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試乗レポート 2006/1/23 13:41

スバル インプレッサ S204 試乗レポート

関連: スバル インプレッサ Text: 河村 康彦 Photo: 原田淳
スバル インプレッサ S204 試乗レポート

STIが徹底的にこだわって開発したスーパー・インプレッサ『S204』

カタログ・モデルであるWRX STIグレードをベースに、スバルのモータースポーツ活動を統括するSTI(スバルテクニカインターナショナル)が様々な部分に渡ってより入念な手を加えた“スーパー・インプレッサ”が『S204』だ。一年前にリリースされた『S203』をたたき台としながらも「全ての部分の質感をさらに向上させる事が目標だった」というのがこのモデル。「受注を開始後1ヶ月半ほどで555台の予定台数が完売となった」というS203での前例を受け、こちらにはそれよりもやや多い600台という限定台数が設定された。

S203に比べると、フロントグリルやリアランプ周りの変更などベース車両が受けたマイナーチェンジに準じたフェイスリフトが行われてはいるものの、それ以外の見た目部分に大きな変更策は講じられていない。ちなみに、インプレッサを組み立てる群馬県の矢島工場の構内で「一度完成したベース車両の必要部分をバラし、新たなパーツを組みなおすカタチで生産される」というこのモデルの場合、購入時には架装車両としての“持ち込み登録”が必要に。また、新車保証は「ベース部分は通常のスバル車同様の扱いで、STIパーツに関しては一年間」という扱いになるという。

STIならではのこだわりのアイテムとプレミアム感

基本的には「S203で確立されたエクステリア/インテリア・デザインのテイストを継承する」のがS204のルックス。ドライカーボン製のフロント・アンダースカートや、トランクリッドの極力後端近くにマウントされたリアスポイラーの採用などにより、直進性や操安性、トラクション能力をより向上させるというエアロダイナミクスへの取り組みの手法ももちろん変わっていない。

アンダースカート同様、やはりドライカーボン製となるシェルを用いるレカロ社との共同開発によるフロントシートも、S203からのアイテムを受け継いでの採用。ただし、そのパッドの入れ方にはさらなる工夫が施され、「より一層のホールド性を得るのに成功している」という。また、目に付きにくい部分ではフロア全体に毛足の長い“マスバック付きカーペット”を用いたのもS203とは異なるポイント。「重量的には3kgほどのプラスとなるものの、ロードノイズやトランスミッション・ノイズの低減に効果が大きいので敢えて採用した」とされている。

管楽器が放つかのような惚れ惚れとするサウンドと強烈な加速力

S204の走りには、まさに『鮮烈』という言葉がピッタリ来る。ちょうど一年前に乗ったS203の鮮やかな走りもまだ記憶に色濃く残っているが、S204の走りは確かにそれを上回る上質さだ。

コンピュータのマッピング見直しにより、スペック上はS203用に対して最大トルクが1kgm増しというのがS204用のEJ20型エンジン。結果として「3000~6000rpmという領域でのトルク全般が上乗せになった」というこの心臓は、アクセルペダルの踏み込みに応じ本当に惚れ惚れとする上等な管楽器が放つかのようなサウンドと共に、強烈な加速力を味わわせてくれる。

シフトフィールに優れ、ギア比の決め方も適切な6速MTも、もちろんそんな優れた加速感に磨きをかける一因だ。「真にベストなセッティングをもう一度追い求めたかった」という理由からS203では用いられていた調整式のダンパーを廃し、タイヤやスプリングには同一アイテムを用いつつも改めて専用のチューニングが施された足回りはやはりかための設定。が、それでもボディ振動の減衰速度が一層高まりより快適に感じられたのは、どうやら新採用“パフォーマンス・ダンパー”の効果も大きいようだ。

サスペンション取り付け部にレイアウトされ、ボディへの入力を減衰させるのが、ヤマハ発動機との共同開発によるというこの新アイテムの役割。「そもそもはヤマハ発動機から富士重工に対してオファーがあり、後にSTIとの共同開発を経てS204に採用した」というのがこの一品。実際、鈴鹿サーキットに類似したレイアウトのヤマハの袋井テストコースでの走行でも、「その効果が絶大な事は明らか」と言う。

官能的で鮮烈極まるその走りのポテンシャル

まさにスバル車のDNAともされる“ドライビング・プレジャー”を際立って高いレベルで余すところなく体験させてくれるのがこのS204なるスペシャルなインプレッサ。480万円を超えるその価格はベース車であるWRX STIよりも約140万円も高い計算になるが、しかしどこをとっても官能的で鮮烈極まるその走りのポテンシャルは「そんな価格もこれなら当然」と納得させてくれるものでもある。

惜しむらくは、「すべてに高い質感を!」というこのクルマの開発コンセプトに照らしてみると、パッドの張り出しの強いシートがスマートな乗降性を許してくれなかったり、この性能でこの価格であれば国際的には標準装着で当然! と思われるスタビリティ・コントロールのシステムが用意をされていないのが奇異に思えてしまったり…といった程度のもの。これほどに飛びぬけた運動性能の持ち主には、本来この程度のプライスタグが与えられて然るべきであるはずだ。

筆者: 河村 康彦

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