CX-30とヴェゼルのリセール率をプロが比較|「買い得」「やめとけ」グレードは? 居住性や積載性が良いのはどっち?
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂 幸正/MOTA編集部
今の小型・普通車で人気の高いカテゴリーは、全長を4500mm以下に抑えたコンパクトSUVです。外観がカッコ良く、後席や荷室も広いので、高い人気を得ています。
そのなかで比較されやすいのが、2026年7月に改良されたマツダ CX-30と、販売台数で先行するホンダ ヴェゼルです。
この記事では、カーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが、月間申込数10万件(2026年3月・5月実績)を誇る「MOTA車買取」の豊富な査定実績データを交えながら、「どちらが将来高く売れるのか」「残価設定ローンの残価はどちらが高いのか」といった、購入前にもっとも気になる資産価値を分析。
買い得グレードや後席の広さ、荷室の使い勝手といった実用面も含めて、分かりやすく解説します。
CX-30とヴェゼルの基本スペックを比較
2026年7月には、コンパクトSUVのマツダ CX-30が改良を行いました。
もっとも注目される変更点は、以前は人気の高かった直列4気筒1.8Lクリーンディーゼルターボエンジンを廃止して、その代わりにマツダ CX-5と同じ2.5Lガソリンマイルドハイブリッドを加えたことです。
全長が4500mmを下まわるコンパクトSUVで、排気量が2.0Lを超えるエンジンを搭載する車種は珍しいです。このほかCX-30の改良では、グレード構成の見直し、安全装備の充実なども行っています。
CX-30のライバルとして筆頭に挙がる車種はホンダ ヴェゼルです。
ヴェゼルの2026年上半期(1〜6月)の1か月平均登録台数は約6200台です(トヨタ カローラクロスの約5200台を上まわりました)。CX-30の約1100台に比べると、ヴェゼルは5倍以上売れています。
| 項目 | CX-30 | ヴェゼル |
|---|---|---|
| 全長 | 4395mm | 4340〜4385mm |
| 全幅 | 1795mm | 1790mm |
| 全高 | 1540mm | 1545〜1590mm |
| パワーユニット | 2.0Lガソリン 2.5Lガソリンマイルドハイブリッド | 1.5Lハイブリッド 1.5Lガソリン |
| WLTCモード燃費 | 14.5〜16.2km/L | 15.0〜26.0km/L |
| 価格(税込) | 264万円〜375万6500円 | 275万8800円〜396万8800円 |
※CX-30の燃費の幅はエンジンと駆動方式の違いによるものです。ヴェゼルは燃費の上限がハイブリッドの「e:HEV」、下限がガソリン車の数値で、全長と全高の幅はグレードによる差です。
リセールバリュー比較|売却時の資産価値を独自データで算出
そこでCX-30とヴェゼルでは、どちらが安く買って高く売れるのか比べてみましょう。
まず、初度登録から3年を経過した3年落ちのリセール率(新車価格に占める査定額の割合/査定価格÷税込新車価格×100)をグレード別に算出します。リセール率が高いほど、高値で売却できる可能性が高まります。
現行CX-30の発売は2019年、ヴェゼルは2021年なので、3年落ちなら両車とも現行型です。
| 調査概要 | |
|---|---|
| 対象車種 | マツダ CX-30/ホンダ ヴェゼル |
| 条件 | 3年落ち(2022〜2023年式)・走行2〜3万km/5年落ち(2020〜2021年式)・走行4〜5万km・修復歴なし(ヴェゼルの5年落ちは現行型のみを対象とするため2021年式) |
| 集計期間 | 査定日2025年8月1日〜2026年7月31日 |
| 集計時点 | 2026年8月集計 |
| ソース | MOTA独自の査定実績データ |
| リセール率の定義 | 査定価格÷新車価格(税込)×100 |
| 算出方法 | 各車両の年式に対応した新車価格と査定額をもとに、1台ずつ個別に算出し、その平均値を掲載 |
CX-30のリセール率
3年落ち・2〜3万km(2022〜2023年式)|特別仕様車が上位、平均は68〜72%
