コダワリのFRミドルクラスセダン 徹底比較(1/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:島村栄二
かつて、「アッパーミドルセダン」と呼ばれたクルマが、1980年代から90年代にかけて、国内販売のボリュームゾーンとなっていた。しかし今では、かわってミニバンがそのポジションの大半を占め、セダンはスポーツカー並みに「コダワリ」を持って乗るべきクルマとなった。
そこに新型スカイラインが登場した。スカイラインというと、昔は日本を代表する名車として名をはせたクルマ。しかしスカイライン、実は昔から「名車」と「不作」を行き来してきた経緯がある。3代前のR33、先々代のR34、先代V35と不作が続き、一時は消滅まで噂されたほどとなってしまった。また、R34まではずっと国内専売モデルだったところ、V35からはインフィニティブランドのミドルセダンを、日本では「スカイライン」として販売される運びとなった。これによりスカイラインは新時代を迎え、V35はスカイラインとして是か非かという大きな論議を呼び起こしたのも記憶に新しい。とやかくいわれた先代V35だったが、V36を見るにつけ、「これからのスカイラインはこれでいく」という日産の意思表示と意気込みが感じられる。
内容的には全面的に一新されており、見た目の印象ほどV35との共通点はない。そして、日産の開発陣と話す機会があると、V36の出来に大いに自信を持っていることがヒシヒシと伝わってくるのだ。今のところ国内外の販売面でも好調の様子で、各種メディアの反応もいつになく好意的のよう感じられる。
そして、海外ではスカイライン=インフィニティG35と真っ向勝負のライバル関係にあるのがレクサスISだ。2005年秋に鳴り物入りでデビューし、2006年9月に一部改良されたばかり。高価なモデルにつき、あまり町で見かけることはないが、小さいながらも非常に存在感があり、たまに見るとやはり気になる1台であることには違いない。
マークXは、もともと日本国内でスカイラインと好敵手の関係にあるマークⅡの後継モデル。時代は変わったが、価格帯もパッケージングも、今でもライバル関係にあることは変わらない。今回は、あえて売れ筋の2.5Lモデルのスポーティグレード「Sパッケージ」を持ち込んだ。現在、日本国内で好調に売れているセダンというと、ゼロ・クラウンとこのマークXぐらいであり、あらためてマークXの実力をチェックしたいと思う。
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