オペル ベクトラ GTS 試乗レポート

  • 筆者: 森 慶太
  • カメラマン:難波賢二
オペル ベクトラ GTS 試乗レポート
インパネ リアシート サイドビュー エンジン ヘッドライト トランクルーム リアスタイリング フロントスタイリング 画像ギャラリーはこちら

5ドア、とは呼ばないで

インパネリアシート

基本的にはたんなる車体バリエーションにすぎないはずの5ドア・ハッチバックに、あえて専用のサブネーム=GTSを与えてきた。つまり明確に独自なキャラづけをしてきた、というところがこのクルマに関してはポイントだ。「新型ベクトラの5ドアHBは、セダンとワゴンの中間的ボディ形態(欧州における 3BOX系ハッチバックの位置づけは伝統的にはこれ)というだけの存在ではない!」みたいな主張がハッキリ見てとれる。 実際、端正にバランスの取れた外観がめちゃめちゃカッコいい。特に後ろ姿がタマラナイ。セダン+ワゴン÷2というよりは、セダン+クーペ÷2で見とれる。アシまわりもセダンのそれより締め上げられていて、タイヤも相応に偏平。

あくまで、5ドアではなくGTS。ぶっちゃけた話、アテンザ・スポーツ(これも5ドアHB)のオペル版ですね。車格からいっても。なお、今回試した4気筒2.2は348.0万円。

カッコがよくて荷室もデカい

サイドビューエンジン

セダンと較べて後席の着座位置が低く(お尻を落とし込む感じ)、一方で頭上空間の余裕はそれでもなおセダン比明らかに乏しい。

たとえば、身長170cmで座高やや高めの私が座ると後席の天井はホントにギリギリ。ただし、シートのサイズや着座姿勢や掛け心地は基本的に良好。ヘッドレスト関係の安全設計もちゃんとしている。ものすごく大雑把にいって、たとえば女性であればほとんどの人がゆったり快適に(少しオマケしていえば、ちょっとしたビジネスクラス気分で)過ごせるはずだ。なにより、外観のカッコよさと差し引きすれば十分納得できる範囲内。

一方、荷室はかなりデカい。後席を畳むとさらにキョーレツにデカくなる。後席環境のケースと違い、こちらは掛け値なしにワゴンなみ。荷室容量をかせぐひとつのキメ手となるのはウィンドウ下端のライン(の高さ)で、GTSのクーペ風スタイルはその点実用性とカッコよさとの妥協点がきわめて高い。

大空を舞う鷲のごとし

ヘッドライトトランクルーム

空間のカタチといい、また運転姿勢の調整の自由度の高さといい、コクピット環境はほぼ理想的。ダッシュボード全体の形状や操作パネルの読みやすさイジりやすさも文句なし。

全幅1800mmは額面上ツラそうだが、ドアハンドルの出っ張りを除くと実質1750mm程度に収まるらしい。乗ってみても、取りまわしのしやすさはちょうどそのぐらいの感じだった。 走りは、簡単にいって大空を自由に舞う鷲や鷹のような感じで気持ちイイ。豊かなトレッドとホイールベースとで無理なくゆったり踏ん張り、ヘンなクセも一切なし。実にスケールのデカい素直な身のこなしで、これだったらベンツ(旧型)EクラスのFF版といってもいい。アシはたしかにスポーティ系だが、タイヤの履きこなしはサーブ9-3より上手い。

オペルの常で全域活発な4気筒2.2リッターは、今回バランサーシャフトがついて見事に静か、かつ滑らか。そして速い! こんなに(快適なまま)速いと免許が心配。

348万円のビジネスクラス

リアスタイリング

キャビンの居心地やシートの掛け心地だけでなく、ベクトラ GTSはその走り(というか身のこなし)もまたなんというかビジネスクラスっぽい。簡単にいうと、大柄でデキのいいクルマに特有の気持ちよさがある。ベンツのCクラスにはちょっと望めないそのビジネスクラス感を、いってみればたった348.0万円で味わえる。これを貴重といわずしてなんとする!? という感じでしょうか。

もちろん、ベクトラのセダンにもほぼ同種の気持ちよさはある。あるのだけれど、GTSならではの外観のカッコよさと適度に締まったアシによる痛快な走りを知ってしまうと、モータマラナイ。国産だとアテンザの2.3スポーツにはけっこう近いモノがあるけれど、較べると全体にオペルのほうが役者は上だ。

ベクトラ GTSのようなクルマに乗ると、そのままどこまでも走っていきたくなる。日本全国のあらゆる道路を制覇したくなる。ほとんどロマンティックですよ、これは。

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筆者森 慶太
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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