燃費なんて気にしないけど気になる!レクサスLC500試乗&燃費レポート(2/2)

燃費なんて気にしないけど気になる!レクサスLC500試乗&燃費レポート
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もっと考えてほしい操作性や使い勝手

かなりデザインコンシャスなLCであるため、いくつかの気になる点とともに、詰めの甘さを感じたので記しておきたい。

近頃は軽自動車でも、車線変更時などでウインカーレバーをわずかに行きたい方向へ倒すことで3回点滅させる機能が付加されてきているが、レクサスはどの車種でもこの機構が付いておらず、LCも同様だった。

最近車線変更時にウインカーをつけないで行うクルマ(本来違反だ)が増えつつある中で、このような装備があれば多少はそういったクルマを減らすことが可能だと思うので、ぜひ採用をお願いしたい。

また、相変わらずナビの操作性は最悪だ。操作はシフトレバーの左側にあるオーディオスイッチの手前のタッチパッドに指を滑らせながら行うのだが、そのクリック感が半端でスクリーン上の矢印を目的の位置にぴたりと止めることはなかなか難しく、本当にいらいらさせられた。

更に、このタッチパッドの位置もドライバーからは遠いところにあるため、操作性を悪化させている。なぜシフトレバーの手前に配されなかったのか疑問だ。

カタログでは助手席の女性がタッチパッドの上のオーディオボタンを操作している写真が掲載されていることを考えると、明らかにドライバーからの操作はしにくいということがレクサス側でも認識していると思われる。

そういった操作性でいえば、ステアリングスイッチも同様だ。他車と同様にLC500もラジオのボリュームやチューニング等をステアリングスイッチで行うことが可能だが、その配置がバラバラなのだ。

具体的にはボリュームのスイッチはステアリング左に配され、チューニングは右側という具合だ。通常であれば、例えばオーディオ系は左、クルーズコントロール等の走行に関わるものは右など、機能を軸としてスイッチを集中させるのだが、なぜ左右バラバラに置かれたのか理解に苦しむ。

更にいうと左右方向キーなどの中心にある決定ボタンも小さく使いにくい。ナビを含めて、レクサスはどのような基準をもってレイアウトをしているのだろうか。

センターコンソールに生えるシフトレバーは通常のセレクターではなく、プリウスと同様のパターンで、右に倒しながら手前に引くとD、同じく上に押すとRというもの。しかし、ハイブリッドではなく、せっかく5リッターV8エンジンを搭載したスペシャルティカーなのだから、ハイブリッドと同様のシフトパターンにはがっかりさせられた。

そのほかにも例えばナビ画面で住所を入力し、複数表示された場合、最後まで文字が表示されず、どれを選べば目指す住所なのかがわからなかったり、サンバイザーを下ろすとルームミラーの一部が隠れたりなど、志とは裏腹に、やっつけ仕事的な部分が見え隠れしてしまう。そして、1300万円に喃々とするクルマなのだから、せめてシートベルトは乗員の肩口付近まで自動で持ってきてほしい。

以上、LC500を1400kmにわたって走らせてみて、最も感じたことは1300万円の価値があるかどうかだ。今どき味わえないエンジンフィールや、10速もあるトランスミッション、贅沢な設えのインテリアなど、「お金をかけて作りました」というところは数多くあるだろう。

しかし、果たして10速のトランスミッションが、走行フィール向上に役立っているのかというと疑問だ。前述の通り、8速にしてよりトルクフルな走りに振ったほうがクルマの性格に合ってはいないだろうか。

インテリアについても、ダッシュボードには段差を設け、そこにエアコンのアウトレットを配したり、ドライバー側と助手席の間に妙なグリップを設置するなど、なぜそういうデザインにしたのか理解に苦しむ。

更にTFT液晶モニターはスライドしてその下から別のモニター画面が現れる仕組みだか、これなどは子供じみたギミックだといわざるを得ない。

競合としては、ほぼ同じ価格帯でBMW650iや、少し高いがメルセデスS400 4MATIC クーペも視野に入ってくる。そういった中でLCは戦っていかなければならないが、パッとした見た目の稚拙さやギミック、前述の詰めの甘さなどによって大いに損をしてしまっているのが残念でならない。もう一度トータルでの煮詰めを行い、日本で唯一のラグジュアリーGTモデルの地位を確立してもらいたい。

[Text:内田俊一 ]

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内田 俊一
筆者内田 俊一

1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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