人気軽オープン「S660」の本当の燃費を測ってみた/vol.1 高速道路編(2/2)

人気軽オープン「S660」の本当の燃費を測ってみた/vol.1 高速道路編
ホンダ S660 走行イメージ ホンダ S660 パーキングエリアにて ホンダ S660 パーキングエリアにて ホンダ S660 海ほたるにて ホンダ S660 茂原長南インターにて ホンダ S660 ロールトップ ホンダ S660 リアイメージ ホンダ S660 MT メーター ホンダ S660 高速道路における燃費は「23.2km/L」 ホンダ S660 透過イメージ 本田技術研究所 四輪R&Dセンター ・ラージ・プロジェクト・リーダー 椋本陵 氏 画像ギャラリーはこちら

S660の魅力は、動力性能にあらず!

S660に乗って一番感じたこと、最大の美点は「動力性能を除けば“本物のスポーツカー”である」ということである。

その動力性能だが、S660はオープンカーということもあって車重がMT車で830kgと重く、絶対的な動力性能や追い越しの際などの加速力はホンダでいえば「N ONE」のような軽ハイトワゴンのターボ車並、同じ軽オープンカーの「ダイハツ コペン」と同等といったところである。

また軽スポーツという観点で「スズキ アルトターボRS」と比べれば、アルトターボRSは車重が670kgと車重がS660と比べてずっと軽いこともあり、アルトターボRSの方が明らかに速い。

ホンダ S660 MT メーター

そしてS660のエンジンフィールは、スポーツカーとしてみれば全体的に少しもっさりとしている。

メーターをターボチャージャーの働きを表すブーストメーター表示モードにすると分かるのだが、軽の64馬力規制との兼ね合いもあるのか、MTだと7,700回転からのレッドゾーン(CVTは7,000回転)に対し、6,000回転あたりからブーストがピーク値から下がり、6,000回転より上の回転域は「ただ回っているだけ」という印象だ。

とネガティブな部分を挙げてはいるが、筆者個人としてはS660は動力性能よりも後述する“運転する楽しさ”に魅力ありと感じているので、少なくとも取材での試乗走行特に不満を感じることはなかった。(とは言えども、この種の車は自分の愛車にして乗っているうちに不満や飽きが出てくるということもあるだろうが・・・)

そういった場合にはあくまでもトラブルや補償関係、耐久性に関してはあくまでも自己責任というのが大前提となるが、私の師匠である国沢光宏氏が書いているようにブースト(過給圧)を高回転域まで高いままキープするコンピューターも出回り始めているので、そういったパーツを使ってみるのも面白いだろう。

なお、6速ギアでの100km/h時のエンジン回転数は3,000回転であった。

背中から聞こえてくるエンジン音に、思わずワクワクしてしまう

ホンダ S660 海ほたるにて

軽オープンカーということで非常に気になる高速道路での快適性は、ソフトトップを閉めても背中から聞こえてくるエンジン音、風切音などを含めお世辞にも静かとは言えないレベルではある。

しかし、不思議と不快感やうるささはなく、むしろ一般的な車とは違って背中から聞こえてくるエンジン音にワクワクしながら、ミッドシップ・リアエンジン車の懸念事項であるステアリングに伝わってくる接地感≒安心感の乏しさもなく、加えて後述するように乗り心地が予想外にしなやかであることもあった。

期待値が低いという裏返しといえるかもしれないが、なんとかオーディオも聞きながらαグレードであれば標準装備されるクルーズコントロールを使いつつ、大げさに表現すれば「ガソリンが尽きるまでどこまでも行けそう」と感じる快適性を確保している。

ホンダ S660 茂原長南インターにて

しかし対照的に高速道路でオープンにすると、よく言われる「オープンカーは高速道路や真夏にオープンにするものではない」という言葉を思い返しながらも、厳しい日差し、激しい騒音と風の巻き込みで、日焼け大会をしているような苦行で、おのずとペースは下がっていった。

そして、ソフトトップを閉めエアコンが効き出した車内に戻ると「このまま時が止まらないだろうか」と感じるほどであった。基本的にはオープンカーの“セオリー”に従い、真夏の高速道路でオープンすることは考えない方が良いだろう。

なお、S660にはリアウィンドウが電動で開閉できる機能があり、高速道路でリアウィンドウを開けると風が抜けて、風の音が少なくなっているように感じた。

コペンローブと実燃費を比較すると・・・

ホンダ S660 高速道路における燃費は「23.2km/L」

高速道路での燃費は、軽オープンカーという面でのライバルであるコペンローブ(CVT)の実燃費「19.3km/L」を大きく上回る「23.2km/L」を記録。

オープンスポーツという、いわば究極の遊びグルマだけに燃費はそれほど気にするものではないが、コペンに比べて燃費が予想外に良かった要因としては、高速道路のペースではCVTに対し駆動ロスが少ないMTであったことや、タルガトップであるためオープン時の空気抵抗が有利だったことが考えられる。

なおオープン時の燃費の低下は、感覚的なものであるが10%程度に感じた。

ホンダ S660  α(6速MT) 高速道路における実燃費/23.2km/L

ダイハツ コペンローブ(CVT)高速道路における実燃費/19.3km/L

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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