スバル 新型WRX STIの目玉を垣間見た!新DCCD搭載のプロトに先行試乗(2/2)
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:SUBARU
雪上の特設コースで現行モデルのDCCDと徹底比較した!
前置きが長くなったが、今回、北海道の千歳モーターランドで開催された「スバルAWDオールラインナップ雪上試乗会」のハンドリングコースで、現行DCCD搭載のWRX STI(青)と、新DCCDを搭載したプロトタイプの開発車両(赤)に試乗することができた。
開発車両には新DCCD以外にも2018モデルに採用予定のブレンボ製モノブロックキャリパーが装着されていたが、それ以外の部分は現行モデルと同じ。タイヤはブリヂストンのスタッドレス、ブリザックVRXを履く。
誰でも、より奥深い走りが愉しめる仕様へ
今回は違いをチェックするために、どちらもセンターデフはAUTO、VCDはトラクションモードで走行を行なった。もちろん、どちらもフロントタイヤのグリップを意識しながらセオリー通りに乗る限りは、どちらも面白いように曲がるしコントロール性も高いのだが、違いを一言で言えば、新DCCDのほうが曲がるキッカケを作りやすい。
例えばアクセルオフで進入する下りコーナーに同じ速度で進入してみると、現行モデルはアンダーオーバーな挙動になりがちだが、新DCCDは操舵初期の回頭性が引き上げられているのが一目瞭然で、ノーズがスッとインに入ってからリアが反応するのでクルマの挙動も自然で安定している。
スバルのデータでは雪上での横向き加速度が増えているようだが、フロントタイヤをより曲げる方向に使えるようになった証拠だ。また、現行モデルで「サイドブレーキでキッカケを作りたい」と思うようなコーナーでも、新DCCDは「そのまま曲がれるな・・・」と思うくらい。当然、無駄なステアリング操作も減るのでドライビングも“楽”である。
もちろん、VDCを完全OFFにすればどちらもスライドさせて自在に操って走る奥深い楽しさが味わうことが可能だが、現行モデルは「ある程度AWDの走らせ方を知っている」と言う条件が付くのに対し、新DCCDは「誰でも」味わえる制御に仕上がっている。つまり「懐が深い走り」に進化しているのだ。
新型「WRX STI」(D型)の登場が待ち遠しい!
今回は新DCCDのみの体感だったが、この制御に加えて、新型インプレッサの開発で培われた技術やノウハウが盛り込まれたサスペンション+19インチタイヤ&ホイールが組み合わされた新型「WRX STI」(D型)はどのような走りを実現しているのか? 非常に楽しみである。
[レポート:山本シンヤ/Photo:SUBARU]
この記事にコメントする