ダイハツ「ラガー」復活ってホント!? 昭和のダイハツ タフト・ロッキー・ラガー…実は時代の先を行っていたダイハツ製小型SUVの知られざる歴史を振り返る

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未だに留まるところを知らないSUVブーム。この波に乗じてなのか、ダイハツから往年の車名「ラガー」を背負ったモデルが登場するいうウワサも耳にするほど。確かにダイハツは昨年6月に軽クロスオーバーSUVの「タフト」をリリースしているが、これも過去にダイハツがリリースしていたSUVにつけられていた名前のリバイバルだったため、そういったウワサが流れているのかもしれない。そう、2019年11月登場の小型SUV「ロッキー」もリバイバルネームだ。

実際にラガーが復活するかどうかはさておき、実はダイハツは意外にも古くからSUVを多くリリースしているメーカーでもある。そこで今回はそんなダイハツの小型SUVの歴史を紐解いてみたい。

目次[開く][閉じる]
  1. 50年前にこのデザインは斬新過ぎる!「ダイハツ フェローバギィ」[1970年]
  2. 45年以上前にジムニーのライバル車があった!?「ダイハツ タフト」[初代・1974~1984年]
  3. 復活に期待大!「ダイハツ ラガー」[1984~1997年]
  4. 初代エスクードの対抗馬だった「ダイハツ ロッキー」[初代・1990~1997年]
  5. 小型車版に加え軽自動車仕様も用意されたコンパクトSUVの先駆け「ダイハツ テリオス/テリオスキッド」[1997~2012年]
  6. テリオスの後継車として登場した「ダイハツ ビーゴ」[2006~2016年]

50年前にこのデザインは斬新過ぎる!「ダイハツ フェローバギィ」[1970年]

これをSUVと呼ぶのかどうかは微妙なところだが、レジャーを楽しむための乗り物という意味では紹介しないわけにはいかないのが1970年4月から100台限定で販売されたフェローバギィだろう。

ビーチバギー風のルックスを持つフェローバギィは、フェローのトラック版であるフェローピックアップのボディにFRPのボディを載せたもので、登録上は2名乗車で後部に150kgの荷室を持つ軽トラック扱いとなっていた。

そのため駆動方式もベース車と同じFRであり、タイヤもオフロードタイヤではなかったため、あくまでその雰囲気を楽しむものとなっていた。そこはメーカーも分かっていたのか、当時の販売地域は北海道や東北といった降雪地域を除いたものとなっていたのであった。

45年以上前にジムニーのライバル車があった!?「ダイハツ タフト」[初代・1974~1984年]

初代タフトは1974年に登場した小型四輪駆動車であり、当時の四輪駆動車は軽自動車のジムニーか、大柄なボディを持つランドクルーザーやパトロール、ジープのみという極端なラインナップだったため、その間を埋める車種として登場したもの。

当初はダイハツ製の直列4気筒958ccOHVのFE型エンジンが搭載されていたが、76年のマイナーチェンジでトヨタ製の1.6Lエンジンを搭載した「タフト・グラン」が追加された。

そして78年にはダイハツ製の2.5Lディーゼルエンジンもラインナップされ、1Lエンジンは消滅。81年にはレジントップモデルも追加し、82年にはディーゼルエンジンを2.8Lへと排気量を拡大するなど改良が加えられ、84年には後継車種となるラガーへバトンタッチした。

なお、初代タフトは1980年3月からトヨタへ「ブリザード」としてOEM供給がなされていたが、こちらはタフトにはラインナップされていない2.2Lのディーゼルエンジンが搭載されていた。

復活に期待大!「ダイハツ ラガー」[1984~1997年]

タフトの後継車種として1984年4月に登場したのがラガーだった。タフトと同じくラダーフレームを持つ本格的な四輪駆動車ではあったが、無骨なタフトに比べて市街地での使用も考慮したモデルへと進化しており、特にレジントップモデルに関してはフロアパンまで異なるものを使うなど、より乗用車志向が強まっていた。

当初は4輪ともリジットのリーフスプリングを採用していたが、1993年4月のマイナーチェンジではフロントがダブルウィッシュボーン/トーションバーの独立式、リアも5リンクコイルへと足回りが大きく改められ、全幅1780ミリとなる大型オーバーフェンダーを備えるグレードも登場している。