3年落ちになるCX-30のリセール率は、1.8Lクリーンディーゼルターボを搭載する「XDプロアクティブ」が80.3%と高く、続いて2.0Lガソリンの「20Sレトロスポーツエディション」が76.6%、「20Sブラックトーンエディション」は74.7%と続きます。中心的なリセール率は68〜72%です。
| 順位 | グレード | 平均リセール率 |
|---|---|---|
1位 | 「XDプロアクティブ」 | 80.3% |
2位 | 「20Sレトロスポーツエディション」 | 76.6% |
3位 | 「20Sブラックトーンエディション」 | 74.7% |
4位 | 「XDレトロスポーツエディション」 | 73.2% |
5位 | 「20Sプロアクティブ ツーリングセレクション」 | 71.7% |
6位 | 「XDブラックトーンエディション」 | 71.4% |
7位 | 「XDプロアクティブ ツーリングセレクション」 | 71.3% |
8位 | 「20S」 | 68.9% |
9位 | 「XD Lパッケージ」 | 68.6% |
10位 | 「20Sプロアクティブ」 | 67.3% |
11位 | 「20S Lパッケージ」 | 67.2% |
5年落ち・4〜5万km(2020〜2021年式)|「20S」が60.7%で最高値
次は5年落ちのリセール率を見ましょう。
CX-30の5年落ちは、2.0Lガソリンエンジンの「20S」が60.7%ともっとも高く、人気の高いディーゼルの「XD Lパッケージ」は60.5%です。「XDプロアクティブ」は52.7%なので、中心的なリセール率は52〜60%です。
| 順位 | グレード | 平均リセール率 |
|---|---|---|
1位 | 「20S」 | 60.7% |
2位 | 「XD Lパッケージ」 | 60.5% |
3位 | 「XDプロアクティブ ツーリングセレクション」 | 56.2% |
4位 | 「20S Lパッケージ」 | 55.7% |
5位 | 「20Sプロアクティブ ツーリングセレクション」 | 55.4% |
6位 | 「XD 100周年特別記念車」 | 54.8% |
7位 | 「20Sプロアクティブ」 | 53.4% |
8位 | 「XDプロアクティブ」 | 52.7% |
9位 | 「20S 100周年特別記念車」 | 48.3% |
10位 | 「X Lパッケージ」 | 45.0% |
なお2026年7月に改良されたCX-30の実績値はまだ出ていないため、上記は改良前のモデルにもとづく数値です。
ヴェゼルのリセール率
3年落ち・2〜3万km(2022〜2023年式)|「G 4WD」が134%で際立って高い
3年落ちのヴェゼルのリセール率は、ノーマルガソリンエンジンの「G 4WD」が134%と際立って高いです。査定額が新車価格の1.3倍に達したことを示しています。
「G 4WD」を高値で売却できる背景には、中古車輸出があります。ヴェゼルはハイブリッドの「e:HEV」が中心で、「G 4WD」は販売比率の低いグレードですが、新興国では人気が高いです。
ノーマルガソリンエンジンは構造がシンプルで修理もしやすく、4WDは悪路に強いためです。
しかも「G 4WD」は、「e:HEV」ではないために新車の販売台数が限られ、中古車を輸出する業者の間で奪い合いが生じています。その結果、3年後の査定額が新車価格を上まわりました。3年乗っても買った値段と同じか、それより高い査定額がついている計算になりますが、これは特殊な例です。
「e:HEV」を搭載する売れ筋グレードの「e:HEV Z」は、3年後のリセール率が87.6%です。
3年後の中心的なリセール率は78〜88%なので、CX-30の68〜72%に比べて有利な条件で売却できます。
| 順位 | グレード | 平均リセール率 |
|---|---|---|
1位 | 「G 4WD」(ガソリン) | 134.0%※ |
2位 | 「G」(ガソリン) | 124.3% |
3位 | 「e:HEV Z」 | 87.6% |
4位 | 「e:HEV X」 | 85.9%※ |
5位 | 「e:HEV PLaY」 | 84.6%※ |
6位 | 「e:HEV X」4WD | 80.8%※ |
