を供給するV2H(Vehicle to Home)に対応したことも特筆すべき点と言えるだろう。
フラッグシップへの準備は万端
2015年6月のマイナーチェンジでは、フロントマスクを現在の三菱のアイデンティティであるダイナミックシールドに変更。2018年8月にはPHEVの搭載エンジンを2.0リッターから2.4リッターへ換装し、駆動用バッテリーの大容量化、モーターやジェネレーターの出力アップなどもプラスされ、より一層魅力的なモデルへと進化を遂げている。
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