待望の1.5Lガソリンエンジンを搭載したチューニングベース車両「デミオ 15MB」[試乗・燃費レポート](1/7)
- 筆者: 永田 恵一
デミオのモータースポーツベース車両「15MB」の実力をチェック!
マツダ デミオディーゼルに発売前から惚れ込み、発売直後から1年間乗った筆者がお届けするデミオ1日試乗&燃費レポート。今回は今年9月に追加、10月から発売された新顔「デミオ 15MB」編です。
現行デミオには、今回テストした15MBが加わるまで先代モデルまで設定されていた1.5リッターエンジン搭載車がなく、このたび晴れて発売となりました。
15MBのキャラクターはスポーツモデルということにはなりますが、正確に言えば「普段使いもできるモータースポーツ参戦ベース車」です。なお15MBの“MB”は当然ながら「メルセデス・ベンツ」ではなく(笑)、「モータースポーツベース」の略になります。
そのため、パワートレーンはジムカーナやダートトライアル、ラリーといったモータースポーツのクラス分けに対応すべく1.5リッターエンジンに6速MTを組み合わせているものの(15MBにはATの設定はありません)、それ以外の多くの部分はデミオの1.3リッターガソリン車をベースとして、仕上げを前提によく言えば「シンプル」、悪く言えば「安手」に作られています。
その代わり、15MBの価格はオプション無しなら「150万1,200円」、オプションのユーティリティパッケージ(内容は私が乗っていたディーゼルのXDツーリングと同じデザインのホイールとタイヤとなる16インチアルミホイール、6:4分割可倒のリアシート、リアのスモークガラス、CDプレーヤー)を付けても「156万6,000円」と、キャラクターは違うものの1.5リッターエンジンを搭載するコンパクトカーのスポーツモデルという意味ではライバルとなる「トヨタ ヴィッツ」や「ホンダ フィット」のRSグレードがおおよそ190万円することを考えれば、非常に安いのではと考えます。
つまり、デミオ15MBは昔の「ホンダ シビック」や「トヨタ カローラ レビン&スプリンタートレノ」「三菱 ミラージュ」といった200万円以下のスポーツ系のグレードと同じように“明確なキャラクター性”を持つ面白いクルマといえるでしょう。
折角ならロードスターのエンジンを搭載して欲しかったが・・・
本題の燃費レポートに入る前に、デミオ 15MBの細部を見ていきましょう。
パワートレーンは前述した通り1.5リッター(最高出力116ps/最大トルク15.1kg・m)エンジン+6速MTを搭載しています。エンジン自体はアクセラの1.5リッター(最高出力111ps/最大トルク14.7kg・m)と基本的に同じなのですが、デミオ 15MBは「ハイオクガソリン仕様」です。
エンジンについて率直な意見を述べると、「アクセラのエンジンに対してデミオが僅か5馬力しか変わらないのであれば、アクセラのエンジンと同じでもよかった」「どうせハイオクが必要ならば、いっそのことロードスターと同じエンジン(最高出力131ps、最大トルク15.3kg・m)にして欲しかった」というのが筆者の素直な気持ちです。
しかしながら、ロードスターのエンジンはスポーツカー用ということでレッドゾーンがデミオ 15MBの6,800rpmに対し7,500rpmと高く、そのため鍛造クランクシャフトなどコストの掛かる部品を使っています。そうなると、デミオ15MBの“価格の安さを含んだ”モータースポーツベース車両、というキャラクター自体が本末転倒となってしまうからかもしれません。
なおカタログに載るJC08モード燃費は、フィットRS(6速MT)の19.0km/Lを気持ち上回る「19.2km/L」。エコカー減税については対象とはなりません。まあ、この手のMT車がエコカー減税になることは少ないですから、これについては気にしないことにしましょう。
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