トヨタ プリウスPHV(プラグインハイブリッド)試乗レポート/渡辺陽一郎(3/3)

トヨタ プリウスPHV(プラグインハイブリッド)試乗レポート/渡辺陽一郎
トヨタ プリウスPHV(プラグインハイブリッド)試乗走行シーン1 トヨタ プリウスPHV(プラグインハイブリッド)試乗走行シーン2 トヨタ プリウスPHV(プラグインハイブリッド)試乗走行シーン3 トヨタ プリウスPHV(プラグインハイブリッド)試乗走行シーン4 トヨタ プリウスPHV(プラグインハイブリッド)試乗走行シーン5 トヨタ プリウスPHV(プラグインハイブリッド)フロント トヨタ プリウスPHV(プラグインハイブリッド)リア トヨタ プリウスPHV(プラグインハイブリッド)フロント トヨタ プリウスPHV(プラグインハイブリッド)リア トヨタ プリウスPHV(プラグインハイブリッド)サイド トヨタ プリウスPHV(プラグインハイブリッド)フロントマスク 画像ギャラリーはこちら

プリウスよりも燃費が良い、プリウスPHVの「ハイブリッド走行」

トヨタ プリウスPHV(プラグインハイブリッド)試乗走行シーン5
トヨタ プリウスPHV(プラグインハイブリッド) エンジンルームトヨタ プリウスPHV(プラグインハイブリッド)試乗走行シーン4

いろいろ注文を付けたが、プリウスPHVの運転感覚はとても快適だ。

驚いたのは、モーターのみで走らせている状態でも、十分な動力性能があること。アクセルを深く踏み込めばエンジンが始動するが、いわゆる巡航状態であれば、時速100kmまでモーター駆動でカバーできる。

少しアクセルを踏み増すと、モーター駆動とあって時間差を置かずに駆動力が立ち上がり、滑らかに速度を高める。リーフほどパワフルではないが、70~80%くらいのパワーは出ている印象で不満は感じない。

モーターはベース車のプリウスと同じ。「ここまで性能を引き出せるのか」と感心した。そして前述のように20kmほど走ると、ブルルンとエンジンが始動。普通のハイブリッド車になってしまう。

「電気が終わっちゃった…」という一抹の寂しさがよぎり、日曜日の夕方、「サザエさん」のエンディングテーマを聴いた時のような気分になった。しかし、この寂しい時の訪れを長引かせることもできる。

トヨタ プリウスPHV(プラグインハイブリッド) センターコンソールトヨタ プリウスPHV(プラグインハイブリッド) 3つのモードスイッチ

HV(ハイブリッド)とEV(電気自動車)の切り替えスイッチだ。

例えば自宅の近くにインターチェンジがあり、発進直後に高速走行をする場合、EV状態で走ったのではもったいない。低速で走る時こそ、モーター駆動の効力が発揮され、充電した電気を有効活用できるからだ。

そこで自宅を出発する時は「HVモード」。目的地の周辺で高速道路を降りた時に「EVモード」を選べば、充電した電気をムダなく使える。

今のところドライバーが自分で操作するが、将来的には自動選択にして欲しい。例えば、カーナビで目的地を設定すると、渋滞情報なども加味して、オイシイところだけEV走行になるような仕組みだ。

開発者に尋ねると、「今のカーナビのデータでは、高低差や勾配は検知していない。登降坂のデータも加えれば、EVとHV走行を自動的に選別して走ることも可能になる」とのことだった。

また、プリウスPHVの購入を考えるならば、充電が切れてハイブリッド車として走る時の燃費も気になる。

電池のリチウムイオン化と充電機能の追加で、車両重量はベース車のプリウスよりも60~70kgほど重いが、ハイブリッド走行時の燃費は悪化しないのか。

トヨタ プリウスPHV(プラグインハイブリッド)タイヤ&アルミホイールトヨタ プリウスPHV(プラグインハイブリッド)タイヤ「ブリヂストン ECOPIA EP150」

実際はむしろ逆で、ハイブリッド走行時は、ベース車のプリウスSやGが30.4km/L(JC08)に対し、プリウスPHVの同グレードは31.6km/L(JC08)になる。

燃費が良いワケは、リチウムイオン電池はハイブリッド走行時でも減速時の回生による充電効率が高く、195/65R15サイズのタイヤ(ブリヂストン・エコピアEP150)も、専用タイプになるからだ。空気圧は前輪が2.5kgf、後輪が2.4kgfだから高い部類に入る。エコ指向のタイヤとなれば走行安定性や乗り心地が懸念されるが、運転感覚は上質だ。

特に乗り心地は、PHVを含む全てのプリウスが昨年のマイナーチェンジによりスポット溶接の箇所を増やすなどテコ入れされており、重厚感が伴う。

操舵に対する反応も曖昧ではない。ボディの後部にリチウムイオン電池を搭載し、60~70kgの重量増加分の約80%(50kg前後)は後輪荷重に加わるが、主に後輪車軸の前側が重くなったからコーナリング時でも慣性の影響を受けにくい。後輪の接地性も、十分に確保されている。開発者によれば、「リチウムイオン電池の搭載に伴う補強も多少は奏効している」とのことだ。

プリウスは優れた燃費を達成しており、マイナーチェンジを経て、走行安定性、操舵感、乗り心地も向上させた。この素性の良さを生かし、充電機能を加えたのがプリウスPHV。電気自動車として走れる距離は短いが、ハイブリッド車のプリウスに「プチ電気自動車」の機能を加えたと考えれば、選ぶ余地もありそうだ。

スマートフォンを使えば、エコ運転のスコアなども表示できる。EV/HVの切り替え機能を含め、「運転する面白さ」で選ぶ手もあるだろう。

前へ 1 2 3

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

トヨタ プリウスPHVの最新自動車ニュース/記事

トヨタのカタログ情報 トヨタ プリウスPHVのカタログ情報 トヨタの中古車検索 トヨタ プリウスPHVの中古車検索 トヨタの記事一覧 トヨタ プリウスPHVの記事一覧 トヨタのニュース一覧 トヨタ プリウスPHVのニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる