スバル 新型クロスオーバー「XV」(新型インプレッサXV) 新型車解説(2012年9月フルモデルチェンジ)(2/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
200mmという余裕の最低地上高と優れた使い勝手の高さ
スバル 新型インプレッサXVの最低地上高だが、200mmと余裕がある。レガシィアウトバックと同じ数値で、本格的なSUVと比較しても見劣りしない。
新型インプレッサXVはオフロード指向のSUVではないが、最低地上高に余裕があればデコボコを乗り越えやすい。
雪道やキャンプ場などの未舗装路も安心して走れる。その一方、ルーフレールを装着しない仕様の全高は1,550mm。立体駐車場の利用性にも配慮されている。
新型インプレッサXVの外観はインプレッサスポーツをベースとしながら、見栄えはかなり異なる。ホイールアーチやボディの下まわりには樹脂製のグラッディングを装着。野生的な雰囲気を醸し出す。
17インチサイズのアルミホイールも専用デザインとなった。
居住空間や荷室の広さはインプレッサスポーツと同じだが、新型インプレッサXVでは最低地上高を200mmに設定したことで着座位置が60mmほど高まり、乗降時には腰の移動量が少ない。レガシィアウトバックと同様、乗り降りがスムーズに行える。
新型インプレッサXVの装備で注目されるのは、新たに「アイサイト・バージョン2」を設定したこと。
車両に2つのCCDカメラを装着。その画像データを高速で解析し、衝突の危険が迫るとドライバーに警報を発する。衝突不可避と判断された時には、自動的にブレーキを作動することも可能だ。
車間距離を自動制御するクルーズコントロールの機能も備わり、高速道路などではペダル操作を行わずに巡航できる。
新型インプレッサXVのグレード構成は、ベーシックな2.0i(219万4500円/税込み)、2.0i-L(236万2500円)、2.0i-Lアイサイト(246万7500円)の3タイプで、いずれも4WD。インプレッサスポーツ(2.0i-Sアイサイト [233万1,000円])と比較して、価格上昇は約11万円に抑えられた。
スバル 新型インプレッサXVのグレード構成
2.0i/2,194,500円
2.0i-L/2,362,500円
2.0i-L EyeSight/2,467,500円
※エンジン、ミッション、駆動方式は全グレード同一
[ エンジン ] 2.0L 水平対向4気筒DOHCエンジン/[ トランスミッション ] リニアトロニックCVT/[ 駆動方式 ] AWD
インプレッサスポーツの実用的な機能に200mmの最低地上高とアクティブな外観を加えた新型インプレッサXVは、注目の選択肢になるだろう。
日常的に便利に使えるサイズで居住性も優れ、2.0i-Lアイサイトを選べば安全性も大幅に高まる。その上で楽しい雰囲気も併せ持つ。新型インプレッサXVの優れた乗降性は、筆者のようなオジサン世代にとっても嬉しい。
また、現行レガシィアウトバックを含め、最近のSUVやSUVテイストの車種は、ボディがワイドで大柄だ。その点、新型インプレッサXVは比較的コンパクトだから、従来型のアウトバックから代替えするユーザーにも推奨できる。
新型インプレッサXVは日本の道路環境で使いやすい、数少ないSUVともいえるだろう。
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