7位 | 「e:HEV Z」4WD | 78.1%※ |
5年落ち・4〜5万km(2021年式)|現行型のみで集計、「G 4WD」が135.6%
ヴェゼルの発売は2021年なので、5年落ちには現行型と先代型が混在します。ここでは現行型のみを対象とするため、2021年式のデータを集計しました。
そうなると3年後と同様、ノーマルガソリンエンジンを搭載する「G 4WD」のリセール率が、活発な中古車輸出によって135.6%に達します。業者間の競争でリセール率が高値になる場合、3年落ちでも5年落ちでも数値に大差はありません。
そしてヴェゼルで売れ筋になる「e:HEV Z」のリセール率は77.1%で、「e:HEV Z」4WDは72.0%、「e:HEV PLaY」は79.2%です。「e:HEV」勢の中心的なリセール率は72〜79%なので、5年落ちなのにCX-30の3年落ちと同等か、それよりも少し高いです。
| 順位 | グレード | 平均リセール率 |
|---|---|---|
1位 | 「G 4WD」(ガソリン) | 135.6%※ |
2位 | 「G」(ガソリン) | 120.2%※ |
3位 | 「e:HEV PLaY」 | 79.2%※ |
4位 | 「e:HEV Z」 | 77.1% |
5位 | 「e:HEV X」 | 73.1%※ |
6位 | 「e:HEV X」4WD | 72.4%※ |
7位 | 「e:HEV Z」4WD | 72.0%※ |
ヴェゼルはリセール率で優位、ただし「G 4WD」はリスクも
したがって高値で売却できる資産価値の高いコンパクトSUVが欲しいなら、ヴェゼルを選ぶと良いです。
ただし「G 4WD」の高いリセール率は中古車輸出に支えられたもので、いつまで続くかは読めません。グレードは買い得度や用途に応じて「e:HEV」から選ぶと良いです。
ヴェゼルの主力「e:HEV Z」は3年落ちでも87.6%、CX-30も2.0Lガソリンなら68〜72%と、コンパクトSUVのリセール率は堅調でした。
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買い得グレードとやめとけグレード
次は両車の買い得グレードと、やめとけグレードを選びます。
CX-30の買い得グレード|「20G」と「25エアーエディション」
買い得グレードは、CX-30では2種類あります。
価格を抑えたいなら、2.0Lエンジンを搭載する「20G」(297万円/2WD)です。ハイビーム状態を保ちながら対向車の眩惑を抑える「アダプティブLEDヘッドライト」、リアゲートの電動機能などを標準装着しています。そしてアルミホイールのサイズは18インチに拡大されます。そのうえで2WDの価格は300万円を下まわります。
予算に余裕があるなら、「25エアーエディション」(352万円/2WD)がベストです。2.5Lエンジンを搭載して動力性能に余裕があり、装備も充実しています。
「25エアーエディション」では、2.0Lエンジンを搭載する「20エアーエディション」(319万円)の装備内容に「360°ビューモニター」、ステアリングヒーター、運転席の電動調節機能、前席のシートベンチレーション機能、ルーフレール、「BOSEサウンドシステム」などを加えています。
これらの装備を価格に換算すると約33万円で、「25エアーエディション」と「20エアーエディション」の価格差と同額です。装備差を価格換算すると、「25エアーエディション」は500ccの排気量を無料で増加したことになります。
以上のようにCX-30の買い得グレードは、2.0Lの「20G」と2.5Lの「25エアーエディション」です。
一方、「やめとけ」グレードは「20C」(264万円/2WD)です。価格は安いですが、安全性を高めるドライバーモニタリングなどをオプションでも装着できません。
| 目的 | グレード(2WD) | 価格(税込) |
|---|---|---|
| 価格を抑えたい | 「20G」 | 297万円 |
| 装備の充実 | 「25エアーエディション」 | 352万円 |
| やめとけ | 「20C」 | 264万円 |
ヴェゼルの買い得グレードは「e:HEV Z」
