中嶋大祐選手/今井優杏のあなたの愛車教えてください!(2/3)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:今井優杏
イギリスのカーライフで変わった、クルマに対する考え方
―では駆動方式のこだわりは、一般道ではさほどない、と?
場合によっては多少はあります。例えば車速の高い高速道路のランプウェイや雨の道路などです。でも一番駆動方式の違いを感じたのはやっぱりイギリスでした。ランナバウトの中です。
―ランナバウトとはロータリー式の交差点ですね。
そうです、イギリスでは規則上、60マイル(約100km/h)制限の道路の先にあるランナバウトは、同じ車速である60マイルで走っても違反ではないんです。減速の規制がないんですよ。
そういうところで踏みながら出て行くと、やっぱりFFは踏んだだけ外に膨らんでいきます。でも日本ではそれを感じられるくらい踏んだら違法ですよね(笑)
―イギリスでのカーライフはそんなに印象的でしたか?
とにかくマナーと言う意味ではイギリスのクルマ社会は成熟してますし、クルマに対する考え方もずいぶん変わりました。イギリス時代の僕のエンジニアもロードスターに乗ってて、彼の影響もあって多少不便でも趣味の色の強いクルマっていいなと思うようになりました。それが今のS2000に繋がってますね。
―イギリス時代にクルマは所有されてたんですか?
シビックのユーロRに乗っていました。で、やっぱりスポーツエンジンって素晴らしいな、と再発見もあって。
―VTECですね。
はい、それはなにも飛ばしてる時のことだけではないんです。
ちょっと高速道路で合流、とかそういうふとしたところでもスポーツエンジンは加速のワクワクを感じられます。でも完璧すぎると楽しみとしての運転が出来ないから、敢えてマニュアル車を選んだんです。
渋滞なんかはMT車って不便じゃないですか。でもギアを操作する楽しみはATでは得られない。それにこのS2000にはナビが付いてないんですけど、それも気に入ってるポイントなんです。最初から付いていれば外しはしないですけど、わざわざ買う程のものではないですね。
―それこそ、ヨーロッパではナビゲーションシステムに対する考え方が違いますよね、ほとんどがいわゆるポータブルナビ。
そうですね、防犯という意味でもポータブルが多いです。まずクルマでテレビを見ようという意識がないですね。
―それはまさに先述のランナバウトっていう道路インフラの問題も多々ありますよね、とにかく“クルマを流す”文化だから、テレビを観ている暇がない。
クルマは移動するためのモノなので、移動している間は運転しかしない。これはちょっとよくない話なんですけど(笑)、イギリスに着いたばかりのとき、制限速度がわからなくて、60km/hくらいで走っていたらビュンビュン抜かれるわけですよ。おかしいなと思っていたら、幹線道路は100km/h規制なんですよね。
僕、マジメに思うんですけど、その昔、日本の官僚が交通法規を決める視察でイギリスに行ったとき、km/hとマイルを見間違えたんじゃないか、って、そんな気がしてならないんですよ(笑)この道路とクルマの関係に関しては、いつかきっちり論文にでもしたいな、と思っている問題なんです。
クルマの個体によっても得意な速度域は変わります。たとえばシビックで曲がれたコーナーでも、CR-Vでは速度を落とさなければ曲がりきれない、とかね。
―ん?向こうでCR-Vにも乗ってたんですか?
はい、マニュアルトランスミッションで、ディーゼルエンジンだったんです。それもすごく楽しいクルマでした。だから車歴で言えば、日本でガソリンエンジン+ATのCR-V、向こうでユーロR、マニュアル+ディーゼルのCR-V、それからS2000ですね。
―だんだんスポーティになってますね。この先はNSXしかないんじゃないですか?(笑)
高すぎて手が出ないです(笑)。でもアレも後期のがカッコイイんですよね。やっぱりマイナーチェンジした後の方が好きです。
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