プジョー 新型5008 試乗レポート｜SUVライクに生まれ変わった新型は、街中から長距離まで使い勝手豊富(2/2)

抜群の高速安定性

高速に乗り出すと、このクルマの良さが際立ってくる。3008と同様に抜群の直進安定性と、適度なサイズとホールド感を持つシートは長距離を走っても疲れを感じさせない優秀なものだ。さらに、SUVにも関わらず重心が低くとられているため、高速でのコーナーも安心で、吹き流しが横に向くくらいの横風にも強さを見せた。

エンジンパワーは必要にして十分。若干重いボディを力強く望む速度へ引っ張り上げる。6速ATは比較的ハイギヤードで、時速90キロくらいで6速に入り、時速80キロくらいまで落ちると5速へダウンするので、高速での燃費は稼げそうだ。車載計ではおおよそ17km/Lほどを表示していたので、かなり長い脚が期待出来るだろう。

一方、前席ではロードノイズがやや気になった。特に後ろからの音の侵入が3008よりも大きいので、どうやらリア周りの変更が影響していそうだ。特に3列目あたりからバタバタというドラミングのような音が出ており、耳障りだった。

特等席は2列目シート

いま、ロードノイズがやや気になったのは前席でと書いたのには訳がある。高速の途中で2列目を試したのだが、前席よりもロードノイズが聞こえず、さらにはエンジン音も届かないのでとても快適だったのだ。どうやら2列目シートがリアからの音を上手く吸音して、そこにいる乗員にはロードノイズなどが聞こえないのかもしれない。

2列目シートは若干前後長が足りないものの、座り心地は上々。リクライニング機能も付いているので、165cmのテスターは1ノッチ倒すとちょうどよい姿勢を保つことが出来た。当然足元は広々としており、乗り心地もダンピングが効いてフラットな姿勢が保たれるので、5008の特等席はこの2列目シートと断言しよう。

3列目シートに関しては、エマージェンシー以上の性能はあるものの、やはり、スペースや座り心地等を踏まえると、長距離移動ではなく、1～2時間程度の移動範囲と捉えていたほうが良さそうだ。

気になる安全運転支援システムを試してみた

さて、高速では安全運転支援システムのいくつかを試してみた。以前のPSAの車両と比較するとはるかに動作はスムーズになったものの、その分他メーカーも進化しているので、もう一歩遅れている印象だ。レーンキープアシストは過敏でステアリングの戻し方はかなり強引なので、きつめの高速コーナーでは思わぬところでステアリングを戻されることがあった。

また、以前C4ピカソのテストの際にも書いたが、アクティブクルーズコントロールのファジーな部分が少ないため、頻繁に加減速するのだ。特に今回通った日本海東北自動車道は対面通行の箇所が多く、そういったところで使用していると、頻繁にストップランプが点灯するのがガードレールを通して判明したので、後続車を気にして解除することがままあった。もう少しシフトダウン等を併用してうまくスピードをコントロールしてほしい。それ以外の通常の2車線での誤作動、例えば高速の右コーナーで追い越し車線を走っているときに、左車線のクルマを検知し警告音、あるいはブレーキがかかるようなことは一切なかったので、基本性能は高いと思われる。

しなやかふんわりと硬め、あなたの好みの乗り心地はどちら！？

PSAでは日本市場に二種類のミニバン、SUV系車両を投入している。ひとつはシトロエンC4ピカソとグランドC4ピカソ。そしてプジョー3008と5008だ。シトロエンはしなやかでふんわりとした乗り心地。プジョーはしまった硬めの乗り心地と明確にカラーが分かれている。どちらも街中はもとより長距離を得意としている点は共通だ。

もしこういうタイプのクルマを検討しているなら、一度ゆっくりと乗ってみることをお勧めする。そこでこのクルマたちとの相性を見極めるのも悪くはないだろう。

[Text／Photo: 内田 俊一]

プジョー 新型5008 GT BlueHDiの主要スペック

プジョー 5008カタログを見る

新車価格：

580.6万円～622.1万円

中古価格：

40万円～551.2万円

新車購入問合せ中古車検索

プジョー 3008カタログを見る

新車価格：

481万円～710.5万円

中古価格：

34.8万円～663.5万円

新車購入問合せ中古車検索