ホンダ 「アコードハイブリッド」/「アコードプラグインハイブリッド」新型車速報
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上級セダンでありながら軽自動車トップクラス並みの低燃費30.0km/L(JC08モード)を実現
1999年に発売された「インサイト」を皮切りに、「シビック」、「フィット」、「フリード」などの主力車種にハイブリッド技術を積極的に登用してきたホンダは、上級セダンの「アコード」にハイブリッドシステムを搭載した新型「アコードハイブリッド」を2013年6月21日より発売すると発表した。
「調和」という意味を持つ「アコード」は1976年の誕生以来、世界のセダンの指針となり続けている。初代発売から40年近く経過し、自動車を取り巻く環境が大きく変わる中で、人と車との関係だけでなく、社会のこと、地球のことにまで深く思いを巡らせなければクルマは存在できない時代になってきた。
そんな中、未来を切り開くセダンとして改めて世に送り出された新型「アコードハイブリッド」は、新たに開発されたハイブリッドシステムを搭載し、大柄なボディを持つ上級セダンでありながら、30.0km/L(JC08モード)というクラストップレベルの燃費性能を実現した。
先日発売された軽自動車の日産 「DAYZ(デイズ)」と三菱 「ekワゴン」の燃費が29.2km/L(JC08モード)ということを考えると、これ以上の数値を上級セダンで実現させたということがどれだけスゴイか、ということがおわかりいただけるだろう。
新開発のハイブリッドシステムである「SPORT HYBRID(スポーツハイブリッド)i-MMD」は、走行用モーターと発電用モーターの2つのモーターを内蔵した電気CVTに加え、回生した電力を効率よく蓄えられるリチウムイオンバッテリーを組み合わせている。
従来の「インサイト」などが1モーター式のシンプルなシステムだったことを考えると、ホンダのハイブリッド車に対する考え方も大きく変化したことがわかる。
「アコードハイブリッド」では、「EV」「ハイブリッド」「エンジン」の3つのドライブモードを組み合わせ、状況に応じて最も効率の良いモードを自動的に選択することが可能になった。
また、徹底した風洞実験による空力性能の向上はもちろんのこと、ボンネットなどにアルミ製部品を採用したりテストコースでの徹底した作り込みにより、軽量で高剛性なボディーを実現し、低燃費・静粛性・走りの質感にすべてを満たすクルマに仕上がったという。
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安全性能の面では、ミリ波レーダーにより衝突を未然に防ぎ軽減するCMBS(衝突軽減ブレーキ)も今回大きく進化。
天候に左右されにくいという従来からの特長に加え、対向車検知・作動車速の拡大・警報の充実により安全性を大きく向上させている。
本田技研工業 代表取締役社長の伊東氏は、 「プリウスやアクアのハイブリッドシステムで先行しているトヨタを意識してはいないが、自動車の進化におけるハイブリッドシステムの技術向上は意識している。さらなるCO2削減が求められる状況で、トヨタも他のどのメーカーにおいても、燃費を大きく向上させ、なおかつ走行性能も向上させる技術競争はますます激化していくだろう。ホンダは小型・中型・大型の各クラスに適したハイブリッドシステムを開発してきたという面で有利になるという自信を持っている」と語った。
今回の2モーターハイブリッドシステムのi-MMDを搭載したアコードハイブリッドを皮切りに、1モーターでありながらEV発進可能なi-DCDを搭載した小型車、運動性能を高めた3モーターSH-AWD搭載の大型車・スポーツカーを順次国内市場に投入していくという。
優れた燃費性能を実現しながら、走る楽しさを高い次元で両立する新世代ハイブリッド車のラインナップの充実と強化をはかっていく予定だ。
「アコードハイブリッド」の価格は「LX」が365万円、「EX」が390万円(消費税込)、シリーズ合計月間販売台数は1,000台を目標にしている。
家庭用電源から充電できるプラグインハイブリッド(PHV)も同時発売
新型「アコードハイブリッド」をベースにし、家庭用電源からの充電を可能にした新型「アコードプラグインハイブリッド」も同時に発表された。
新型「アコードプラグインハイブリッド」は「SPORT HYBRID(スポーツハイブリッド)i-MMD」の特性を活かし、大容量のリチウムイオンバッテリーと組み合わせ、日常走行のほとんどをEV走行できるプラグインハイブリッドシステムを搭載。70.4km/L(JC08モード)という超低燃費を実現した。
「アコードプラグインハイブリッド」は助手席側のタイヤハウス上部に充電口が備えられているのと、専用のアルミホイール設定されているが、それ以外のデザインは「アコードハイブリッド」ほとんど同じ。
こちらは1グレードで価格は500万円(消費税込)。
当面は法人企業や官公庁を中心にリース販売をし、年内を目処に個人向けにもリース販売を開始する予定となっている。
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