BMW M5試乗│いつの時代も驚きをもたらすハイパフォーマンスカー(1/2)

いつの時代もM5には驚かされる

6世代目へとフルモデルチェンジを果たしたBMWのハイパフォーマンスサルーン「M5」に、日本の道で触れることができたので紹介しよう。

思い返せば、いつの時代もM5には驚かされる。記憶に新しいところでは、2004年の先々代モデルでは、F1参戦で培われた技術で作り上げられた最大出力500馬力の大台にのった排気量5リッター V10エンジンを、手軽に誰もが一般道で楽しめるモデルとして驚かされた。2011年の先代モデルでは、圧倒的な速さに、これまたノーマルモデルを超えるレベルの快適性を同居させているシャーシ技術に驚かされた。

そして今回もまた、驚きがあった。それはMモデル初の4輪駆動「M xDrive」の採用。そして後に述べる、これまたMモデル初の装備類の採用だ。

>>BMWのハイパフォーマンスサルーン「M5」を画像でチェック(47枚)

ハイパフォーマンスカーらしい勇ましい音を奏でる

今回もまた一見すると5シリーズのMスポーツモデルに見間違ってしまうほど、さりげなく控えめに迫力を増す程度の専用外装だ。メルセデスのAMGモデルのように派手に仕上げたほうが反響があると思うが、性能をひた隠すような飽きのこない本質追求のMモデルの姿勢は、今の時代においても変化はない。

しかし、エンジンをかけた瞬間こそ、触媒を早く温めて排ガスを綺麗にするためにも、若干回転数は高めになり排気音も野太くハイパフォーマンスカーらしい勇ましい音を奏でるようになった。

だが触媒の早暖モードが終わると、そこからはいつも通りの紳士。流石に閑静な住宅街で、早朝や深夜に帰ってきて気付かれないレベルにはならないが、アクセルを踏み込まなければ近所の目を気にせず使える。

ランフラットタイヤを使用するノーマルの5シリーズでも乗り心地が良いが、ダンピングに多少の硬さが生じるランフラットではなくノーマルタイヤを選択するMモデルの乗り心地が良いのは、改めて説明する必要もないだろう。

しかし、これだけは言わせてほしい。4輪駆動になり、後輪だけでなく前輪が効率よくクルマを引っ張ってくれるおかげで、停止状態から発進時に先代ではググッと後ろに傾いていた姿勢変化が劇的にフラットに収まっている。それは乗り比べたら誰もがわかるレベルで、突き上げの有無や走行振動の有無、そして振動収束の速さ、さらいは静かさなど、今までの価値観での快適性も磨かれているが、さらに一つ、姿勢変化の少なさという武器を手に快適性を洗練させてきた。

新型には歴代モデルでは一切採用してこなかった運転支援装備を搭載

これだけでも十分だが、もう一つ驚きが。それは運転支援関連の装備をフル採用してきたことだ。

実はMモデルはクルーズコントロールなど、クルマ側からの運転支援分野の装備を一切採用してこなかった。今の時代の価値観に合わせたのだろう、今回からハンドル支援からレーダークルーズコントロールなど、“5シリーズ同様の“ほぼ”レベル2自動運転機能を搭載してきたのだ。

この手のモデルのオーナーは、絶えず速く走りたいとか、自分で運転したいと思っているわけではないという市場の声が届いたのだろうか…。何にせよ喜ばしい判断だ。ちなみに今回はツインクラッチではなく、トルクコンバーターのATを採用。そこにロックアップを用いてツインクラッチ風に使っているが、穏やかにアクセル操作をするとATらしい穏やかな速度変化も可能にする。

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五味 康隆
筆者五味 康隆

自転車のトライアル競技で世界選手権に出場し、4輪レースへ転向。全日本F3選手権に4年間参戦した後、モータージャーナリストとしての執筆活動を開始。高い運転技術に裏付けされた評論と、表現の解り易さには定評がある。「持続可能な楽しく安全な交通社会への貢献」をモットーとし、積極的に各種安全運転スクールにおける講師を務めるなど、執筆活動を超えた分野にも関わる。また、環境分野への取り組みにも力を入れており、自身でハイブリッド車も所有。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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