時速200kmで接触寸前の編隊走行も!エンジニアの運転スキルを高める「スバル・ドライビング・アカデミー(SDA)」(2/3)

  • 筆者: 山本 シンヤ
  • カメラマン:富士重工業株式会社・オートックワン編集部
時速200kmで接触寸前の編隊走行も!エンジニアの運転スキルを高める「スバル・ドライビング・アカデミー(SDA)」
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氷上走行から車両整備まで、SDAの内容は多岐に渡る

スバルドライビングアカデミー チーフインストラクター 藤貫哲郎氏

SDAのボスである藤貫哲郎氏は、「SDAはスキルのある人間のレベルを高めることと、彼らが核となり教育的することができる存在になってもらうことが目的です。これまで単発では実施していたのですが、シッカリと体系立てて育成を行なうという考えです。運転技能や評価スキルアップと言うとクルマの運動性能に関わる人がメインでしたが、“走る”と言う意味ではアイサイトやパワートレインの開発メンバーにも必要なスキルなので、多くの部署から集まっています」と語る。

現在、SDAの参加メンバーは20名で、講習内容はテストコースやサーキット、氷上路での走行訓練はもちろん、社外講師による“心・技・体”のレクチャー、クルマ全体を知るための車両整備など多岐に渡るそうだ。

SDAのカリキュラムを実際に体験!

スバルドライビングアカデミー(特設コースを用いたジムカーナ)
スバルドライビングアカデミー(ウエットコースでの定常円旋回)量産車とは異なる色の大きなブレーキキャリパー。これは次の改良で採用されるのだろうか!?

このSDAは社内エンジニアの育成プロジェクトなのだが、今回特別に栃木県にあるスバル研究実験センター(SKC)でSDAのカリキュラムの一部を体験することができた。

メニューは定速走行や急制動、ウエット路面を用いた定常円旋回、フラットなコースを用いたパイロンスラロームなど、まさにドライビングスクールの基礎と言える内容である。

ちなみにスクールカーはホワイトにブルーのアクセントがプラス(社内デザイナーがデザイン)されているBRZとWRX STI。

どちらも量産モデルに安全装備をプラスした仕様のようだが、実は見えない部分に未来のための先行パーツが採用されており、並行して「クルマを鍛える」役割も担っているそうだ。

実はWRX STIのスクールカーには、量産車とは異なる見慣れない色の大きなブレーキキャリパーが装着されていた。これは次の改良で採用されるのだろうか!?

時速200kmで編隊走行をこなすSDAメンバー

スバルドライビングアカデミー(高速周回路での定速走行)スバルドライビングアカデミー(高速周回路での定速走行)

最初はWRX STIで1周4.3kmの高速周回路での定速走行だ。

「指定された速度で走れるか」と単純だが、そのスピードは1回目は140km/h、2回目は180km/hと日本の一般道では体験できないハイスピード領域である。

「一定速で走るのは簡単でしょ」と思っている人も多いが、実は一定速で走る事は非常に難しい。高速道路の渋滞の名所は目に見えない上りこう配が多いのだが、その理由は路面変化に対応しながら一定速で走ることができないからである。

その後、デモンストレーションでSDAメンバーによる3台のWRX STIが200km/hでバンパーtoバンパーの状態で編隊走行を見学。

我々からすれば「凄い!!」の一言だが、横にいたSDAのインストラクターは冷静に「今日はちょっと間隔が広すぎですね。後で反省会かな」と(驚)。毎回同じ速度/同じ走行ラインに正確に乗せることができなければ、細かい「クルマの差」を感じることはできない。そんな一面を見ることができた。

「フルブレーキ」トレーニングでは、数値に表れにくいブレーキ性能の重要性を再確認

スバルドライビングアカデミー(緊急ブレーキ)

続いて緊急ブレーキのトレーニング。

よく「●●のブレーキは効かない」と言う話を聞くが、実はその理由はクルマ側の問題ではなく、ドライバーが「フルブレーキを踏んでいない」事が多いからだ。

今回はABSを効かせたフルブレーキに加え、ABSを働かせずに短く止まると言う体験も。タイヤやブレーキの状況をステアリングやペダルから感じ取りながら微妙に調整を行なうのは非常に難しい。

ABSのありがた味を感じるのと同時に、タッチやフィーリングなどでドライバーにフィードバックさせるといった、数値に表れにくい性能の重要性も再確認できた。

※時速200kmの編隊走行など、以下の「スバル・ドライビング・アカデミー(SDA)」撮影動画もご覧ください。スマートフォンの方はこちらのリンクにて(Youtube)

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山本 シンヤ
筆者山本 シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し。「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“解りやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。西部警察は子供時代にリアルでTV放送を見て以来大ファンに。現在も暇があれば再放送を入念にチェックしており、当時の番組事情の分析も行なう。プラモデルやミニカー、資料の収集はもちろん、すでにコンプリートBOXも入手済み。現在は木暮課長が着るような派手な裏地のスーツとベストの購入を検討中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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