スズキ 新型スイフトXS-DJE(デュアルジェットエンジン) 燃費レポート/永田恵一(1/5)
- 筆者: 永田 恵一
- カメラマン:永田恵一/オートックワン編集部
1.2リッター以上のガソリン車では燃費トップ「スズキ スイフトXS-DJE」の“実燃費テスト”を敢行!
スズキのコンパクトカー『スイフト』は、軽自動車をベースとしコストパフォーマンスや実用性の高さを売りにしていた「初代」、世界戦略車という役割を担い激変した「2代目」、2代目からほぼキープコンセプトでありながら、運転する楽しさや各部の質感を向上させた3代目となる「現行モデル」に至るという歴史を持つ。
2010年8月に登場した現行モデルは、室内空間の広さに代表される使い勝手の良さが支持される他社のコンパクトカーとは少し異なり、前述した「クルマとしての魅力」を重視したキャラクターがそれなりに支持されたようで、販売実績も堅調なものとなっている。今回は昨年7月の一部改良で追加されたDJE(デュアルジェットエンジン)搭載車をテストした。
従来から搭載されていた1.2リッター4気筒エンジンをベースに開発されたDJEは、燃焼室に燃料を噴射するインジェクターを1気筒当たり1本から2本とすることや、燃費やパワーに大きく影響する圧縮比を11.0から12.0に高めることなどで、燃費を向上させたエンジンである。
動力性能に関しては91馬力と12.0kg・mという最高出力、最大トルクこそ変わらないが、最大トルクの発生回転数は4800回転から4400回転に引き下げられており(最高出力の発生回転数は6000回転で同じ)、より扱いやすいエンジンになっている。
燃費に関してはエンジンそのものの改良に加え、DJE搭載車では、減速エネルギーを助手席下に配置されるリチウムイオイバッテリーに貯め、オルタネーター(発電機)の負担を減らす「エネチャージ」、ブレーキを踏みながら13km/h以下のスピードになるとエンジンを停止する「新アイドリングストップシステム」、エアコンの構成部品の1つであるエバポレーターに蓄冷材を入れ、アイドリングストップ中の送風状態でも冷気を出しアイドリングストップをキープする「エコクール」などを搭載。さらに空気抵抗低減のため、車高を10mm低くするなどの変更も施されている。
結果、JC08モード燃費では従来型エンジン(現在もラインナップされておりアイドリングストップは非装着、トランスミッションは以下CVT)の20.6㎞/h、一部変更前のアイドリンストップ搭載車の21.8㎞/Lを大幅に超える26.4㎞/Lを達成。この燃費を上回るコンパクトカーは、1リッター3気筒エンジンを搭載する三菱「ミラージュ」のアイドリングストップ搭載車の27.2㎞/Lだけであり、1.2リッター以上のエンジンを積むガソリン車ではトップとなる。また、燃費の向上によりエコカー減税も従来型エンジンの50%減税から100%免税となっていることも覚えておきたい。
今回のテストでは、DJEエンジン搭載のスイフトでは最上級グレードとなるXS-DJEのFF車(160万8600円、JC08モード燃費26.4㎞/L)を起用。テストは2月6日(木)の午前9時に都心を出発し、午後7時頃に帰着するというスケジュールで、前回レポートしたヴェゼルハイブリッドと同時に行った。天候は晴れのち曇りで、最高気温は6度と真冬の寒さの1日だった。道路状況は市街地の渋滞が少なめで、比較的恵まれた状況であった。
燃費測定の基本ルール
・燃費の測定は、車両に純正搭載されている車載燃費計を使用
・スピードは流れに乗ったごく一般的なペースで走行
・車両の状態もエアコンは快適に過ごせる温度(オートエアコンなら25度)に設定
・走行モードが選択できる場合にはノーマルモードを選んで走行
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