ボルボ 新型XC60 T5 AWD試乗&評価|ベストセラーボルボの2代目が日本で発売開始(1/2)

  • 筆者: 山本 シンヤ
  • カメラマン:小林 岳夫・ボルボカージャパン

”XC60”が2代目へと刷新、2017年10月いよいよ日本でも発売開始

2009年に登場したクロスオーバーSUVの初代XC60は、デザインや走りでも従来のボルボを覆すイメージとミディアムクラスのSUV市場人気が相まって世界中で高い人気を誇り、今やボルボの年間生産台数の約3割を占める基幹モデルへと成長した。日本にも同年に導入され、日本初の“完全停止”するエマージェンシーブレーキが採用されたモデルでもある。当時、日本はエマージェンシーブレーキに対して懐疑的な姿勢だったが、ボルボの熱心な説得に認可が下りたと聞く。その後、スバルのアイサイトが登場し、エマージェンシーブレーキ普及が始まるのだが、そのキッカケはボルボが作ったのである。

ただ、当時の関係者に話を聞くと、「XC60にはエマージェンシーブレーキレスと言う仕様がなく、認可されないと日本で発売ができなかったので、とにかく必死でした」と語る。

結果として8年のロングセラーとなったが、パワートレイン/ドライブトレインはもちろん、シャシーも着実に進化・熟成が行なわれており、日本ではモデル末期となる2017年1-8月の販売も前年比を超えたそうだ。

そんなベストセラーボルボが2代目へと刷新。今年3月に開催されたジュネーブショーで世界初公開されてから約7か月、2017年10月16日に日本での発売がスタートされた。

>>美しい内外装・・・新型XC60の魅力を画像ギャラリーでもっと見る

主張を強めたデザインで新型XC60のスポーティさを表現

”小さいXC90”ではない、新型XC60独自のキャラクターを確立したエクステリア

新しいボルボXC60のエクステリアは、新型XC90の流れを踏襲したロングノーズ化、ショートオーバーハング化された次世代ボルボデザインを採用するが、小さなXC90ではなくXC60独自のイメージをプラス。フロント周りはより主張を強めたグリルや、トールハンマーがモチーフポジションランプもヘッドライトを突き抜けたデザインでスポーティさを表現。

サイドはXC90ではエレガント路線でプレーンな面構成なのに対し、XC60はフェンダーやドアに削り出したような表現が盛り込まれ、短い全長も相まって力強く筋肉質なイメージとなっている。

ただ、不思議なのは初代XC60とはプロポーションもパッケージも全然違うのに、どことなく共通性を感じたことだ。つまり、初代のいい所はシッカリと受け継がれている。

ボディサイズは全長4690×全幅1900(1915)×全高1600mm、ホイールベース2865mmで、実はサイズは初代から大きく変わっていない。

>>ボルボ XC60のカタログを見る

細部にまで注目したい、新型XC60の美しいインテリア

インテリアは縦型タッチスクリーンを中心に置く水平基調のインパネ周りはXC90やS90/V90の流れに沿ったデザインだが、よりコクピット感が強められたイメージ。

実は次世代ボルボデザインを表現したコンセプトカー3部作の一台である「クーペコンセプト」を忠実に再現されているそうだ。細かい部分では独特な風合いのアッシュウッドパネルや“隠しスウェーデン”など細部にも注目だ。

ボルボ新型XC60のメカニズムは何から何まで全て新しく生まれ変わった

ガソリンとディーゼル、直列4気筒2LターボのDrive-Eパワートレインがデフォルト設定

パワートレインは全て4気筒の2Lの「Drive-E」を搭載。「T5 AWD」は254ps/350Nmを発揮するターボ、「T6 AWD」は320ps/400Nmを発揮するターボ+スーパーチャージャーのツインチャージャー、「T8 TWIN ENGINE AWD」にはツインチャージャーに87ps/240Nmのモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド、そして「D4 AWD」は190ps/400Nmのディーゼルターボと豊富にラインアップ。トランスミッションは全て8速ATの組み合わせとなる。

ちなみにT6 AWDとD4 AWDは来年3月より納車開始予定となっている。

独自開発のボルボ SPAプラットフォームを90シリーズに続き採用

プラットフォームはXC90に代表される90シリーズ譲りのSPA(スケラブル・プロダクト・アーキテクチャ)。サスペンションはフロント・ダブルウィッシュボーン/リア・マルチリンクの組み合わせだが、ミドルクラスの60系には初採用だ。もちろん、ボディサイズが小さく軽量なXC60に合わせて最適化されている。また、車高調整可能でアクティブダンパー仕様の四輪エアサスペンションも選択可能(T8 TWIN ENGINEは標準)。タイヤはグレードによって異なり、Momentum(モーメンタム)が18インチ、Inscription(インスクリプション)が19インチ、そしてインスクリプションのT8 TWIN ENGINEが20インチを履く。更にスポーティグレードのR-Designはスポーツサスペンション+21インチタイヤの専用スペックが奢られる。

ボルボが世界に誇る先進安全性能、新型XC60でさらに進化

ボルボが世界に誇る先進安全性能は「新シティセーフティ」が採用されるが、XC90よりもバージョンアップ。

新たに追加されたのは、車両への衝突がブレーキ制御だけで不足したと判断した場合、運転者が回避行動を取った際にステアリング回避をサポートするように内側ブレーキを作動させる「ステアリングサポート」やACC機能をドライブモードに合わせて特性を変える「ECO ACC」などがプラスされている。

ボルボ/XC60
ボルボ XC60カタログを見る
新車価格:
739万円1,019万円
中古価格:
39.5万円884.9万円
ボルボ/V60クロスカントリー
ボルボ V60クロスカントリーカタログを見る
新車価格:
699万円764万円
中古価格:
111.8万円603万円
ボルボ/V60
ボルボ V60カタログを見る
新車価格:
619万円999万円
中古価格:
29万円961万円
1 2 次へ

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

山本 シンヤ
筆者山本 シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し。「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“解りやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。西部警察は子供時代にリアルでTV放送を見て以来大ファンに。現在も暇があれば再放送を入念にチェックしており、当時の番組事情の分析も行なう。プラモデルやミニカー、資料の収集はもちろん、すでにコンプリートBOXも入手済み。現在は木暮課長が着るような派手な裏地のスーツとベストの購入を検討中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

ボルボ XC60の最新自動車ニュース/記事

ボルボのカタログ情報 ボルボ XC60のカタログ情報 ボルボの中古車検索 ボルボ XC60の中古車検索 ボルボの記事一覧 ボルボ XC60の記事一覧 ボルボのニュース一覧 ボルボ XC60のニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる