ホンダ N-BOXの実燃費はどのくらい? ライバル車との燃費も比較

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N-BOXは、広い室内と使いやすさで人気の軽自動車です。しかし、購入検討時に気になるのは実際の燃費性能ですよね。

この記事では、N-BOXのカタログ燃費と実燃費を紹介。燃費に影響を与える要因やライバル車との比較、N-BOXが選ばれる理由もご紹介。購入検討中の方は必見です!

目次[開く][閉じる]
  1. ホンダ N-BOXとは?
  2. ホンダ N-BOXのWLTCモード燃費(カタログ燃費)
  3. ホンダ N-BOXの実燃費
  4. ライバルとの燃費比較
  5. 燃費はライバル車からわずかに劣るものの、N-BOXが売れている理由
  6. まとめ

ホンダ N-BOXとは?

ホンダ N-BOXは、2017年から現在に至るまで、国内新車販売台数で常に上位にランクインする人気の軽自動車です。

現行モデルは2023年10月に発売された3代目です。その人気の理由は、全高1700mmを超える背の高い車体にスライドドアを備えた「スーパーハイトワゴン」という軽自動車のカテゴリーが、市場で高いニーズがあること、そしてN-BOXがそのスーパーハイトワゴンの機能を徹底的に追求した設計にあると言えるでしょう。

N-BOXは、エンジンルームの効率的な設計と軽自動車としては最長のホイールベースにより、大人4人がゆったりと過ごせる居住性を実現しています。

その結果、軽自動車とは思えない広々とした室内空間が特徴で、子供が立ったまま移動できるほどの室内高を確保。子育て世代を中心に幅広いユーザーから支持されています。

N-BOXのタイプ

N-BOXには、標準ボディ、カスタム、ジョイの3つのタイプがあり、それぞれ外観デザインが異なります。

N-BOXのタイプ

・標準ボディ:ベーシックで使いやすいモデル

・カスタム:エアロパーツを装着したスポーティモデル

・ジョイ:SUV風の外観とチェック柄の内装が特徴

標準ボディは、親しみやすいベーシックなデザイン、カスタムはエアロパーツを装着したスポーティなデザイン、ジョイはSUV風でアクティブな印象を与えるデザインとなっています。

N-BOXのボディサイズ

N-BOXのボディサイズは、全長3395mm、全幅1475mm、全高1790〜1815mm(駆動方式により異なる)、ホイールベース2520mmです。どのタイプもボディサイズは共通です。

車種全長全幅全高ホイールベース
N-BOX

3395

1475

1790〜1815

2520

アルト

3395

1475

1525

2460

N-ONE

3395

1475

1545〜1570

2520

単位はmm。

N-BOXは、軽自動車の中でも特に全高が高い車種です。セダンタイプのスズキ アルトと比較して265〜290mm高く、同じホンダの軽自動車シリーズであるN-ONEと比較しても245mm高いです。

このようにN-BOXは背が高い分、車内の居住空間が広く、快適性に優れています。しかし、全高が高いことは空気抵抗の増加にも繋がり、燃費が悪化しやすいという側面も持ち合わせています。

N-BOXのエンジン種類

N-BOXには、自然吸気のノーマルエンジンと、力強いターボエンジンの2種類のエンジンが設定されています。

ノーマルエンジンは標準ボディにのみ搭載され、カスタムとジョイではターボエンジンも選択可能です。

N-BOXの駆動方式

N-BOXの駆動方式には2WD(前輪駆動/FF)と4WDの2種類が設定されています。

標準ボディ、カスタム、ジョイのすべてで2WDと4WDが選択可能です。

ホンダ N-BOXのWLTCモード燃費(カタログ燃費)

N-BOXのWLTCモード燃費は、18.4〜21.6km/Lです。

WLTCモード燃費は、市街地、郊外、高速道路の各走行モードを組み合わせた、より実燃費に近い国際的な燃費測定方法です。

タイプ別、エンジン別、駆動方式別のWLTCモード燃費は以下の通りです(スロープ仕様を除く)。

タイプエンジン駆動方式燃費
標準ボディ

ノーマル

2WD

21.6km/L

4WD

19.4km/L

カスタム

ノーマル

2WD

21.5km/L

4WD

19.4km/L

カスタム

ターボ

2WD

20.3km/L

4WD

18.4km/L

ジョイ

ノーマル

2WD

21.3km/L

4WD

19.3km/L

ジョイ

ターボ

2WD

20.2km/L

4WD

18.4km/L

N-BOXの燃費性能は、いくつかの要素によって変動します。その主な要因は、タイプ(グレード)による装備の違い、エンジンの種類、そして駆動方式です。

タイプによる装備の違いと車重

N-BOXには、標準ボディの他に、カスタムやジョイといった異なるタイプが存在します。これらのタイプは、外観デザインや装備品にも違いがあります。

例えば、標準ボディに比べて車両重量が10〜30kg重いカスタムには、専用のエアロパーツやアルミホイールなど、標準モデルよりも多くの装備が搭載されています。これらの追加装備が車両重量の増加に繋がります。

