スズキ クロスビー燃費レポート|1Lターボ+マイルドハイブリッドの実力を徹底評価!(5/6)

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スズキ クロスビー実燃費レポート|総合評価編

スズキクロスビーの平均実燃費:18.2km/L

クロスビーは機能的に飛び抜けた部分はないが、できる燃費も含め全体的に内外装の楽しげな明るい雰囲気も幸いし、ハスラーやホンダN-ONEにも共通する「すごく美味しい訳でも安い訳でもないんだけど、なんとなく雰囲気がいいので気づくと頻繁に寄っているお店」のような魅力を持つ車に仕上がっている。燃費も納得感があるので、見た目や雰囲気が気に入れば“買い”なクルマだ。

実燃費レポート|総合評価
車種名実燃費パワートレイン

スズキ クロスビー

※2017年12月登場モデル

18.2km/L

1Lターボ+マイルドHV

スズキ スイフトRSt

※2017年計測

19.6km/L

1Lターボ

ホンダ ヴェゼル

※2014年計測

16.9km/L

1.5Lガソリン

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■新型スイフト実燃費レポート|1Lターボとハイブリッド、燃費がいいのはどっち!?

価格でクロスビーを検討する場合は、同価格帯のクルマも比較するのが吉

上級グレードとなるハイブリッドMZのFFで200万3400円、4WDの214万5960円という価格は車格や近い予算で買える車を見ると少し高いと思う。

というのも、少し周りを見渡せば様々な車種が目に入ってくるからだ。例えば、クロスビーに約16万円~24万円足せば、ひとクラス上で広い室内空間を持ち、安全装備が充実しているホンダ ヴェゼルの1.5リッターガソリン車が買える。

また、動力性能の余裕は少なく装備も質素だが、アイサイトや歩行者保護エアバッグを筆頭に安全装備はテンコ盛りで、強力な4WDシステムを持つ1.6リッターエンジン搭載のスバル XVの標準グレードは213万8400円で、僅かながらクロスビーより安いのだ。

さらに「SUVやクロスオーバーといったジャンルにこだわらないけど、オシャレな車が欲しい」という人であれば、210万円台でシトロエン C3、プジョー 208、ルノー トゥインゴ&ルーテシア、フィアット パンダといった輸入コンパクトカーだって視野に入る。

そのあたりを考えると、クロスビーは今後価格の見直しだけは必要性を強く感じる。クロスビーの購入の考える際には、近い予算で買える他車の検証や確認はぜひ行って欲しい。

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スズキ クロスビーとは

世界的なSUVブームを受け、日本でもSUVや乗用車に4WDや高い最低地上高といったSUVの要素を融合したクロスオーバーSUVが人気となっている。

その中でスズキは、ワゴンRをベースにSUVの要素と「この車を買ったら潤いのある新しいなにかが待っているかもしれない」と感じさせる楽しい雰囲気をミックスした、ハスラーを2013年12月にリリース。発売当初は特にツートンカラーの仕様が長い納車待ちになるほどの人気となり、最近は落ち着いてきたものの登場から4年が過ぎた今でも堅調な販売をキープしている。今ではスズキの軽乗用車における柱の1つに成長した。また、ダイハツからはキャストアクティバというハスラーを強く意識したモデルも登場した。

ハスラーの登場以来「ハスラーのワイド版が欲しい」という声は少なくなかったようで、その声に応える形で登場したのがクロスビーである。スズキの過去の軽自動車を振り返ると、「スタイルはほぼ軽乗用車だけど、高い最低地上高を持つ」という点で根強い需要が続いたKeiという軽乗用車があり、その小型車版として初代スイフトが登場したが、現在のハスラーとクロスビーもKeiと初代スイフトと似た関係を持つ。

“ワイド版ハスラー”、実はイグニスベース

そのクロスビーは一部で”ワイド版ハスラー”と呼ばれるように、ハスラーをそのまま大きくしたようなスタイルにSUVの要素を融合させた「新ジャンルの小型クロスオーバーワゴン」という、既存の車にはないコンセプトで開発された。

