ダッジ ナイトロ 試乗レポート
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:原田淳
JEEPのノウハウを吸収したスパルタンSUV
ダッジと同じグループのクライスラーやジープも、以前から本国アメリカの市場だけでなく、欧州などの海外市場での拡大を意識してきた。ダッジのナイトロは、ジープのクルマづくりのノウハウを生かしてつくられたSUV。アメリカではミドルクラスのSUVは珍しい存在だ。このサイズ感が欧州だけでなく、アメリカ本国でも受け入れられ、ヒット作になっている。
パートタイム4WDだが、新開発のフロントとリアのサスペンションは、オンロードでのコーナリングや乗り心地のレベルを高め、オフロードでの走破力を向上させている。
日本でのダッジブランドは、今年6月に華ばなしく再デビューした。ディーラーネットワークも全国に展開中。クライスラーやヤナセのネットワークで購入できる。
日本向けのモデルはSE、SXT、R/Tの3グレード。エンジンはいずれもV6、3.7L+4速AT。すべて右ハンドル仕様を用意している。
日本で受け入れられるアメリカンデザイン
ナイトロの人気の秘密のひとつは、エクステリアのデザインだ。
ダッジは、アメリカでもちょいワルなイメージのモデルを揃え、30~50代のユーザーの人気を集めている。このナイトロもフロントマスクは、ダッジの特徴である十字グリルを中心に、左右のフェンダーを大きく張り出させ、ボンネットも高くした。このワイルド感は最近のSUVにはないデザイン。日本の旧型ランドクルーザーをイメージさせる。
ボディサイズも、ハイラックスサーフのように大きくはない。ホンダCR-Vよりも全長6cm、全幅4cm、全高は10cm大きい、というサイズ。日本の道でも試乗したが、大きさに関しての不便さは感じなかった。
インテリアは色気はなく、実用性重視。しかしMP3やWMA対応のオーディオや前倒しでフラットになる助手席など、便利な装備が付いている。最上級のR/Tはレザーシートも標準、カーゴルームも使い勝手は良かった。
オススメはSE 意外にもスマートな乗り心地
V6、3.7L+4速AT+パートタイム4WDの組み合わせは全グレード共通。試乗はベースグレードのSEで行なった。
スタートは後輪駆動の2WDを選択。Dレンジで走り出すと、いかにもアメリカ車らしい低回転域からの太いトルクを体感できる。ちょっと驚いたのは、乗り心地だ。見た目はスパルタンなSUVだが、低速域では上下動がしなやかで硬くないのだ。これは車速を高めても同じで、ゴツゴツした感触は来ない。
ナイトロはSEが235/70R16、SXTが235/65R17、R/Tは245/50R20というサイズのタイヤを装着している。このなかで乗り心地のよいのは16インチタイヤのSEなのだ。
ハンドリングも、コーナーでのロールはやや大きめだが、不安はない。SUVとしてはスポーティな部類に入る。ただしブレーキペダルの踏力は重めだ。
4WDの走破力はジープ譲りなので、こちらも安心感がある。ただし本格的なオフロードは、車重が重めなので無理は禁物だ。
見た目と裏腹 怖い顔したデキるヤツ
ナイトロの楽しさは、遊び心のつまった室内装備だ。とくにリアのラゲッジスペースは、スライド式のボードがSXTとR/Tに標準で用意されている。このボードは重さ180㎏までの物を積んでスライドできる。さらにSEでは、ラゲッジスペースのカーペットがリバーシブルになっている。片側はカーペット、反対側はプラスチック製なので、使用目的によって使い分ければよい。
アクアラングをはじめ、アウトドア用具でも、汚れや濡れているものを収納することの多い人にはとても便利。
安全装備もABS、ESPをはじめブレーキアシストが装備されているほかに、横転を防ぐERM(エレクトロニック・ロール・ミーティング)も装備できる。
車両価格はベーシックなSEで329万7000円。できることなら300万円を切った価格のグレードもほしかった。そうすれば国産SUVからの乗り換えも気軽に行なえるに違いない。
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