フィスカー カルマ 海外試乗レポート/ピーター・ライオン(2/2)

  • 筆者: ピーター ライオン
  • カメラマン:フィスカー・オートモーティブ
フィスカー カルマ 海外試乗レポート/ピーター・ライオン
FISKER Karma FISKER Karma FISKER Karma FISKER Karma FISKER Karma FISKER Karma FISKER Karma FISKER Karma FISKER Karma FISKER Karma FISKER Karma 画像ギャラリーはこちら

走ると納得!これが次世代EVスポーツカーの実力だ!!

FISKER KarmaFISKER Karma

スタートボタンを押す。センターコンソールにある小さなピラミッドのP/R/N/D/Lから「D」を選択すると、デフォルトのEVステルス・モードが自動的に選択された。

いよいよフィスカー・カルマを走らせてみる。すると、フィスカー社の自信の程は即座に納得できた。

車重は未公開となっているのだが、およそ2tくらい。その重量でありながら0−100km/h加速は7.9秒、最高速度はステルス・モードで155km/hを記録する。

フィスカー社は、今回の試乗のために特設公道コースを用意していたのだが、それを1周走るだけで、十分にこの新参モノのEVスポーツカー「カルマ」のハンドリングの実力は満足できるものだった。

鍛造アルミニウム・アームのダブル・ウィッシュボーンのサスと、自動水平(self-levelling)リアダンパーのお陰で、カルマの走りはトップクラスの安定感を持っている。ステアリングも手応えがあって、ターンインがとてもシャープ。そして何よりもニュートラルステアがいい。

FISKER KarmaFISKER Karma

3.16mと長いホイールベースに前後輪ともにしっかりと幅があって、低重心で22インチのグッドイヤー・イーグルF1タイヤを装着。前輪はブレンボの6ポットで後輪は4ポット。制動力とペダル剛性は優れていて、フェード性もいい。

これらが相まって、カルマはコーナーでフラットな姿勢を保ち、フルブレーキングでもノーズダイブはほとんどしない。また、右パドルでヒル(登坂)モードに切り替え、ダウンシフトらしき効果を想定する3レベルの回生ブレーキも選択できる。

タイヤ・グリップは非常に高いが、プッシュすればリアが確実に流れる。しかし、クルマの動きは読みやすいので、スロットルでカウンターステアを修正しやすい。

ただ、問題は音だ。風音とロードノイズの抑制は上手くやっている。いや、それがかなり上手く抑えられているので、コーナーリング時にボディの動きの音だけが多少聞こえてきてしまう。それもそのはず、今はステスル・モードだからだ。

なんとあのブガッティ・ヴェイロンに迫るトルク「スポーツ・モード」

FISKER Karma

それでは、パドルをはじいて、スポーツ・モードに切り替えるとどうか?

全開までアクセルペダルを目いっぱい踏み込む。すると、いきなり最大トルクの1330Nmが発生。そう、なんとあのブガッティ・ヴェイロンに迫るトルクだ。たちまちエンジンが生き返ったように結構大きな音をたて、いきなり静寂は破られた。

そしてちょうど前輪の後に配置されたエギゾースト・パイプからヒューヒューという乾いた音がしてきた。

最高出力は2割ほどアップ。そして、このスポーツ・モードでは、0-100km/h加速は5.9秒まで縮み、最高速度は200km/hにも達した。

さて、世界に先駆けるもう1点は、フィスカーの指令(コマンド)センターは、クルマのセンターコンソールにあるということだ。10.2インチ(25.5cm)の大きなタッチスクリーン上で、ほぼすべてのコントロールが簡単に操作が出来るのだ。

室内のノイズとエギゾースト音が多少気になるところだけれど、これはすぐに解決されるだろう。基本価格$96,850(約814万円)というのに、すでに3,000台のオーダーが入っているということだが、フィスカーのマーケットは充分あるという証拠だ。

ちなみに、今年12月には日本に上陸予定のカルマ。販売価格は、たぶん1000万円を超えると思われるが、余裕があればぜひ購入したい1台だ。

フィンランドのポルシェ・ボクスターを生産する工場でカルマの製造が始まって3年。目を見開かせる美しさ、ユニークで卓抜した技術力、優れたハンドリング性能、優れた環境性能で新しい基準を打ち立てているカルマの行く手が明るいことは確か。

アメリカ政府エネルギー省からの5億2900万ドル(約444億円)の資金投入のお陰で、フィスカーはGMの元デラウェア工場を購入することができた。ここで、カルマより低価格で小型のニーナを生産する予定だという。

さて、次のアカデミー賞のレッドカーペットに、ステルス・モードで乗り付けるのは、誰になるのだろう?

前へ 1 2

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

筆者ピーター ライオン
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる