【2台対決】BMW 新型X3 vs. ボルボ 新型XC60 どっちが買い!? 売れ筋・最新輸入SUVを徹底比較!(3/3)

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BMW 新型X3 vs. ボルボ 新型XC60|安全装備比較

先進安全の分野において、BMWとボルボを世界的に見てもトップを走っているメーカーである。

それだけに今回のX3とXC60は、最近注目されているADAS(=運転支援)系の装備に関しては、クラスの中でも最も充実しているレベルにあると言って良いだろう。

特にボルボ XC60に関しては、先代モデルにおいて、完全停止する自動ブレーキを日本市場で初めて採用する国交相の認可を得た経緯がある。

その意味では日本市場における先進安全装備の扉を開いた功績があるモデルだ。

一方で新型X3は今回、「前車接近警告機能」「衝突回避・被害軽減ブレーキ」「レーン・ディパーチャー・ウォーニング」など3つの機能を含んだ、「ドライビング・アシスト」を新たに標準装備した上で、既に7シリーズや5シリーズで採用されているハンドル制御までアシストするステアリング&レーンコントロールアシストなどの機能を有する「ドライビング・アシスト・プラス」もオプション設定されている。

新型XC60も負けておらず、特にステアリングの支援が充実しているのが特徴。例えば通常のアダプティブクルーズコントロール(ACC)で前走車に追従する際にステアリングをアシストする他に、何らかの要因(例えばよそ見など)で対向車線に出てしまった際、対向車との衝突を防ぐよう強制的に自車線へ引き戻すオンカミング・レーン・ミティゲーションや、レーンチェンジする際に後方から走行車両が迫っていて衝突の可能性があると判断するとやはり元の車線へ引き戻すステアリングアシスト付きBLIS(ブラインド・スポット・インフォメーション・システム)等も備えている。

また自動運転でレベル2に分類される自動運転技術である「パイロット・アシスト2」が標準装備されているのもポイント。今までのパイロット・アシストは、前方に車両がいて/車線が認識されている状況でのみ作動しており、上限速度が50km/hだったが、最新版のパイロット・アシスト2では、上限速度が140km/hとなった上に、前方に車両がいなくても車線が認識できていれば、車線内維持のためのステアリング操作が行われる進化を果たした。そしてこれらが全て標準装備されている点で、BMWを凌いでいるといえるだろう。

BMW 新型X3 vs. ボルボ 新型XC60|価格比較

X3とXC60の価格設定だが、X3 xDrive20dは662万円からとなり、今回試乗したM Sportは710万円となる。

一方でXC60は599万円からとなり、X3と比べると約60万円リーズナブルなスターティングプライスを持つ。ただ今回試乗したXC60 T5 AWDはフロント・ベンチレーション機能付きナッパレザーシートなど装備充実のインスクリプションと呼ばれる上級グレードで679万円となり、X3との差は約30万円となっている。

ただし興味深いのは、XC60の場合T5(ガソリン)とD4(ディーゼル)の同グレードの価格が全く同額となっている点だ。BMW X3で見てみると、X3 xDrive20i M Sport(ガソリン)は687万円で、ディーゼルに対し23万円の価格差がある。標準装備の充実ぶりを含め、全体に新型XC60は戦略的な価格設定となっていることが見て取れる。

なおM Sportに相当するXC60のグレードとしては、スポーティな内外装や専用サスなどが与えられたD4 AWD R-Design(2018年春~納車予定・D4ディーゼルのみでT5ガソリン車には設定なし)が存在し、その価格が649万円となっている。こちらはX3に対し61万円も安い点も見逃せない。D4の試乗車が用意されたら、ぜひ改めて直接比較を試みたいところだ。

BMW 新型X3 vs. ボルボ 新型XC60|どっちが買い!?

実際にX3とXC60の2台を今回乗ってみて、同じクラスのSUVながらも実に個性の異なる2台だと感じた。

やはりX3はBMWがもともと持っているスポーティさがしっかりと表現されており、SUVでありながらも走りに関しては駆け抜ける歓びを体現したものとなっていた。

そう考えるとたとえSUVを選んでも、走りの良さを満喫したい、という向きにはこちらがオススメといえるだろう。

一方でXC60はというと、生活をともにする相棒としての魅力が強く表現されているように感じた。

例えば内外装のデザインに関しても、独自のセンスで持つ喜びを表現しており、豊かな生活に彩りを添えてくれる1台という印象がある。また走りに関しても、伝わってくる印象としては、ドライバーが走りたいという意思を見せた時には爽快さを見せてくれるし、疲れているのでクルマに任せたいという時には、徹底的に邪魔をしない黒子になる。そんな感覚を覚えた、つまり常に生活に寄り添う道具としての立場をとっている印象だ。

そしてこのあたりの感覚は、ユーザーの好みによって別れてくるところではあるが、XC60は以前のモデルに比べると、確実にX3を始めとしたドイツ系SUVとも真正面から比較される1台となっており、このクラスの選択肢にますます花を添える1台になっていることも間違いない。

[レポート:河口 まなぶ/Photo:小林岳夫]

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BMW X3/ボルボ XC60 動画レポート[提供:LOVECARS!TV!]

ボルボ XC60 動画レポート

BMW X3 動画レポート

BMW 新型X3 vs ボルボ 新型XC60 主要スペック表

BMW 新型X3 vs ボルボ 新型XC60 スペック比較表
車種名 BMW X3 ボルボ XC60

グレード

BMW X3 xDrive20d M Sport

ボルボ 新型XC60 T5 AWD Inscription

駆動方式

4WD

4WD

トランスミッション

8速AT

8速AT

価格(税込)

7,100,000円

6,790,000円

JC08モード燃費

17.0km/L

12.6km/L

全長

4,720mm

4,690mm

全幅(車幅)

1,890mm

1,900mm

全高(車高)

1,675mm

1,660mm

ホイールベース

2,865mm

2,865mm

乗車定員

5名

5名

車両重量(車重)

1,860kg

1,830kg

エンジン

直列4気筒DOHC16バルブ
ディーゼル直噴ターボ

直列4気筒DOHC16バルブ
ガソリン直噴ターボ

排気量

1,995cc

1,968cc

エンジン最高出力

140kW(190PS)/4,000rpm

187kW(254PS)/5,500rpm

エンジン最大トルク

400Nm(40.8kgf-m)/1,750-2,500rpm

350Nm(35.7kgf-m)/1,500-4,800rpm

燃料

軽油

無鉛プレミアムガソリン

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河口 まなぶ
筆者河口 まなぶ

1970年生まれ。大学卒業後、出版社のアルバイトをしたのちフリーランスの自動ライターとなる。1997年に日本自動車ジャーナリスト協会会員となり、自動車専門誌への寄稿が増え、プレイステーション「グランツーリスモ」の解説も担当。現在、自動車雑誌を中心に一般誌やwebで自動車ジャーナリストとして活躍。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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