車両重量は燃費に直接影響する要素であり、重いほど燃費は悪化する傾向にあります。

エンジンの種類

N-BOXには、ノーマルエンジンとターボエンジンの2種類が用意されています。

ノーマルエンジンは燃費性能を重視した設計で、穏やかな加速が特徴です。街乗り中心の方や、燃費を最優先に考える方に向いています。

一方ターボエンジンは力強い加速と、高速道路での余裕のある走りが魅力です。ノーマルエンジンに比べてパワーがある分、燃費性能はやや劣る傾向にあります。長距離移動が多い方や、坂道での走行が多い方に向いています。

駆動方式

2WD(前輪駆動/FF)はエンジンの動力を前輪のみに伝える方式です。構造がシンプルで軽量なため、4WDに比べて燃費が良いのが特徴です。主に市街地を走行し、雪道などをあまり走らない方に向いています。

4WD(四輪駆動)はエンジンの動力を四輪全てに伝える方式です。雪道や悪路での走行安定性に優れていますが、2WDに比べて駆動系の部品点数が多く、車両重量も増えるため、燃費はやや劣ります。

雪道を走行する機会が多い方や、アウトドアレジャーなどで悪路を走行する方に向いています。

ホンダ N-BOXの実燃費

実際の走行条件下で測定されたN-BOXの実燃費データを見てみましょう。ユーザーから投稿された実際の燃費データを収集・集計し、公開しているウェブサイト「e燃費」に掲載されているデータによると、N-BOXの実燃費は以下の通りです。(2025年3月時点)。

WLTCモード燃費はホンダオフィシャルサイトの情報をまとめたものです。

エンジン種類駆動方式WLTCモード燃費実燃費(平均)
ノーマル

2WD

21.3~21.6km/L

16.62km/L

4WD

19.3~19.4km/L

13.56km/L

ターボ

2WD

20.2~20.3km/L

15.47km/L

4WD

18.4km/L

15.71km/L

上記のように、実燃費はカタログ燃費(WLTCモード燃費)よりも若干低い傾向にあることがわかります。

WLTCモード燃費は、定められた条件下での測定値ですが、実燃費は実際の道路状況(渋滞、坂道、信号の多さなど)、運転スタイル(急発進、急加速の頻度)、エアコンの使用状況、積載量など、さまざまな要因によって変動します。そのため、どうしてもWLTCモード燃費よりも低い数値となります。

4WDシステムの影響(特にノーマルエンジン)

ノーマルエンジンの4WDモデルは、燃費の低下が顕著です。これは、4WDシステムが常時作動することでエンジンの負荷が増加し、より多くの燃料を消費するためです。

エンジンによる運転の違い

軽自動車のノーマルエンジンは、加速時や登坂時など、パワーが必要な場面でアクセルを強く踏み込む傾向があります。高回転域までエンジンを回すことで、燃費が悪化しやすくなります。

ターボエンジンは、低回転域から十分なトルク(駆動力)を発生させることができます。 そのため、ノーマルエンジンほどアクセルを踏み込まなくてもスムーズに加速でき、結果として燃費の悪化をある程度抑えることが可能です。

2WDと4WDの燃費差が比較的小さいのはこの特性による部分が大きいと言えるでしょう。

ライバルとの燃費比較

N-BOXのライバル車として、スズキ スペーシア、ダイハツ タント、三菱 デリカミニのカタログ燃費を比較してみましょう。

いずれも全高が高いスーパーハイトワゴンに分類される軽自動車です。

エンジン・駆動方式N-BOXスペーシアタントデリカミニ
ノーマル
2WD

21.3~21.6

23.9〜25.1

21.9〜22.7

20.9

ターボ
2WD

20.2~20.3

21.9

21.2

19.2

ノーマル
4WD

19.3~19.4

22.4

21.4

19.0

ターボ
4WD

18.4

19.8

19.6

17.5

単位はkm/L。

スズキ スペーシア

スズキ スペーシアのWLTCモード燃費は19.8〜25.1km/Lです。

N-BOXと同様、標準ボディとカスタム、SUV風のスペーシアギアの3種類のタイプが設定されています。

スペーシアはマイルドハイブリッドシステムを搭載しているため、燃費性能は最も優れています。

タイプエンジン駆動方式燃費
標準(HYBRID G)

ノーマル

2WD

25.1km/L

4WD

22.4km/L

標準(HYBRID X)

