レクサス 新型LS試乗レポート|ショーファーカーから脱却!セクシーなドライバーズカーに変身

レクサスの最高峰「LS」がフルモデルチェンジ

まぎれもなく世界屈指のハイブリッド高級車と言えばレクサス 新型LSである。新しいプラットフォームと新エンジンが与えられた新型LSの走りをレポートする。

取材の都合で夜の帳が降りたころ、LS500hのカード型キーを受け取った。すでに、コネクトシステムが始まっており、カードとクルマは接続済。ドアノブにタッチするだけでドアが解錠される。レクサスはコネクト・自動運転・電動化という先進技術をすでに先取りしているわけだが、新型LSにはどんな新しい機構が実用化されているのだろうか。

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すでに同じプラットフォームを持つ高級クーペのLCが登場しているが、LSは後席の快適性も重視するサルーンカーなので、パッケージとシャシーの細部は異なっている。

コクピットに身を沈めるとショーファーカーという雰囲気はなく、直感的にはドライバーズカーというイメージなのだ。その意味ではBMW 7シリーズが気になる存在かもしれない。

新型LSはハイブリッドに加え、V6ターボのガソリンモデルをラインアップ

ハイブリッドはスタートスイッチを押すと、Readyのマークが点灯する。シフトレバーをDに入れるだけで走りだすが、その瞬間エンジンはまだ始動していないのでEVのようにスルスルと静かに動く。もし、近い将来、プラグイン・ハイブリッド(PHV)がラインアップされるなら、LSのキャラクターには似合いそうだ。

ハイブリッドは新開発の10段変速機構を持つが、街中では有段変速は意識しないで走れる。燃費のために開発されたハイブリッドも、レクサスが料理すると、頼もしくも洗練されたパワー・プラントに変身できる。

新型LSにはハイブリッド以外に、ガソリン車も存在する。そのガソリン車に初めて搭載されたのが、高速燃焼のV6ターボだ。

ハイブリッドとは異なり、かなり力強い加速が楽しめるが、どちらのパワートレーンが良いのか、本当に迷ってしまう。

実はこの高速燃焼は、すでにトヨタ カムリに採用した2.5リッターエンジンと同じコンセプトだが、ターボでタンブル(縦の渦)を効かせて燃焼速度を速めたのは新型LSからだ。

キーテクノロジーはバルブシートに金属の鉄粉をレーザーで溶射する技術(レーザークラッドバルブシート)だ。F1やWECの世界では使われているが、量産車では世界初のこと。

このV6ターボのビッグトルクは10速トルコンATを介して駆動する。ハイブリッドも良いが、二台を試す限り、私はガソリンのV6ターボに惹かれてしまった。

ダイナミックでスポーティな路線にキャラクターチェンジ

いままでのLSのイメージはすでに払拭されている。かなり大胆にスポーティな路線にキャラクターチェンジしたのである。気になるのは乗り心地だ。LCはスポーツクーペとして引き締まった乗り味が特徴だが、新型LSはダイナミックな走りと快適性をどう融合するのか。

実車はブリヂストン製ランフラットタイヤのハーシュネスの硬さが気になったが、フラットな路面ではフワフワした乗り心地とはおさらばし、狙い通りの走りではないだろうか。個人的にはバネ上のダンピングをもう少し引きしめながらも、タイヤのアタリをマイルドにできれば最高なのだが。

ホワイトのボディと真紅の革シートのコントラストがセクシー

それにしてもインテリアのデザインと質感は完全に欧州のプレミアムを凌駕している。パールホワイトのボディと真紅の革シートのカラーコーディネイトがセクシーだ。

コクピットはデジタライズされた未来感あふれるものだが、機能が多いので、スイッチ類の配置や使い勝手に苦労の跡がある。

高度な自動運転のレベル2の機能を持つ「Lexus Safety System +A」

新型LSにはコーポレイトトヨタとして、もっとも進化した安全機能「Lexus Safety System +A」が備わっている。洗練された運転支援システムは自動運転のレベル2に相当するが、条件付き半自動運転のレベル3に近い高度なレベル2の機能を持つと言っていいだろう。

あまりにも機能が多いので、ここでは詳細の説明は割愛するが、新しいシステムは7つの代表的な機能を有している。すでに実用化済みの技術を合わせると、「安心・安全・便利・快適」性がより高まっている。

実際の事故調査などを元に開発された新しい機能のうち、歩行者を検知して、同一車線内なら、操舵回避を行いながら、自動緊急ブレーキが機能する。先日発表されたばかりのメルセデス・ベンツ Sクラスにも同様のシステムが搭載されている。

自動車線変更や同一車線内でレーンをガイドする機能が備わっており、ドライバーはハンドルから手を離すと数秒後にアラームで警報されるが、ドライバーが応じない緊急時を想定して段階的に徐々に速度を落とし、最終的に停車する本格的なデッドマンシステムが搭載された。

また、見通しの悪い交差点などで他車が接近すると、レーダーで検知し、ヘッドアップディスプレイ(HUD)で注意喚起するフロントクロストラフィックアラートも備わる。もちろんブレーキとアクセルの踏み間違も防ぐ機能を持っている。

新型LSの安全システムが、プリウスやヴィッツクラスに普及することに期待

レクサス新型LSに乗って感じたことは、高級車として「もっと便利で快適に走れる機能が満載しているが、万が一のときにはシステムの高度化で事故を未然に防いでくれる。

こうした技術はLSがトップランナーとして装備されているが、近いうちにプリウスやヴィッツクラスにも普及することを願っている。

退屈なショーファーからセクシーなドライバーズカーに変身したLSはクルマ好きのユーザーにも「イイネ」と押されることは間違いないだろう。

[レポート:清水和夫/Photo:小林岳夫]

レクサス 新型LSの主要スペック

レクサス 新型LSの主要スペック
車種名LS500hLS500
グレードEXECUTIVEEXECUTIVE
パワートレインハイブリッドガソリン
駆動方式2WD2WD
価格(消費税込)16,400,000円15,000,000円
JC08モード燃費15.6km/L10.2km/L
全長5,235mm5,235mm
全幅(車幅)1,900mm1,900mm
全高(車高)1,450mm1,450mm
ホイールベース3,125mm3,125mm
乗車定員5人5人
車両重量(車重)2,320kg2,260kg
エンジンV型6気筒V型6気筒インタークーラー付きターボ
排気量3,456cc3,444cc
エンジン最高出力220kW(299PS)/6,600rpm310kW(422PS)/6,000rpm
エンジン最大トルク356N・m(36.3kgf・m)/5,100rpm600N・m(61.2kgf・m)/1,600~4,800rpm
モーター最高出力132kW(180PS)ーー
モーター最大トルク300N・m(30.6kgf・m)ーー
燃料無鉛プレミアムガソリン無鉛プレミアムガソリン
レクサス/LS
レクサス LSカタログを見る
新車価格:
999.6万円1,711.7万円
中古価格:
45万円1,551.2万円
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清水 和夫
筆者清水 和夫

1954年生まれ。1972年のラリーデビュー以来、国内外の耐久レースで活躍する一方、モータージャーナリストとして、自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。近年注目の集まる次世代自動車には独自の視点を展開し自動車国際産業論に精通する。一方、スポーツカーや安全運転のインストラクター業もこなす異色な活動を行っている。記事一覧を見る

監修トクダ トオル (MOTA編集長)

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