フォード 新型 フォーカス(3代目・2013年モデル) 試乗レポート/飯田裕子(3/3)
- 筆者: 飯田 裕子
- カメラマン:オートックワン編集部
誰もが満足できる、フォーカスの絶品ハンドリング
新型フォーカスのハンドリングは、基本性能の高さと絶妙なセットアップ具合に、クルマ好きのみならず誰もが満足できそう。
フォーカスのパワートレインは、2リッター直噴エンジンに6速ATを組み合わせたFF(前輪駆動車)です。エンジン自体の主張は少ないものの、2リッター直噴=NAの自然かつリニアなトルク加減が可能で頼もしく、フォーカスのイメージにピッタリ。端的に言って「走りやすい」エンジンです。
日本には“Sport(スポーツ)”の1グレードのみが導入されています。ボディは先代に比べ強度も剛性も増し、特にこの“スポーツ”にはベースモデルに対し15%ほど強化されたサスペンションやショックアブソーバーが用いられているそうです。タイヤは専用開発のミシュラン プライマシー(215/50R17)を装着。
皆さんが「スポーツグレード」と聞くとどんなモデルを想像されるかは様々だと思いますが、このフォーカス、“スポーツ”と言っても決して尖がらず、むしろ上質な走りが味わえます。
街中での低速走行では多少のゴツゴツとした乗り心地はあるもののそれもわずかなもの。一方、ステアリングの操作感はしっかりとしているものの操舵は重すぎず、街中から高速やワインディングを通して統一感があります。
高付加価値で愉しく頼もしい「スポーツ」グレード
世界で売られているフォーカスのベースモデルの走りを知らぬゆえ何とも言えないものの、日本にやってきた“スポーツ”グレードの走りの質とエアロパーツなどの採用は、日本市場の付加価値=フォーカスの個性として、あえて選ばれたのではないかと察します。だから“スポーツ”と言ったって、基本性能のより高いグレードが日本に入ってきたと思っていいワケで、フォーカスに限っては万人の移動を楽しく頼もしく可能にしているという類のモデルと言えそう。
ただし最後に一点。最小回転半径は6mと意外と大きいです。しかし実際に試乗時に車庫入れなどを試してみても、そうは感じませんでした。この点だけは、ご自宅の車庫などで確認した方がよさそうです。
フォード フォーカス「Sport」主要諸元
全長x全幅x全高:4370x1810x1480mm/ホイールベース:2650mm/車両重量:1380kg/乗車定員:5名/ハンドル:右/最小回転半径:6.0m/エンジン種類:直4 DOHC 2.0リッター 直噴ガソリン「デュラテック」エンジン/総排気量:1998cc/最高出力:170ps(125kW)/6600rpm/最大トルク:20.6kg-m(202N・m)/4450rpm/トランスミッション:セレクトシフト付電子制御6速パワーシフトオートマチック(デュアルクラッチ・トランスミッション:ゲトラグ・フォード製)/燃料消費率:12.0km/L(JC08モード)/希望小売価格:293.0万円[消費税込み]
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