その一方でエンジンは当初から2.8Lのディーゼルターボエンジンのみとなっており、ガソリンエンジンがラインナップされることはなかった。

初代エスクードの対抗馬だった「ダイハツ ロッキー」[初代・1990~1997年]

1988年にリリースされ、スマッシュヒットを記録したライトクロカン、スズキ エスクードの成功を受けて、欧州市場向けにリリースされていた「フェローザ」を日本向けにリファインして販売したのがロッキーである。

ラガーと同じくラダーフレームを採用していたが、ライトクロカンというキャラクターもあってバンモデルや幌モデルは存在せず、レジントップは脱着可能でオープンエアモータリングを楽しむことができる点もウリとしていた。

またエンジンもエスクードと同じ1.6Lのガソリンエンジンを搭載し、強力なライバルになるかと思われたのだが、欧州向けに開発されたロッキー(フェローザ)には当初ATがラインナップされておらず、全車5速MTのみだったのだ。

登場から2年後の92年3月にようやく4速ATを追加するが、残念ながらエスクードとの差は埋めることができなかった。

小型車版に加え軽自動車仕様も用意されたコンパクトSUVの先駆け「ダイハツ テリオス/テリオスキッド」[1997~2012年]

ラガー及びロッキーの後継車種として1997年4月に発売されたテリオスは、それまでのラダーフレームではなく、モノコックボディを持ったモデルとして登場。

翌98年10月にはテリオスをベースとして軽自動車枠内にボディサイズを収めたテリオスキッドも登場している。

普通車登録のテリオスはオーバーフェンダーやドアパネルによって全幅を拡大しているが、リアオーバーハングは普通車専用として伸ばされており、リアクォーターウインドウが備わる点が外観の最も大きな識別点となる。そのため、荷室スペースはテリオスキッドよりも大きく向上していた。

搭載されるエンジンはこのクラスでは珍しく縦置きレイアウトで、テリオスは1.3Lの4気筒、テリオスキッドは660ccの3気筒エンジンを採用。テリオスは当初NAのみだったが、2000年にターボモデルを追加。一方のテリオスキッドは全車ターボエンジンで、インタークーラー付きとインタークーラーなし(2006年8月に廃止)が存在している。

なお、テリオスは2006年1月に後継車種のビーゴとバトンタッチする形で終売し、テリオスキッドは2012年5月まで生産が続けられた。

テリオスの後継車として登場した「ダイハツ ビーゴ」[2006~2016年]

テリオスの後継車種として2006年1月に登場したビーゴはトヨタとの共同開発車であり、トヨタからは「ラッシュ」の名前で販売された。ただ、日本国外では引き続きテリオスの名前で販売されていることから見ても、実質的には2代目テリオスと言っても過言ではないだろう。

ビーゴもテリオスと同じく縦置きエンジンのレイアウトで、後輪駆動もしくは後輪駆動をベースとした4WDをラインナップ。エンジンはターボ仕様が消滅しているが、排気量が1.3Lから1.5Lへと拡大され、不足ない動力性能を発揮していた。

また、このクラスの車両には珍しく5速MT仕様が4WDモデルにラインナップされていたが、2013年の改良で廃止。翌2014年10月には2WDモデルも廃止され、2016年3月を持って販売を終了した。

これにより、2019年11月に新たな小型クロスオーバーSUVのロッキー(2代目)が登場するまで、ダイハツのSUVは空位となっていたのだった。

実はまだあるダイハツ小型SUVシリーズ

今回紹介したモデルのほかにも、ミラをベースにSUVテイストをプラスしたミラRV-4や、軽クロスオーバーSUVの元祖? とも言えるネイキッド、トールワゴンのキャスト アクティバなど、SUV風味をプラスした車両が多いダイハツだけに、新型ラガーの登場もあながちウワサだけではないのかもしれない……?

[筆者:小鮒 康一/撮影:ダイハツ工業]

ダイハツ/ロッキー
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新車価格:
166.7万円234.7万円
中古価格:
76.8万円282.8万円

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小鮒 康一
筆者小鮒 康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後に急転直下でフリーランスライターへ。国産旧車に造詣が深いが、実は現行車に関してもアンテナを張り続けている。また、過去に中古車販売店に勤務していた経験を活かし、中古車系の媒体でも活動中。最近では「モテない自動車マニア」の称号も獲得。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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