待望の1.5Lガソリンエンジンを搭載したチューニングベース車両「デミオ 15MB」[試乗・燃費レポート](7/7)

待望の1.5Lガソリンエンジンを搭載したチューニングベース車両「デミオ 15MB」[試乗・燃費レポート]
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生涯初の新車、さらには試乗無しという賭けで購入したデミオディーゼル

ここまでの文中の表現でお察しの方もいらっしゃるかもしれませんが、筆者の愛車であったデミオディーゼルはもう手元にはありません。

滋賀の友人が筆者のデミオディーゼルにラブコールを送ってきたことと、近々紹介しますが流れというか超大げさに言えば運命のように欲しい車が現れてしまったために手放しました。

一般的に考えれば車を1年ちょっとで乗り換えるというのは異常なことだと思いますが、自動車ライターという筆者の職業の場合は、マイカーというのが様々な意味で仕事の重要な基盤であり、乗り換えられるものであれば次々と乗り換える、というのも王道のようなところがあり、今回はその流れに乗ることにしました。

ここで強調したいのはデミオディーゼルに不満や問題はほとんどなかった、ということです。私にとっては幸運だったのか、私のデミオディーゼルにとっては不運だったのか、たまたまそういうタイミングが合ってしまったというだけです。

Myデミオ 最終走行距離

私がデミオディーゼルと過ごした期間はちょうど1年、走行距離は1万5,623kmでした。私としてはこれまで多くのマイカーを所有したなかでも2番目くらいに年間走行距離が伸びた車で、最後の4ヶ月間はずいぶんと遠方にも行きました。

私のデミオディーゼルは友人に個人売買という形で手放したので売却の条件が有利だった以上に、また逢えることもあるというのは私なりのデミオディーゼルへの愛情と言えるかもしれません。

振り返ってみると、デミオディーゼルは生涯初の新車、それも発売前に車は見たものの乗らなかった上に、初めての3桁万円の車だけに「そんなことはない」と信じてはいましたが、期待外れになるリスクも抱えながら箱根の試乗会で初めて乗った時には想像以上の出来に会心の一撃のように「俺はギャンブルに勝った、俺の目に狂いはなかった!」とほくそ笑んだものです。

遠くによく行ったと言えば、国沢光宏師匠がトヨタミライで参戦した全日本ラリー最終戦の新城ラリーの直前に急遽ショックアブソーバーが必要になり、時間がなかったこともあり岐阜県のKYBの工場までデミオディーゼルで東京-岐阜-ネオチューンの本家である千葉県のサンコーワークスまでの750kmを10時間で走破し調達したこともいい思い出です。

20km/Lを切らない燃費、軽油の安さ、内外装のクオリティの高さ・・・愛すべき「デミオディーゼル」

自らが所有したデミオディーゼルを総括すると、やはり良かったことはリッター20kmを切ることはない燃費軽油を使うことによるハイブリッド以上の燃料代の安さ燃費や充実した安全装備、意外にオーディオがいいことによるGT性能の高さ、全体的なクオリティの高さなどからプライドを持って乗れるコンパクトカーであること、つまり購入時から変わっていません。

大きな不満はありませんが、敢えて希望を挙げるならば過給機関係に手を加えることによるディーゼルエンジンのパワーアップとクルーズコントロールを先行車追従型にして欲しいことくらいで、こちらも購入時からそれほど変わっていません。

筆者の愛車 デミオ MT

デミオディーゼルでの最後のドライブは「最後まで一緒にいたい」という想いとデミオディーゼルの得意な使用パターンということで、東京から大阪に立ち寄り次のオーナーが待つ滋賀県に納車というコースにしました。

最後まで、相変わらずのGT性能の高さを味わいながら特に燃費は気にしないペースで約600kmを走りましたが、実燃費は文句なしの25km/Lオーバーを記録。

エンジンは絶好調どころか育ち盛りの伸び盛りでまだ調子を上げそうな雰囲気で、燃料代が安いデミオディーゼルで遠くに行くと相対的に高速代が高く感じてしまうというのはこのクルマならではの発見でした。

譲り渡した友人も、筆者と同様の満足感が得られている

筆者の愛車 デミオ MT

ちなみに、デミオディーゼルを筆者から引き継いだ友人は「コンパクトカーにも関わらず、内外装が良いことに驚いた。そのため、周囲からのウケも良い。燃費は、流れのいい郊外で25km/Lを超えていて、通勤が片道40kmもあるので助かってる。燃費が良くて、楽しいクルマにして本当に良かった」と、私と同じような満足を得ているようです。

ちなみにタイヤをスタッドレスに交換したころ、大きな不満の一つであったロードノイズは大幅に小さくなったそうです(笑)

もう、筆者はデミオオーナーではありませんが、私にとって大きな節目の車となってくれたDJ型現行デミオのことは常に頭に置きつつ、今後の進化、発展を陰ながら見守りたいと思います。

DJデミオに幸あれ!

デミオディーゼルの後釜は、登場からもうすぐ4年が経ち新鮮さという意味では薄れているものの、その代わりに中古車が増えて買いやすくもなっていることもあり筆者が「セカンドステージに突入」と注目しているあのスポーツカーです!

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

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