SUVらしさを強調したトヨタ 新型RAV4は2019年・春 日本導入予定【ニューヨークショー2018】

実はトヨタが草分け的存在

昨今、世界的なブームの乗用車派生のクロスオーバーSUV。実はトヨタがその先駆け的存在だった事はあまり知られていない。

1982年に登場したスプリンターカリブに続いて、1994年に登場した「RAV4」は「乗用車の乗りやすさ」と「SUVの安心感」を両立。その後、ホンダ CR-V、日産 エクストレイル、スバル フォレスターなど、RAV4と同じコンセプトのモデルが登場したのは言うまでもないだろう。

RAV4は2000年に2代目、2005年に3代目が登場。しかし、2013年に登場した4代目は日本市場に投入されず、3代目が2016年まで継続販売された。一方で海外向けは非常に高い人気を誇り、特に北米では近年長年ベストセラーだったカムリを超える販売台数を記録している。

歴代RAV4と異なりSUVらしさを強調したデザイン

そんな中5代目となる新型は見た目も中身も大きく刷新して登場。

全体的なフォルムは昨年のニューヨークショーでお披露目されたコンセプトカー「FT-4X」のイメージが受け継がれており、八角形がモチーフの個性的なフロントマスク、クラッディングを強調させたサイド周り、ボディのワイドスタンス化や前後オーバーハング低減など、歴代RAV4と異なりSUVらしさを強調したデザイン。

SUV本来の『力強さ』、『頼れる相棒』を再定義

一方、インテリアは水平基調のインパネと骨太なセンターコンソール、エクステリア同様に多角形のモチーフや硬質素材/ソフトパッドの上手な使い分けなどにより、SUVらしい機能性を演出。シンプルなデザインだが質感は高くクラスレスな印象を受ける。

チーフエンジニアの佐伯禎一氏は「クロスオーバーSUVが当たり前になった今、改めて『SUVとは何なのか?』と考え直す必要がありました。そこでSUV本来の『力強さ』、『頼れる相棒』を再定義して再出発する……と言った想いで開発を行ないました。」と語る。

つまり、トレンドを追うのではなくSUVとしてのRAV4を追求したと言うことである。

今回は高級な「リミテッド」、スポーティな「XSE」、SUVテイストをより強調させた「アドベンチャー」と3つのスタイルを用意。

しかし、このクラスは様々なコンペティターが存在する。気になる存在は?

「よく聞かれるのですが、あまり考えていません。考えると自分がやりたい事がブレてしまうので……。なので『RAV4として何ができるか?』に注力しました。」

AWDを含めて走りの部分を徹底して見直し

では、新型で目指した事は何だろうか?

「内外装は解り易くシンプルに、そして強いメッセージ性を持たせました。ボディサイズは大きくすることより『大きく見せる』ことに注力したので、4代目とサイズはあまり変えていません。一方、RAV4の『4』は四駆なので、どのような路面状況でも安定して走らせるため、AWDを含めて走りの部分を徹底して見直しをしています。」

設定されるハイブリッドは、結果的にエコだよね……と言うイメージ

パワートレインはガソリン/ハイブリッドをラインアップ。ガソリンはカムリで採用済みのダイナミックフォースエンジン(直列4気筒2.5リッター直噴)+8速AT、ハイブリッドはこのエンジン+モーターの組合せだ。

「ハイブリッドは燃費よりもドライビングファンに振っていて、スポーティグレード(HSE)として設定しています。結果的にエコだよね……と言うイメージですね。」

走りに一番こだわった

プラットフォームはカムリが用いているGA-Kプラットフォームがベースだ。

「4代目はカローラ系が中心のMCプラットフォームを使用していましたが、新型は上級モデルのアイテムを用いることで、性能に余裕ができ、結果としてより高いレベルの走りを実現させることができました。」

ちなみにAWDシステムはRAV4独自仕様で、ガソリンの上級モデルに前後だけでなく後輪の左右駆動力配分も最適制御させる「ダイナミックトルクベクタリングAWD」、ハイブリッドは後輪の最大トルクを1.3倍に増加させた「新型E-Four」を採用する。

「安心して気楽に、疲れずに走れることを狙いました。その為、ドライバーが狙ったところにスーッと向かうキッチリとしたクルマにするべく、弊社の評価ドライバーのトップガンにかなり協力してもらいました。やはりステアリングを切った時、加速/減速の気持ち良さはデータではなく感性の部分が大事なので、一番こだわった部分です。」

走りにこだわったトヨタのクロスオーバーSUVと言えば、ニュル24時間にも参戦したC-HRがあるが、RAV4も期待していい!?

日本向けは来年の春くらいに計画

そんなRAV4は世界戦略モデルとしてワールドワイドで展開されるが、気になるのは2016年で止まってしまった日本市場への再導入があるのか? ないのか? である。

「実は日本向けは来年の春くらいに計画をしています。現在は家族で、夫婦で、一人と言った『多様性』が求められています。RAV4は来年25周年を迎えますが、次の25年に向けて再挑戦と言った気持ちでいます。」

[Text:山本 シンヤ/Photo:トヨタ自動車]

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山本 シンヤ
筆者山本 シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し。「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“解りやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。西部警察は子供時代にリアルでTV放送を見て以来大ファンに。現在も暇があれば再放送を入念にチェックしており、当時の番組事情の分析も行なう。プラモデルやミニカー、資料の収集はもちろん、すでにコンプリートBOXも入手済み。現在は木暮課長が着るような派手な裏地のスーツとベストの購入を検討中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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