マセラティ グラントゥーリズモS 海外試乗レポート(2/2)
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:コーンズ&カンパニーリミテッド
6速AT+V8 4.7リッター、440馬力の組み合わせによる余裕の走り
その実用的な部分をさらに前面に押し出したのが、今回のグラントゥーリズモSオートマチックになる。
これまでのグラントゥーリズモ系のモデルは電子制御のMC-シフトを採用、しかもリアデフの近くにレイアウトした。車体の重量比はやや後方を重くし、コーナーでの楽しさを重視したのだ。
ちなみに前後輪への重量配分は47:53だった。オートマチックは、6速ATをフロントのエンジン側にレイアウトすることで、前後輪の重量配分は49:51にしている。
これは安定方向の配分、つまり扱いやすいAT車は、ドライビングもエキサイティングから、スタビリティの方向へと改めたのだ。
それでもマニュアルシフトモードでは、シフトダウンはマニュアル操作しないと自動的には行われないなど、スポーツ心をおろそかにするようなメカニズムは採用していないのだ。
6速AT+V8 4.7L、440馬力の組み合わせは、Nモードでも2,000回転からあり余るトルクを生感させてくれる。町中でもこれだけパワー/トルクがあると余裕で走ることができる。
MC-シフトよりもスムーズだ。Sモードはエキゾースト系の取り回しも変わるので、音にも迫力がある。 やはり、根っからのスポーツカーメーカーは、6速ATモデルといっても、ドライバーを楽しませるポイントは押さえているのだ。
グラントゥーリズモSオートマチックの追加で、このシリーズは4.2Lのグラントゥーリズモオートマチック、4.7LのグラントゥーリズモS(MC-シフト)とオートマチックの3タイプになる。
このスタイリングが好きで、乗るなら4.2LのAT。テールをコントロールしながらスポーツドライビングを楽しみたいならMC-シフト。
そして、町中では余裕のある走りを楽しみ、高速ではサウンドと加速を楽しみたいなら、4.7LのATがピッタリだ。
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