ノーマル

2WD

23.9km/L

4WD

22.4km/L

カスタム

ノーマル

2WD

23.9km/L

4WD

22.4km/L

カスタム

ターボ

2WD

21.9km/L

4WD

19.8km/L

ギア

ノーマル

2WD

23.9km/L

4WD

22.4km/L

ギア

ターボ

2WD

21.9km/L

4WD

19.8km/L

ダイハツ タント

ダイハツ タントのWLTCモード燃費は19.6〜22.7km/Lです。

タントもN-BOXと同様、標準ボディとカスタム、SUV風のタントファンクロスの3種類のタイプが設定されています。

タントはノーマルエンジンとターボエンジンの2種類で、N-BOXと同様ですが、N-BOXよりも若干燃費が良いです。

タイプエンジン駆動方式燃費
標準

ノーマル

2WD

22.7km/L

4WD

21.4km/L

標準

ターボ

2WD

21.2km/L

4WD

19.6km/L

カスタム

ノーマル

2WD

21.9km/L

4WD

21.4km/L

カスタム

ターボ

2WD

21.2km/L

4WD

19.6km/L

ファンクロス

ノーマル

2WD

21.9km/L

4WD

21.4km/L

ファンクロス

ターボ

2WD

20.6km/L

4WD

19.6km/L

三菱 デリカミニ

三菱 デリカミニのWLTCモード燃費は17.5〜20.9km/Lです。ガソリンエンジンとターボエンジンの2種類があり、GとGプレミアム、TとTプレミアムの4つのグレードがありますが、それぞれ燃費は共通となります。

上記に挙げたスペーシアやタントとは異なり、SUV風のデザインのモデルのみですが、撥水生地のシートなどアウトドアでの使用も想定した使い勝手の良さや広々とした室内空間を兼ね備えており、人気があります。

グレードエンジン駆動方式燃費
G

ノーマル

2WD

20.9km/L

4WD

19.0km/L

T

ターボ

2WD

19.2km/L

4WD

17.5km/L

燃費はライバル車からわずかに劣るものの、N-BOXが売れている理由

N-BOXは、燃費性能ではライバル車にわずかに及ばない点はあるものの、それを補うだけの多くの魅力を持っています。N-BOXが売れている理由としては、以下のような点が挙げられます。

N-BOXが売れている理由

・室内空間の広さ

・運転のしやすさ

・走行安定性の高さ

・内装とシートの使いやすさ

・荷室の使い勝手の良さ

室内空間の広さ

N-BOXは軽自動車でありながら広い室内空間を誇り、室内高も1400mmあるため、子どもが立ったままでも移動できるほどの高さがあります。

またホイールベースも軽自動車で最長の2520mmであることから、足元の空間が軽自動車のスーパーハイトワゴンの中でも最大級です。

運転のしやすさ

N-BOXはボンネットが見やすく、ボディの先端や車幅も把握しやすいのが特徴です。

14インチタイヤを装着した標準ボディ、カスタム(ノーマルエンジン仕様)、ジョイであれば最小回転半径は4.5mと小さく、取り回しが楽なので運転しやすいでしょう。

走行安定性の高さや安全装備の充実

走行安定性もスーパーハイトワゴンでは優れた部類に入ります。

特に現行モデルは、小さな操舵角から正確に反応して運転感覚が上質になりました。後輪の接地性が高く、軽自動車のスーパーハイトワゴンとしては安定性も優れています。

衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能など、安全装備も充実しています。

内装とシートの使いやすさ

N-BOXの内装は水平基調のデザインで、上端の位置が低く、小柄なドライバーも前方が見やすい設計です。また、ATの操作レバーやエアコンのスイッチが高い位置に配置され、操作性に優れています。

前席は適度な柔軟性があり、後席も十分に広い空間が確保されています。ただし、後席の座面はやや短いため、長身の人は注意が必要です。

荷室の使い勝手の良さ

N-BOXは、燃料タンクを前席下に配置することで、荷室の床が低く、重い荷物も積みやすい設計になっています。

後席の背もたれを倒すと、広大な荷室が出現し、自転車などの大きな荷物も積載可能です。

まとめ

N-BOXは、広い室内空間と優れた走行性能を兼ね備えた、幅広い層におすすめの軽自動車です。特に、基本性能が高く、運転時の不満が少ない点が魅力です。

ライバル車もそれぞれ独自の魅力と燃費性能を持っており、スーパーハイトワゴンは選択肢が豊富です。

燃費性能を重視する場合は、カタログ燃費だけでなく、実燃費も参考にしながら、試乗して乗り心地や運転感覚などを比較検討することをおすすめします。

【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:茂呂 幸正/MOTA編集部】

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新車価格:
173.9万円247.5万円
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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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監修者MOTA編集部

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