前述した初代スイフトは、プラットホームは本当に軽自動車のものを拡大して小型車の4気筒エンジンを搭載した、という簡便な成り立ちであった。しかしクロスビーはそうではなく、スズキのコンパクトカーでは小さいクラスとなるソリオやイグニスと同じプラットホームを使う。

エンジンは、バレーノとスイフトRStに搭載される、1リッター3気筒直噴ターボ(最高出力99馬力&最大トルク15.3kgm)に超小型モーター(最高出力3.1馬力&最大トルク5.1kgm)を組み合わせたマイルドハイブリッドを搭載。このエンジンは、排気量だけでなく気筒数も含むエンジンの小型化によるパワーダウンを、過給機の装着で補い燃費を向上させるという欧州車では主流の仕様で、日本車でも採用例が増えつつある。

組み合わされる超小型モーターはエンジンを掛けるセルモーターとオルタネーター(発電機)の役割も兼ねており、エンジンとはベルトでつながっているため静かで振動のないアイドリングストップからのエンジン再始動に貢献するほか、減速エネルギーを助手席下に置かれるリチウムイオンバッテリーに貯める回生制動や、僅かながら緩加速の際のアシストを行う。

トランスミッションは、前述したスイフトRStとバレーノと同様に6速ATとの組み合わせで、駆動方式はFFと4WDが全グレードに設定される。

カタログに掲載されるJC08モード燃費はFFが22.0km/L、4WDが20.6km/Lとコンパクトクラスとしては特筆すべき数値ではなく、FF、4WDともにエコカー減税の対象とはならない。

4WD車はスポーツモードとスノーモードという2つの走行モードが選べるほか、SUVの要素を持つこともありぬかるみや滑りやすい路面でのトラクション(駆動力)を向上させるグリップコントロールと、急な下り坂でブレーキ操作なしで約7km/hのスピードをキープするヒルディセンドコントロールを装備する。

グレード体系は標準のハイブリッドMXと、上級のハイブリッドMZの2つという非常にシンプルなものとなっている。

安全装備はスズキセーフティサポートを搭載

自動ブレーキを含む運転支援システムは、前方を監視するレーザーセンサーと単眼カメラ、後方を監視する超音波センサーからの情報を基盤にしたスズキセーフティサポートが採用される。ハイブリッドMXは10万6920円のメーカーオプションだが、ハイブリッドMZには標準装備される。

スズキセーフティサポートは、自動ブレーキ機能、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能、ハイビームアシスト、後退時ブレーキサポート、後方誤発進抑制機能といった機能を持つ。自動ブレーキ機能は車のような物体だけでなく歩行者にも対応しており、クロスビー自体は国が行うJNCAPの予防安全性能アセスメントの試験は、2018年3月現在ではまだ受けていない。クロスビーと同等と思われる現行スイフトは、車両のような物体に対しては50km/hでの停止、成人の単純な飛び出しに対しては20km/hでの停止、成人の駐車車両のような遮蔽物からの飛び出しに対しては30km/hでの停止が確認されており、クロスビーの自立自動ブレーキもコンパクトクラスのものとして考えればまずまずの性能を備えていることが予想される。

[Text:永田恵一]

スズキ クロスビーの主要スペック

スズキ クロスビーの主要スペック
車種名スズキ クロスビー

グレード

ハイブリッドMZ

駆動方式

4WD

トランスミッション

CVT

価格(消費税込)

2,145,960円

JC08モード燃費

20.6km/L

全長

3,760mm

全幅(車幅)

1,670mm

全高(車高)

1,705mm

ホイールベース

2,435mm

乗車定員

5人

車両重量(車重)

1,000kg

エンジン

直列3気筒ターボ

排気量

996cc

エンジン最高出力

73kW(99PS)/5,500rpm

エンジン最大トルク

150N・m(15.3kg・m)/1,700~4,000rpm

モーター最高出力

2.3kW(3.1PS)/1,000rpm

モーター最大トルク

50N・m(5.1kg・m)/100rpm

燃料

無鉛レギュラーガソリン

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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