機能と価格のバランスで選ぶヴェゼルの買い得グレードは、ハイブリッドの「e:HEV Z」(2WD/326万8100円)です。「ブラインドスポットインフォメーション(後方の並走車両を検知する安全装備)」や「アダプティブドライビングビーム(ハイビーム走行時に対向車などの幻惑を抑える機能)」などを標準装着して、価格を割安に抑えています。
ヴェゼルのリセール率では「G 4WD」が高いです。ただしこの数値は中古車輸出という特殊な需要に支えられたもので、輸出需要が続く保証はありません。そのため資産価値を目的に「G 4WD」を選ぶことはおすすめできず、この意味でやめとけグレードになります。
| 目的 | グレード | 価格(税込) |
|---|---|---|
| 機能と価格のバランス◯ | 「e:HEV Z」(2WD) | 326万8100円 |
| やめとけ | 「G」4WD | 275万8800円 |
残価設定ローンの残価はCX-30がわずかに上まわる|3年後55%対53%
安く使うなら、残価設定ローンの利用も効果的です。
ヴェゼルの場合、3年後の残価(残存価値)は新車価格の53%です。5年後は40%です。
CX-30は、3年後の残価が55%、5年後は41%です。
CX-30のリセール率は、前述の通りヴェゼルよりも低いですが、残価設定ローンの残価はわずかに上まわります。CX-30は販売促進のために、実際の資産価値以上に、残価を高めたのです。
その差は3年後で2ポイント、5年後で1ポイントとわずかですが、CX-30の残価設定ローンは実際の資産価値に比べて残価が優遇され、利用価値も高いといえます。
| 車種 | 3年後の残価 | 5年後の残価 |
|---|---|---|
| マツダ CX-30 | 55% | 41% |
| ホンダ ヴェゼル | 53% | 40% |
残価設定ローンについて詳しく知りたい方はこちらの記事も合わせてご覧ください。
実用性と走行性能を比較
実用性を比べるとヴェゼルが優れています。
後席の広さはヴェゼルがCR-V並み
身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先空間は、CX-30は握りこぶし1つ半ですが、ヴェゼルはLサイズSUVのホンダ CR-Vと同等の2つ半に達します。
後席にもゆったりと快適に座れます。
荷室の使い勝手|燃料タンク位置がヴェゼルの強み
ヴェゼルは燃料タンクを前席の下に搭載するため、後席を床面へ落とし込むように小さく格納できます。この時には床の低いボックス状の空間になり、荷物をタップリ積めます。
さらに後席の座面を持ち上げると、後席のドアから背の高い荷物を積むことも可能です。
走行性能はCX-30の方が上質
実用性はヴェゼルが圧倒的に高いですが、CX-30は走行性能が優れています。
ステアリングホイールを回し始めた時から、車両の進行方向が正確に変わり、運転感覚が上質です。
後席が狭い代わりにペダル配置は最適で、ドライバーの体格にピッタリと合った運転姿勢に調節できます。
まとめ|重視するポイント別のおすすめは?
売却時の資産価値を最優先するならヴェゼルです。売れ筋の「e:HEV Z」は3年落ちで87.6%、5年落ちでも77.1%を保ち、CX-30の68〜72%(3年落ち)を上まわります。
月々の負担を抑えたいならCX-30も有力です。残価設定ローンの残価は3年後55%、5年後41%で、ヴェゼルをわずかに上まわります。
後席や荷室を使うならヴェゼル、走りの質を求めるならCX-30です。ヴェゼルは後席の膝先空間がCR-V並みで、後席を床下へ格納して背の高い荷物も積めます。CX-30は操舵に対する車両の動きが正確で、運転姿勢もきちんと決まります。
買い得グレードは、CX-30が「20G」と「25エアーエディション」、ヴェゼルが「e:HEV RS」です。用途と予算に合わせて選び分けましょう。
乗り換えるクルマが決まったら! まずは今の愛車を査定
CX-30とヴェゼル、狙う1台が見えてきたら、次に気になるのが乗り換えの予算です。次のクルマの値引き額よりも、いまの愛車がいくらで売れるかの方が、支払い総額への影響は大きくなります。
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