日産 フーガ 500km実燃費レビュー【vol.1 0-100km】(1/2)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:オートックワン編集部
インフィニティをペブルビーチで発表した理由
昨年の8月、日産フーガが「インフィニティM35」としてアメリカで発表された時に立ち会った。
場所は、カリフォルニア・モントレーの「ペブルビーチ・コンクールデレガンス」に隣接した特設会場。今回で59回の歴史を誇るイベントには、古今東西のヒストリックカーが世界各地から集結していた。
近年、同イベントは好事家たちだけの集まりから発展し、各自動車メーカーが自らの博物館からの逸品を持ち寄り、こぞってブランドヒストリーを誇示し合う場に変容していた。
ブランドの価値とは歴史に裏打ちされたものであることを、自動車メーカーがよく自覚するようになったことの結果である。
さらに、同イベントが、クルマに興味を持ち、高い趣味性を有している見学者を多く集めていることに着目したメーカーは、イベントを重要視するようになり、新型車を既存のモーターショーなどではなく、ここで発表するようにもなった。
入場者数の多寡ではなく、入場者数の属性を重視するようになったのである。まさにそんな狙いの元に発表されたのが、インフィニティM35(日産フーガ350GT)だった。
コンクールデレガンスの名誉ジャッジを7回も務めている日産自動車常務執行役員チーフクリエイティブオフィサーの中村史郎氏は、インフィニティM35をペブルビーチで発表する理由を次のように語った。
「アメリカだけのことではありませんが、近年、プレミアムカー・マーケットは、クルマとブランドに鮮烈なキャラクターがないと、買ってもらえない時代になりました。ここに出展されているようなクルマたちに較べれば、インフィニティは若いブランドです。だから、デザインはとても重要になってきます」
中村氏の言う“鮮烈なキャラクター”は、フーガ250GTを眼の前にした者に十分に伝わってきた。
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