トヨタ パッソ グレード比較(2/4)
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:トヨタ自動車株式会社
パッソ 1.0X/価格訴求のモデルと売れ筋モデル
3気筒1リッターエンジンを搭載するパッソの「1.0X」には、標準グレードのほかにVパッケージとLパッケージの設定がある。
標準グレードとLパッケージには、FFのほかに4WDの設定もあるから合計5種類のバリエーションがある。1リッターエンジンは従来と変わらないが、改良を受けると同時にトランスミッションがATからCVTへと変更されたことで、FF車の燃費は22.5km/Lに達しており、エコカー減税75%低減&補助金の対象となった。
4WD車は燃費基準+5%なので、13年落ちの中古車を解体する場合に補助金だけが受けられる。
「1.0X Vパッケージ」は、100万円ちょうどという価格を訴求するために設けられたモデルで、ドアミラーが手動式になってオーディオレスの仕様になったり、VSC&TRCなどの安全装備をオプション装着することができなかったりと、基本的にお勧めできない。ボディカラーも一色しか設定されておらず、売る気のないグレードと思っていい。
標準グレードの「1.0X」は、Vパッケージに対して電動格納式ドアミラーやワイヤレスドアロックリモコン、オーディオなどが装備されるほか、VSC&TRCやバックモニター、HDDシンプルナビゲーションなどのオプション装着が可能になる。価格は109万円なので、これが売れ筋モデルになりそうだ。
「1.0X Lパッケージ」は、価格は120万円になるがリヤワイパー、電動格納式ドアミラーのリバース連動機能、キーフリーシステム、エアコンのオート機能&プッシュ式コントロール、助手席シートアンダートレーなどが追加される。この仕様差で標準グレードと11万円の価格差というのはちょっと微妙だ。
これらの装備の中に欲しいものがいくつかあるなら積極的に選べば良いし、そうでもないなら標準の1.0Xを選べば良い。
パッソ 1.3G/新エンジンの搭載が大きな魅力
新型パッソには1.3リッターエンジンも搭載されている。そのこと自体は従来のパッソでも同じだが、今回の1.3リッターはiQにも搭載された新エンジンだ。
1.3リッターはFF車だけの設定で、CVTとの組み合わせによって21.0km/Lへと燃費が向上した。これによってエコカー減税50%低減&補助金を受けることが可能になった。
1.3リッターエンジンの走りについてはまだ試乗で確認していないが、従来よりもわずかにパワーアップが図られ、トルクは数値的にはやや劣っている。しかし、より低回転で最大トルクを発生するようになっているから、CVTとの組み合わせによってこれまで以上の走りを示すのは間違いないだろう。
1.3リッターエンジンの搭載車は「1.3G」だけに設定されていて、「1.0X Lパッケージ」との装備の違いを見ると、タイヤサイズが13インチから14インチになることだけ。
タイヤサイズの違いは1万円程度と思われるので、Lパッケージに比べて12万5,000円高くなるのは大半がエンジンの排気量による違いだろう。標準グレードの1.0Xと比べると23万5,000円も高いので、これはあまり売れないグレードと見ている。
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